第25話〜怪力とM〜
高井田華子の怒りも無視し、会話?というか、軽いイジメを続ける3人の常人と3人の馬鹿と1人のいじめられっ子。
「ユウのミルクを受け止めるでっす!藍!」
「……ちょ、ヤメロよ、藍がまた暴れるかもしんねーぞ?」
「藍、意外とテクニシャンそうやもんな!ユウもヘヴンに行けるんとちゃう?ギャハハハハ」
「藍もう泣きそうじゃない……絶対暴れるに決まってるわよ…」
「藍はMなんだからユウに調教されてもいいじゃない?藍が使用人でユウがご主人様とか〜アハハハハ」
「藍さん震えてますわ。私、少し離れてますわね」
桜子さんと、ミルクさん、ライさんが藍さんから離れた瞬間、藍さんは大声で泣き出した。
「ひっ…うっ…うぇっ……うわぁぁああぁああぁあぁぁぁぁああぁああぁあぁぁぁん!!!」
メキメキメキッ
藍さんは門をひねり外し、両手で持ち上げた。
「うわっ!ちょ、ゴメン藍!!本気じゃないからッ!!」
そして、僕の方めがけて門を投げ………あれ?僕何もしてなくね?
「私えっちじゃないですぅぅぅぁああぁああぁあぁぁぁ!!!」
「う、うわぁぁああぁああぁあぁぁぁ!!」
門が僕の方へぶっ飛んでくる。避けようも避けられない。頭を手で覆い、目を固くつぶる。
どがしゃぁぁあぁあん
「………う…あれ?」
痛みが来ない。どうしたんだ?
目を恐る恐る開けると、門は僕の数センチ左に落ちていた。…………………………あっぶねェ〜。
「ううっだって、皆さんが悪いんですよ?うっ…私をイジメて……うっ…」
沈黙の中、藍さんはしくしくと泣く。風花さんは、藍さんを怒らせた主犯のくせに、腰が抜けて立てないようだ。
「あ、そういえばモニターは?」 モニターを見ると、見事に門の破片が突き刺さり、修復不能の状態になっている。
「何よ、モニター壊れたじゃない。使えないわねェ」
と、とことこ門が無くなった豪邸に入るミルクさん。
「何だよ、結構あの高井田華子だかっつうババアの話ベタで面白かったのに」
ライさんもミルクさんに続いて入る。…ってゆうか、あれ?
「ババアじゃありませんわ。まだ若そうじゃありませんか。」
この人たち…
「女は三十路過ぎたらババアでっす」
「ミカン、世の中の三十路を敵にしたらアカンて」
「ホラッ!!早く歩きなさい!!ドM!!!」
「風花さぁん!私Mじゃないですよぉぅ〜〜」
モニターわざとシカトしてた?
…………なんかもう、帰りてぇなァ
豪邸の中に入ると、まるで城のようだった。
赤い絨毯がしかれ、絵画やオブジェが飾ってある。
「すごいですね、ここ」