第22話〜金持ちとパンダ〜
すいません!!久々更新でっす
「……………」
怪しい男達に無理矢理眠らされた光正院流音は、静かに目をさます。
自分の体に目を向けると、麻の縄で椅子ごと縛られていた。
壁には無数の本がしまってあり、自分の正面には大きな机がある。カーテンや床は豪華なデザインが施されていて、この家?の主は相当な金持ちだと思われる。
「ここ………どこ?」
必要最低限の言葉を使った質問。しかし、誰もいないこの部屋から返事はない。
すると、自分の後ろ側にあるドアが開いた。
「あら?お目覚め?残念ですわ」
カツカツと歩き、流音を無視して机の椅子に座る。
「わたくし、高井田華子と言いますの」
「………高い鼻穴?」
チゲェよボケ。アホか。
華子は咳払いをし、流音に指をさす。
「わたくしは元・光正院家の者ですの。貴方のおうち、随分金がまた入ったようですわね。わたくしを追い出し、金ばかり欲しがって……!!」
「アンタの顔ブスだから追い出されたかも……」
オイィィィ!!女性にブスはダメだよぉぉ!!
一応補足するけど華子はめっちゃ美人。というか高貴な女性だ。
「貴方、あとで見てなさい。酷い目にあいましてよ。」
先程の言葉がカンに触っていて、華子は血管を額に浮かべたまま部屋を出ていった。
場面は変わって屋敷のリビング………
「吐け!!お前が流音を拉致ったんやろ!?」
「ち、違いますよう!!私、皆と一緒だったじゃないですかぁ〜!」
「ま、アンタもいろいろあるでっすからねェ。カツ丼食べまっすか?」
「伽凛さんもミカンさんもォ〜!私何もしてませんってェ!!うわぁぁぁん」
……こちらは藍さんが無実の罪で、バカ2人の刑事ごっこに付き合わされている………。
「不思議っ子流音を拐ったヤツはドコにいるのォ〜〜?うふふふふ〜〜どうしてやろうかしらァ〜〜。木馬を用意してェ〜うふふふふ〜〜裸にさせてェ〜〜〜風花の奴隷にさせてェ〜〜」
……こいつは頭がラリっている……。多分、末期だと思う。
「オホホホホ。明るいですわねぇ、私達の家族は」
んなことどうでも良いですからッ!逆に今明るいのがウザイですよ!
「………はぁ〜。何でウチってこうなんでしょうねぇ……一応、非常事態ですよ?非常事態……」
僕たちは会議室で対策会を開いているのだが、………意味無い。ってか泣きたい。
「つか、誘拐なら電話かかってくるよな」
「身代金よね?流音の実家、超金持ちだから、それ狙っているんじゃない?」
珍しくライさんとミルクさんが真面目に会議。
でも流音ちゃんが消えてから、かなり時間が経っている。
「流音に何したんやぁぁ!??大人の階段上らせたんかぁぁぁぁ!!?」
「藍ィィィ!!実はムッツリスケベでっすねェ!?だから流音を……!!」
「ああもう!!うるさいですよ!!流音ちゃんが事件に巻き込まれてい……」
ピンポーン ピンポーン
「すいませぇん。郵便です。うひょっ」
…………なんだ
「うひょっ」 ってのは。
行きたくないけど、行かねば…………。もしかしたら犯人からの連絡かもしれない。
重い腰を持ち上げ、僕は玄関に行った。
「はい、いつもご苦労様で………げっ!!」
「…うひょっうひょっパンツ好きかい?」
僕の目の前にいたのは、パンダのマスクを被った変態野郎だった。