第19話〜猫とハンマーと僕〜
かぽーん
温かい湯気がたちこもり、適度な湿度とお湯加減。
「あったかぁいでっすぅ」
「うにゃぁぁ」
前回に引き続きネコのままの僕。
ちなみに今は入浴中。裸のミカンちゃんは、巨大風呂に僕と入っている。
もちろんミカンちゃんは裸。ってか、男として言いたいことは、ミカンちゃんのボディーについてだ。
一応中学なのに、胸は幼稚園児くらいしかない。なんだろ?逆にソコが萌えるのかな?
「ミケ、温かいでっすか?」
「にゃあ」
「ボクも温かいでっすぅ」
あ〜気持ち。なんか眠くなってきたぁ………と思いきや、いきなり頭にパコーンと桶が当たった。
「ありゃ、ミケに当たってもうた」
「ミカン〜!!久しぶりに野球拳しよ〜!」
「全員参加やで〜!敗者は明日の朝食作りになっとるからな」
や、野球拳…?こいつら、やってたの?
解説しよう!野球拳とは、お互いジャンケンし、負けたら服を一枚ずつ脱がなければならないゲームだ!!要は、オヤジが好きそうなゲームである。
「やるでっすぅ!!野球拳〜!」
野球拳やろうにも、脱がなければならないのはバスタオルだけだ。
つまり、ピンクの二つの丘と、綺麗な花びらをすぐに見れるということ。
「はぁい!野球拳始めるよぉ!!」
「ほ、ほんとにやるんですかぁ?」
「ジャンケン俺弱いし……」
愚痴をこぼす藍さんとライさん。
それを無視してゲームは始まった。
第1試合目
ミルク×桜子
「はいッ!!第1試合開始〜!」
風花さんの合図でゲームが始まる。
「負けないわよ〜!朝食作りなんて嫌だからっ」
「ふふふ。お互い様ですわ」
あ、今なんか火花見えた。
「「せぇの!ジャンケンぽん!!」」
二人の掛け声が風呂場に響く。そして勝敗は……
ミルクさん、チョキ。
桜子さんグー……。
つまり……
「あたしの負けぇ!?嫌ぁぁ!!」
「ふふふ。早く脱ぎなさい」
「ちなみにぃ〜!罰ゲームとして、負けた人はセクシーポーズをとってもらいまぁす」
「ちょっと!!風花ぁ!」
「M字開脚!M字開脚でっす!!」
「裸で側転やってみぃ!ぎゃははは」
うっわぁ〜こいつら最悪だ。
すでにミルクさんは全裸……なのだが、なんかピンとこない…下から上まで見上げ…分かった。この人、貧乳だった。
ちなみにミルクさんのセクシーポーズはイナバウアーだった。別にセクシーでもなんでもない。
第2試合目
藍×ライ
「え〜やりたくないですよぉ」
「いいの!ちゃんとやるの!!コラっライも逃げるなぁ」
「なんで、やんなきゃなんねぇんだよ。つか、セクシーポーズってなんだよ?」
「ライ、まともなツッコミ、風花に通じない」
流音ちゃんは、なぜかすでに全裸。胸もミルクさん並にない。
「いくよ!せぇの!ジャンケンぽん!!」
無理矢理ジャンケンをさせる風花さん。
「あ!私の……負けですぅ」
藍さんパーでライさんチョキ。
ライさんは勝利の喜びにひたり、藍さんは地獄を見ている。
「藍、ルールはルールだからね。早く脱いでセクシーポーズ!!」
「わ、私嫌ッ!!嫌ぁあぁあぁぁ!!」
「ちょっ!藍!どうしたでっすか!?」
泣きやまない藍さん。
ご主人様たちは、一気に血の気がひいた。
「アカン。藍のマジギレもぉどになるで?」
ドォォン!!
「ふざけんなぁあぁあ!」
藍さんはどこからか、巨大ハンマーを床に叩きつける。
「全員退避ぃ。かまぼこと共に」
一斉に逃げ出すご主人様。……って僕はぁ!!??
「にゃぁぁぁぁぁ!!(オイこら!!!置いてかないで!!可愛いミケちゃんが、粉砕されるっ!!)」
風呂場には僕だけが、取り残されているのだと思ったのだが、
「きゃぁぁぁ!!ちょっと!!藍!あたしを殺さないで!」
ドォォォンと再びハンマーをふりおろす。
すると、藍さんはミルクさんを軽々と持ちあげた。
「いや!藍ぃ!放しなさいよ!」
「セクシーポーズなんか知るかぁあぁあぁぁ!!」
「いやぁあぁあぁぁ!!」
藍さんは僕に向かってミルクさんを投げ飛ばした。
「にゃっにゃっ!(えっ!ちょっと待って!!)」
ミルクさんは近付いて近付いて………
どぼぉぉん!!
水しぶきと共に、僕はお湯の中へ沈む。
「ぶっはぁぁッ!!ゲホッゲホッ!!死ぬかと思ったぁ…………ってアレ?」
いつのまにか、体が人間に戻っている。
湯舟には、ネコミミカチューシャ。もしかして、一日たったら人間の体に戻れるってやつ?
まぁ良かった。人間に戻れ………
「ユ、ユウ?ユウでっすか?」
「あんた、アタシ達の裸、見てたんだよね?」
「つか、ユウも裸やん。エライ汚いもん見せとるなぁ」
「下着ドロんとき最悪だ」
「犯罪ですわね。完璧に」
「ひゃくとーばん」
皆の目は非常に冷たいってか……軽蔑ってか……
「ユウ!!ミケはユウだったの!?ちょっと!!これ少年院行きよっ!!」
「えっちょっと!!誤解ですって!!誤解……」
僕の背中に殺気が走った……振り向くと藍さんがハンマーを構えていた。
「あ゛っ……」
「死ねボケぇぇぇえぇえ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
強制終了……バイ 流音
続く