第17話〜ネコに芸〜
チュンチュンチュン……
日曜の朝の眩しい太陽が僕の体を照らす。
嗚呼、今日も使用人生活が始まるのか……(溜め息)。
僕は思いきり腕を伸ばし、体の神経を叩き起こした。
「ふにゃぁぁぁ」
大きなあくびをすると、なんかネコの鳴き声が聞こえる。
ありゃ?猫どこだ?
辺りを見回しても猫はいない。
ってかなんか、今日は世界が違って見える。なんか妙に家具がデカクなったような………。
それに首かゆい。なんで?
僕は足で首をかいた。
ん?
かけるわけねぇじゃん。
僕は自分の体をようく見てみると……
「にゃぁ(猫になってる)」
……ぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁ!!!
そういえば昨日の夜、アキバで仕事をやってきた風花さんから僕はおみやげを貰った。
もう僕は感動で感動で、過呼吸になったもんだ。
僕はハイテンションで包みを破くと………
「何コレ?ネコ耳?古くね?」
そう、おみやげは可愛いネコ耳だったのだ。
「ユウに似合うと思って買ったんだよ♪つ・け・て♪」
誰が付けるかぁあぁあ!
「なんですか?悪質な嫌がらせですか?」
「ベタ技でエプロンも付けるでっす!!!」
「いっそのこと、裸エプロンやれや〜ぎゃははは〜!!」
なにこいつら?僕の尊厳をかき消すつもり?
「絶対可愛いからさ〜!つけなよ」
「いやっ、ちょっ待って!!伽凛さん!足抑えないでくだ…ってミカンちゃんも!!ぎゃぁぁぁぁぁ!!風花さぁん!!それ接着剤ついてる!!!ネコ耳とれないじゃないですかっ!!ぁあぁあぁぁ!!!」
とゆうこで昨日ネコ耳をつけられた。しかも、風呂に入っても取れないときたもんだ。
そんで朝、僕はネコになっちゃったわけ?
「にゃあ(どうしよう)」
とりあえず、下に降りよう。と言っても、開けられない。ってかご主人様は朝ごはん作れるのか?
「ユゥゥウゥゥゥ!!」
どたどたと騒がしい足音が僕の部屋に近付いてくる。
バンッ!!
「ユウ!!起きるでっす!!ユウがいないと、ボクたちごはん食べれないでっす!!」
ドアを勢い良く開けて来たのはミカンちゃん。
うわぁ…一番会いたくなかったよ………
ミカンちゃんは僕を見つけ、目を輝かせた。
なんかCGでキラキラの星が出てそうだ。
「ネコでっすぅ!」
ムギュウウ
「うにゃぁ」
ミカンちゃんは僕を抱きかかえた。ってか、苦しい。肋骨折れるから!
「みんなに見せるでっす!お前の名前は……ミラクル・パラソワネット・B・カトリーヌ・ケネディーナでっす!略してミケ!!」
普通にミケにしろや。
食堂に降りると、ミルクさん達がカップラーメンを食べていた。
そして僕を見るなり、
「ネコ?捨ててきなさいよ」
「それも朝飯なん?」
「毛がラーメンに入るだろ?」
「ネコ嫌いですよ〜」
「ミカンちゃん、そのネコ病気あるかもしれませんわよ?」
「かまぼこ、食べられる」
「なんか目が生意気じゃない?」
え?好感度ゼロ?しかも捨てるとか言うな
「このネコの名前はミラクル・パラサイト・D・カトリーヌ・ケネディーナでっす!略してミケ!!」
おい、名前違うぞ?
パラサイト?虫?
「捨てネコでっす!昨日、正門で『拾って下さい』ってかいてる箱に入ってたでっす。だからボクは、『さむいだろう?ボクのペチャンコオッパイで温まり』ってことで、ネコを拾ってきたでっす!!」
「にゃぁ(なんだよ、その話)」
「やっぱりこのネコ、ボクに慣ついているでっす!」
「にゃぁぁ(ありえません)」
ご主人様たちは朝食の後片付けをしはじめてしまった。
ミカンちゃんは、かまってもらえないのが悔しいらしく、僕の首をギュウっと絞めやがった。
「うにゃぁぁ(ぬぉぉおぉ!死ぬっ!)」
「ミケは凄い芸できるんでっすよ!?もう、メッチャ凄いんでっすよ!?」
あきれた様子で、ご主人様はミカンの方へ目を向ける。つか、芸なんて何すればいいのさ。
「ミケ!!おすわり!」
「うにゃあ」
ペタンとテーブルに座る僕。
「お手!!!!」
「にゃぁ」
「へぇ、ちゃんと出来とるやないか」
「でも、基本的な、ことばかり」
むぅぅぅとホッペを膨らませるミカンちゃん。お次はなに?僕はもう使用人じゃない。なんとでも命令したまえ。うわっはぁ〜い!ウヒャヒャヒャヒャ。
ミカンちゃんは次の芸を命じた。
「オチンチン!!!」
あ、オチンチンね……
って………は?
お前なんつった?
「オチンチンでっす!!!」
「う、うにゃ?」
おい、それって犬限定の芸じゃないの?
「オチンチンでっす!!オチンチンチンチンチンチンチンチンチンチンチンチンウ〇チ!!!」
ちょっとぉぉぉ!!女子中学生がそんなコトバ………ちょっ……ダメでしょぉぉ
しかも最後は最低な単語だし。2回目だよね?この単語でたの。
この小説下ネタばっかって思われるじゃん〜!