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AI漫画 マッチングアプリで出会ったら(姉、弟)だった! (姉、弟)だと指摘したらアプリを使ってるのがばれてしまう。仕方がないこのまま(姉、弟)とデートしよう!

作者: 六三
掲載日:2026/08/10


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小説本文


(くそ、服を着替えるのに手間取った。急がないと)

 高校生2年生の智也は、マッチングアプリでマッチングしたナツと待ち合わせし、待ち合わせ場所の駅に向かって走っていた。

 精一杯のおしゃれをしている智也だが、家からおしゃれすると、姉の夏美に馬鹿にされると思い、わざわざ駅のトイレで着替えてきたのだ。

 さらに、普段はメガネだが、ひそかに買ったコンタクトレンズに変える。

 だが、ヘアセットに思いのほか手間取ったのだ。


 スマホを握りしめて時間を確認しながら走り、何とか待ち合わせ時間に間に合った。


(あ、聞いていた通りの服装だ)

 と、ナツを見つけて後ろから声をかけた。


「ナツさんですか」

 女性が

「あ、トモくんね」

 と笑顔で振り返る。


(((姉、弟)じゃないか!~~))



((え?間違いなく(夏美、智也)だよね?))

((なんだその(ギャル、中二病)ファッションは!))


(まあ、(私、俺)はばっちりと(メイクしているし、髪も決めてるし)、ばれてないだろうけど)


((でも、一応、確認するか)


「は、初めましてトモです」

「こちらこそ、初めましてナツです」


((よし! ばれていないようだ))


((しかし、お前(姉、弟)だろと指摘したら、(私、俺)まで、マッチングアプリをしていたとばれてしまう))

((仕方がない、このままデートするしかない))


「じゃあ、行こうか」

「ええ」


((だが、些細なことでばれないとも限らない、マッチングアプリでのキャラを演じきるしかない))



(しかし……。家ではいつもジャージでゴロゴロしているのに、ミニスカートなんか履いておしゃれしてるな。俺じゃなかったら見逃しちゃうね)

(でも……。家ではボサボサ頭なのに、ワックスなんてつけてカッコつけちゃって。私じゃなかったら見逃しちゃうね)


「なに、俺の顔に何かついてる?」

「ううん、トモくんこそ、私の方ばかりみてるじゃない」

((まさかばれたか? ごまかさないと))

「い、いや、かわいいなと思って」

「わ、私もトモくんカッコよいなって」


((そ、そうか(私、俺)に見とれてたか。まあ当然(ね、だな)))


「あ、ここが予約していたカフェだよ」

「へ~。おしゃれなカフェですね」


「あ、ああ。ネットで調べたんだ」

(お。私のために調べてくれたんだ。頑張ってるね)


「え、何、にやにやして」

「あ、ううん。私のために調べてくれてありがとう」


「い、いや、たいしたことないよ」

(赤くなっちゃってかわいいわね)


(家では口うるさいばかりなのに、なんかすごく褒めてくれるな。俺も何か言わないと……)


「ナ、ナツさんも、ともてかわいいよ。お、俺のためにおしゃれしてくれたのかな」

「そ、そうね。ほ、褒めてくれてありがとう」


(え、なに、いつも家ではブスとか言ってるのに)


(なんかすごくて照れてる。家ではいつもブスっとしているのに)


「トモくんもとてもカッコいいよ」

「そ、そうかな。ありがとう」


智也

(いつも家ではダサいとか言っているのに)


夏美

(なんかすごい照れてる。家ではいつも不機嫌そうなのに)


「と、とにかく中に入ろうか」

「ええ。そうね」


「いらっしゃいませ」

「予約していた……トモです」


「え? トモ様ですか? 予約表にはありませんけど……」

 予約は「智也」でとっているので名前が見つからない。

 ウエイトレスがパソコンのディスプレイを見ながら困惑している。

 智也がカウンターに乗り出し、ディスプレイを指さした。

 夏美は見て見ぬふりをしている。


「あ、これです」


「あ、はい。智「うん。それ!」」


ウエイトレスが、予約名を読み上げようとするのを、自分の声でかき消そうとする智也。


(うわ。すごい胡麻化そうとしている)

 夏美は笑うのをこらえるのに必死だ。


ウエイトレスに案内されて席に向かう。

夏美は

「何か胡麻化してました?」

と笑う。


智也は、

「本名で予約してて……。アプリの名前で呼び合ってるのに興ざめだろ」

(さすがに鈍感でも、名前を聞いたら俺って気づいちまう)


「こちらでございます」

 とウエイトレスに案内されて窓際の席に座る。


「ここのパフェが、とても人気らしいんだ」

(お~~。頑張って調べてるな)

 とにやにやする夏美。


「え、何、何かおかしかった?」

「ううん。トモくんがいろいろ調べてくれているのがうれしくて」


「そ、そんなたいしたことないよ」


夏美

(おー。赤くなってる。ちょっと面白いかも)


「ナツさんも、さっきも言ったけど、とてもかわいいよ」

「そ、そう。ありがとう」


智也

(めっちゃ恥ずかしがってる。ちょっと面白いかも)


「そ、それで何、注文する?」

「じゃあ、トモくんがおすすめのパフェにしようかな」


 2人で、それぞれのパフェを食べながら、智也はスマホをナツに見せる。


「この後、この水族館に行こうかと思うんだ。良いかな?」

「うん。水族館は大好きよ!」


「そう。良かった」

「これも調べてくれたんだよね。ありがとう」


(なんかすごく褒めてくれるな)

(弟がせっかく頑張ってるんだから誉めてあげないとね)


「あ、ナツさんもおしゃれしてきてくれたの俺のためなんだよね。ありがとう。かわいいよ」

「う、うん」

(さっきから、かわいいしか言ってないけど、褒められて悪い気はしないわね)


 パフェを食べ終え、

「じゃあ、行こうか」

と、水族館に向かう。


 周囲には同じように水族館にむかうカップルが大勢いる。


(なんか、さっきからいろいろ褒めてくれるな。俺も何かリードしないと。周りもカップルだらけか……。やっぱりカップルだと手をつないでるよな)

(そうだ。マッチングアプリのキャラを演じるんだった。アプリではもっと積極的な感じだったよな。よしっ!)

 と、ナツの手を握る智也。


 握られた手を見て

(え? 何いきなり手を握ってくるの? 周りはカップルだから手を握ってるんでしょ。私たち付き合ってないよね?)

 と戸惑う夏美。


「あ、ごめん。手を握ったらダメだった?」

「そ、そんなことないよ。ちょっとびっくりしただけ」


「そう。良かった」

 と、手を握り続ける智也。

 本当は姉だと分かっているので、平然としたものだ。しかし夏美はそうは行かなかった。


(私を姉だって知らずに手を握ってるんだよね? 家ではダサダサなのに、こんなに積極的なの?)

 と、顔を赤らめ戸惑う。


(なんか。すっごく恥じらってるんだけど、家ではがさつなんだけど、男の前ではこんな顔するのか……)


 水族館に到着する。


 まずは、定番のペンギンから見て回る。


 本当は姉、弟だという安心感が土台にあるためか、智也は積極的に行動し、夏美は見守るように過ごす。


 イルカショー、ラッコのエサやり。

 巨大水槽を見て回る。


 はからずとも家ではみせない顔を、見せ合い、それは思いのほか楽しいものだった。


 そして水族館も見て回り、水族館をでる。


 すると、外はすっかりと日が暮れていた。


 ここからは、本当のカップルの時間だ。

 姉、弟が踏み込むわけにはいかない。


(夜になったけど、姉とどこに行けっていうんだよ)

(まさか、弟とこれ以上はね……)


 だが、相手は自分を(姉、弟)とは気づいてないはず。別れの言葉を言い出せない。

 これからどこに行こうかとも言えず、公園のベンチに座った。


 会話もなく、今日あったばかりの2人なら気まずいはずが、気まずさもない。

((会話が続かない……))


((でも……どうしてこんなに落ち着くんだろう))

 姉と弟だからである。

 姉と弟で無言でいても気まずくとも何ともないのは当然である。


 智也がナツに視線を向けると、ナツも智也の視線に気づき微笑む。

 智也も応えるように微笑む。

((こんなに気を許してくれるなんて……))

 逆吊り橋効果である。

 姉と弟だから、気を許して当然である。


((こんなに気を許してくれているなんて……。今更、(姉、弟)だとは、絶対に言えん!))


 しかし時間は時を刻む。

 完全に日も暮れて公園の街灯も点灯している。


「トモくん。それそろ帰ろうか」

「そうだね」

 とベンチから立ち上がる。


 朝、待ち合わせていた場所まで戻り、

「じゃあ、またね」

「うん。またね」

 と、そこで別れる。


((思わず、またねって言っちゃったな……))


 夏美は、そのまま電車で自宅にむった。

 智也は、その後、トイレでワックスを洗い流し、タオルで髪をゴシゴシ拭いて、いつもの服に着替え、さらに髪が乾くまで時間をつぶしてから帰宅した。


 智也が帰宅すると、普段の姿の姉がいた。

 夏美も、普段通りの智也に視線を向ける。

 タオルで拭いて、自然乾燥に任せた髪は、いつにもなしてボサボサだ。

 そして、夏美も智也よりも早く帰宅しなければと急いで帰宅して、そのままシャワーを浴びて、完全にお家モードのジャージ姿だ。


((昼間のおしゃれはどうしたんだよ!!))


「あんた、何、そのボサボサの頭は」

「そっちこそ、なんでジャージなんだよ」


((たく、昼間はあんなに(かわい、かっこよ)かったのに))

((そうだ。からかってやろう))

 と同時に思ったものの、この手の行動の速さは女性が勝つ。


 夏美は、スマホでマッチングアプリを起動し、素早くメッセージを送る。

「今日は、トモくんとってもカッコよかったよ」


 智也は、通知音に気付いてスマホを見て、さっき罵倒した相手とも知らずにと、にやにやする。

(あ、向こうから先に来た)


 そして、返信をする。


 夏美のスマホの通知音が鳴り、夏美がスマホも見る。

「ナツさんも、とてもかわいかったよ」

 さっき罵倒した相手とも知らずにと、にやにやする。

 そして返信。

「また、お会いしたいです」

「僕も、またナツさんに会いたいです」


 にやにやと会話を続ける姉と弟。


 お互い、自分の言葉を喜んで、(姉、弟)が、にやにやしていると信じている。


 夏美が智也に

「何をにやにやしているのよ」

 と問いかける。

 智也は

「別に。そっちこそ何をにやにやしてるんだよ」

「別に。何でもないわよ」

 とお互い、にやにやし続ける。


((騙されていると知らず、馬鹿なやつめ!))

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