表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/40

不穏の兆候

 討伐パーティーが森へと入って四日ほど経つと、シュバイゲンの村がにわかに騒がしくなった。

 予定では討伐三日のはずだったが、一人も帰還せず、何の連絡もない。何かあったに違いないとの噂が立ち始めた。

 しかし、長引いているとも考えられるため、もう少し様子を見ようという意見があり、ゼファイル村長の指示により捜索隊を編成しつつも待つことにした。


 四日目の早朝、北の方角から二人が生還した。

 魔法使いジータと剣士一人だった。

 二人とも瀕死の重傷を負いながらも生還したのだった。

「他の三人の剣士様はどうされました」

「大半のグロイエル、グリフスは仕留めたが、こちらの犠牲も大きい。三人は討ち死にした。グロイエルに叩きのめされ、グリフスに貪られた。遺体も回収できぬことは無念極まりない。……射ち漏らした奴らは仲間を集めて再び周辺に現れるだろう」

 生き残りの剣士が息も絶え絶えに言った。

「奴らは今までに見た魔物ではない。凶暴で、しかも死を顧みない。魔物とて死を恐れるはずだが、あれらにはまったくそれを感じなかった。それどころか痛みさえ感じていないのではないかと思われる。ひょっとすると何かに洗脳されているか、操られている可能性がある。それを弁えて今後の対応策を考えねば……」

 左腕を失ったジータは言い終えるとその場へと倒れこんだ。

 そのことはすぐにゼファイル村長へと伝えられ、すぐに村人が招集され、伝えられた。

 ある村人が疑問を呈した。

「なぜ今、この村の周辺にグロイエル、グリフスが出没するようになったんじゃろう? 以前はこんなことはなかった。しかも、操られたグロイエル、グリフスとは……奴らの目的はなんじゃろう? それを絶たなければ埒が明かん」

 薄々、その疑問を持っていた者は多かったに違いない。

 しかし、その後、街からの情報では、グロイエルやグリフスが出没しているのはこの村周辺だけではないことがわかった。

 国のいたるところで出没の報告がなされ、しかも凶暴化しているとのこと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ