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春を謳う  作者: 葵
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女神の光を継ぐ祈りと祝福

王宮の神官庁からも、誕生を正式に祝うため、高位神官が使わされた。

その名はセルジュ・フランベルク。

淡紫の法衣を纏う、背の高いしなやかな体つきの男。

微笑は穏やかで、指先の所作に至るまで淀みがない。

祈りの響きは厳かで、誰もが思わず頭を垂れたくなるほどだった。


「この御子が女神の光を継ぎ、スカーレットブロッサムのごとく咲き誇らんことを。

 その花が風に揺れるように、この地に優しき風をもたらさんことを。」


祈りを終えたセルジュは、掌に包んでいた銀の小包をそっと開き、小さな種を取り出し、恭しく差し出した。


「女神を象徴する聖樹の種です。どうか御子の歩みとともに、この地に根ざしますように。」


種を受け取ったクラウスは静かに頷き、厳然とした声音で告げた。

「セレスティア家を預かる者として、女神の御心と、斯くも尊き祈祷に深き感謝を捧げます。」


セルジュは柔らかく首を振り、眠るハルナから視線を外さぬまま、指先で前髪をそっと払った。穏やかな微笑は揺らがなかった。


すべては穏やかで、祝福に満ちていた。

眠る御子は、セレスティア家に新たな希望を告げる。


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