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キラキラ

作者: 音無悠也

猫たちに叩き起こされて目がさめる。


この子達は本当に容赦がない…。


若干、寝ぼけてフラつく体を無理やり動かして、ご飯を用意していく。


ついでに、自分のもレンチンしとく。


朝の支度を進めながら、SNSを開くと推しが珍しく朝に投稿している。


と、思ったら予約で投稿してただけだ…。


「これ寝てんだろ…ふっ」


思わず笑ってしまう。


いつも通りの日常を過ごしていく、親との会話も大学に行く途中の景色もなんら変わりない。


けれど、今日から推しがイベントを始める日!!!!


どうでもいい景色すら、なんだか輝きを放っているようで気分が上がる。


まるで、綺麗な絵の具で思うがままに描いたかのように鮮やかだ。


もちろんそう言う風に見えているだけで実際は曇り空なんだけどね。


つまらない、授業の話を聞きつつテストに出るところだけメモっておいてあとは聞き流し。


なんなら、隣の子は録音しといてなんかゲームしてる。


ちょっと今度やってみよ。


私も推しのために内職しながら授業聞いてたりゲームしてたりするけど、一応単位は落としたくないからね。


そこは、真面目に大学生させてもらってるからね。


授業が終わればバイトに直行。


道中は推しの配信のアーカイブとかをみてやる気を出す。


いつものルーティーン。


バイト終わりには、配信が始まっているので夜食を買って帰りつつ、ルンルンで帰っていく。


企画をやっているようなので少し投げ銭をできる準備をしておく。


電車に揺られながら電波が少し良くないのか、途切れ途切れになってしまうが、仕方ない。


お家に帰って猫の世話や夜食を食べながら、のんびり過ごしていく。


その間も、もちろん配信を垂れ流して聞きながら過ごす。


多分、配信で投げ銭をすると言う行為はあまり、共感は得られないかもしれないが演出が豪華で楽しくて投げてしまう。


これも一種の推し活といえば推し活なのかもしれない。


というか立派な推し活だよな!


諸々の家事やお風呂等を終わらせるといよいよ、真面目に配信を聞く。


少し企画にも参加して気付けば寝落ち。


毎回思うんだが、この配信者はいつ寝ているんだろうか?


この人、朝は配信してないけど仕事してるし、なんなら他の活動も同時並行で行っているし…。


二人いる説?


そうして、いつもと変わらない日々を過ごしていく。


そんなある日、少しばかり問題が起きた。


そんな大した問題ではないんだけど、配信を楽しむという点で難しくなってしまった。


今まで綺麗に塗られてきた私の推し活ライフの彩りが墨汁で少しずつ、くすんだ色になってしまう。


徐々に侵食してくるその黒は私を配信から離れさせるには十分なくすみで。


別の配信者のところへ避難し始めた。


そうこうしていると、気付けば落ち着いて。


黒いくすみも消えていき、元の綺麗な推し活ライフに。


バイトで散々な目に遭った時も、ちょっと家族とすれ違いを起こした時も。


話を聞いてくれたりしたのは、友達や配信の人たちで。


きっと、昔なら考えられないような関係だけど。


私にとってこの関係はどんな絵画よりも価値ある大きな絵となってくれた。


額縁は人それぞれ。


その中に描く絵も人ぞれぞれ。


ただ、どんな色を使いどんな世界を描き上げるかはその人次第。


私は推しの色や友達との色を、他の人はもしかしたらお仕事の色や恋人の色で一色にするかもしれない。


きっとこれからも、私の中の絵画は沢山、描かれていくけど、このことは忘れないだろうな。


そして今日も、猫と戯れながら推しの配信をつける。


キラキラした色を使って、私なりの世界を描いていく。


と、このままハッピーエンドで終われたらいいのに、神様は私に意地悪をするみたい。


急にキャンバスが真っ黒に塗りつぶsれたかのような、問題が降りかかってきた。


我が家の猫たちの最年長が虹の橋を渡ってしまった…。


元々、結構長生きしてくれていたから、そろそろかなと心の準備をしていたつもりだけど…。


ご飯も食べずにあんまり元気ないなと思っていたら一晩のうちに静かに息を引き取っていた。


私の布団にいつも潜り込んでくる子が、その日だけは家族が集まるリビングのソファで丸くなって、冷たくなっていた。


他の猫たちも、なんとなく察しているのか周りにくっついて離れずにいた。


飼い始めた時に覚悟はしていたつもり…だけど、いざ、目の前にすると景色から色が無くなったような感覚。


いつもなら、キラキラと眩しいくらいの色が全て灰色のよう。


それでも、時間は経っていく。


推しの配信を見ていると少しずつ、元気になっていけて。


まだまだ、完全に昔のような鮮やかさではないけど。


これはこれで、私の人生の立派な絵の一部。


いつか振り返るときに、きっとこの事も綺麗な絵の一部となって輝かせてくれる要素になってくれるだろう。


そして、今日も今日とてバイトに勉強に追われながらも推しの配信を見てにやける、そんな普通でキラキラした1日を過ごしていく…。

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