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バドミントン ~2人の神童~  作者: ルーファス
第1章:幼年期編
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第6話:私の家族は彩花だけよ

 くんかくんかくんか。

 隼人たちを理不尽にスイスから日本へと追い出した国際テロ組織だったのだが、その翌日に玲也が勤務していたスイス支社の廃業と、所持していたレアメタルなどがスイス政府に託された事を知らされ激怒。

 その報復として、


 「唯一絶対神アッラーの名の下に、スイスにて無差別の大量虐殺行為を行う。」

 「これは唯一絶対神アッラーから、貴様たち下賤な者たちに下される天罰だと心得よ。」


 などと、動画サイトで大々的に発表した。

 だがその際に海外のサーバーを何重にも経由して、動画の発信元の特定を困難にしたのはいいのだが、動画に映っていた風景から撮影場所を特定されてしまうという、まさかのバカッター顔負けの初歩中の初歩のミスをやらかしてしまう。

 そしてドイツに潜伏していた組織の上層部たちが、その自分たちのアホみたいなミスに気付いた時には、もう何もかも手遅れだった。

 動画を観た一般市民からの情報提供を受けた、ドイツ軍による迅速な制圧行動によって、激しい銃撃戦の末に上層部全員が一斉にマシンガンで蜂の巣にされて射殺されるという、実に大間抜けかつ拍子抜けな呆気無い結末を迎えてしまったのである。


 かくして国際テロ組織は壊滅しスイスに平和が戻ったのだが、それでも玲也たちがスイスに戻ってくる事は無かった。

 こんな事があったのでは従業員の海外派遣はしばらく控えるべきだ、危険だという判断を名古屋の本社が下したのもあるが、何よりも日本での玲也の働きぶりが高く評価され、どうか日本に永住して欲しいと本社が玲也に要請したのが大きかったのだ。

 もう玲也は、家族を連れてスイスに戻る訳にはいかなくなってしまったのである。


 そんな中でも六花はプロの世界で必死に孤独に戦い続けて多額の給料を稼ぎ、彩花の事を大事に育て続けた。

 そして彩花も六花からの愛を存分に注がれ、すくすくと大きく成長していった。

 いつか約束した、隼人との再会の日が訪れるのを夢見て。

 だが美奈子たちがいなくなってしまった事で、本当の意味で天涯孤独になってしまった六花は…隼人たちがいなくなってから既に兆候が表れ始めていた、彩花への依存心が…日に日に大きくなってしまっていたのだった…。


 そしてあれから3年の時が過ぎた、2022年6月。隼人と彩花が14歳になった頃。

 昨年のスイスのプロリーグにおいて、記録に並ぶ9年連続優勝を果たした六花は、今年もまた凄まじいまでの大活躍を見せつけていた。

 プロリーグ創設史上未だ誰も成し得た事の無い、10年連続優勝。その偉業達成もまず間違い無いだろうと、周囲から大絶賛を浴びせられているのである。

 六花が勝率9割とかいうアホみたいな成績を残しているのに対し、2位以下の選手たちが悲惨な星の潰し合いをしでかしてくれたせいで、今季は完全に六花の独走状態になってしまったのだから。

 その母親の大活躍ぶりを、毎日のようにテレビ中継で観戦していた彩花だったのだが。


 「彩花、ただいま~。」

 「お帰りなさい、お仕事お疲れ様。お母さ…っ!?」


 ある日の夕方6時。遠征先のローゼンヌから帰宅した、首元にネクタイを結んでリクルートスーツを身に纏った六花が、まるで倒れ込むように彩花をぎゅっと抱き締めたのだった。

 いきなりの出来事に、戸惑いを隠せない彩花。


 「ちょ、お母さん!?」

 「聞いてよ彩花~。私、昨日の試合の後、また監督に怒られたの。」

 「怒られたって、何で!?お母さん、昨日の試合なら私もテレビで観てたよ!?お母さんの圧勝だったじゃん!!」


 そう、21-4、21-3の圧勝だった。

 誰がどう見ても六花の圧勝で、対戦相手の高卒の新人選手が可哀想になってしまう程の、六花の凄まじい活躍ぶりを見せつけた試合だったというのに。

 それなのに六花は、試合後に監督に物凄い剣幕で怒鳴られたというのだ。

 一体全体何がどうしてそうなったのか。六花の身体をぎゅっと抱き締めながら、怪訝な表情を浮かべる彩花だったのだが。


 「あんな新人選手に何を手こずってるんだって…そんな事で優勝出来ると本気で思ってるのかって…もうパワハラよパワハラ。嫌になっちゃうわ。」

 「手こずったって、お母さん、あの試合で7点しか取られてなかったじゃん!!」

 「そうなのよ。だけどお前なら完封出来ただろって理不尽に怒鳴られたのよ。」

 「ねえ、お母さん、最近のシュバルツハーケンの皆、なんか変だよ!?監督が新しい人に変わってから、なんか凄い雰囲気が悪いって言うか…!!」


 自分を抱き締める六花の身体が震えているのを、彩花は敏感に感じ取っていたのだった。

 試合の時の六花は、あんなにも強くて格好良くて…学校の皆にも自慢出来る優しいお母さんだというのに。

 それなのにバドミントンから離れた、彩花と2人きりの時の六花は…こんなにも弱くて脆い存在だというのか。


 いや、去年のシーズンオフに監督が周囲から惜しまれつつも勇退するまでは、六花はまだ彩花に対して気丈な振る舞いを見せていた。

 そう…問題なのは彩花が言うように、今年から新しい監督が就任してからの事だ。

 その新しい監督は前監督と違い、選手やコーチはおろか裏方のスタッフに至るまで、とにかく毎日のように横暴な態度を取りまくり、チームの雰囲気を悪くしてしまっているのだ。

 それはエースナンバーの背番号1を背負い、チームを引っ張る六花とて例外ではない。

 

 「もっと上手くやれただろ!?」

 「今日の試合は完封出来たはずだろ!?」

 「あそこの失点は防げたはずだ!!」

 「何で俺の指示に従わなかったんだ!?」

 「お前、やる気あるのか!?やる気が無いなら、もう引退して辞めちまえ!!」


 などと、毎日のように理不尽に、それこそ怒鳴る理由を必死に探してでも、と言うか怒鳴る必要性すら無くても、六花を激しく怒鳴り続ける。

 どれだけ試合に勝っても。勝っても勝っても勝っても勝っても勝ち続けても。

 これでは幾ら六花と言えども、精神的に疲弊してしまうのは仕方が無い事だろう。

 スイスでバドミントンをやる者なら誰もが憧れる、名門シュバルツハーケンのエースナンバーである背番号1を背負い、チームを引っ張り大活躍を見せている六花ではあるが…それでも所詮は生身の人間でしか無いのだから。


 そしてこういう時こそ、かつては美奈子が六花の事を支えてくれていたのだが、美奈子はもう引退して日本に移住してしまっているのだ。

 そう…今の六花が頼れるのは、もう彩花しかいないのである。

 それが六花の彩花への依存を、さらに加速させる事になってしまっていたのだった。


 「はぁ~~~~~~彩花成分を補充させて~~~~~~。くんかくんかくんか。」


 膝を付いて彩花の胸に顔を埋め、優しく抱き締めながら盛大に匂いを嗅ぐ六花。

 ここまで来ると、最早変態にしか見えないが…逆に言うと無能な監督によるパワハラのせいで疲弊した六花の心は、そこまで追い詰められてしまっているという事でもあるのだ。

 それこそ冗談抜きで、彩花に依存しないと生きていけない程までに。

 彩花もそれを理解しているからこそ、自分に対して変態行為を行っている六花の事を、責める事など出来はしなかった。

 何故なら六花は、他でもない自分なんかの為に、弱肉強食の過酷なプロの世界で、こんなになるまで頑張ってくれているのだから。


 「はぁ~~~~~~~癒される~~~~~~~~。」

 「もう、お母さんったら…私成分って一体何なのよ~。」

 「彩花成分と言えば彩花成分よ。それ以上でもそれ以下でも無いわ。」


 思わず苦笑いしながら、自分の胸に顔を埋める六花の髪を優しく撫でる彩花。

 その彩花の手の感覚が、何だか六花にはとてもくすぐったくて安心出来る。


 「ほら、お風呂沸かしてあるから、さっさと済ませちゃって。その間に晩御飯も作っておくからね。」

 「うん…いつも有難うね、彩花。」


 彩花から離れて立ち上がり、穏やかな笑顔を見せる六花。

 彩花成分を補充した事で、六花も幾分か元気が出たようにも見える。

 こんな事でお母さんが元気になってくれるのなら、幾らでもしてあげようと…彩花はそんな事を考えていたのだった。


 「お母さんみたいに、まだ全然上手に作れなくて、本当に申し訳ないけどさ。」

 「何事も経験よ。料理なんて毎日やってれば誰でも自然と上手になるわ。私だって学生時代にダークマターを作った経験があるんだからね?それに比べたら彩花はまだマシよ。」

 「ダークマターって…一体何をやらかしたのよ、お母さん(汗)。」

 「彩花の手料理、楽しみにしてるからね。それじゃあ、お風呂入ってくるわね。」


 本当なら逆に六花が、自慢の手料理を彩花に振舞ってあげたいのに。

 それなのに最近では六花の方が、本当に彩花に世話になりっぱなしだ。

 料理だけではない。洗濯も掃除も裁縫も、今ではシーズン中の期間に限っては全て彩花がやってくれているのだ。

 元はと言えば六花が彩花に対して、


 「彩花の将来の為にも、家事全般は人並みには出来るようになっておいた方がいいよ。」


 とか何とか言いながら、彩花が中学校に進学した辺りからマンツーマンで指導していたのがきっかけだったのだが。

 六花の教え方が良かったのか、今では彩花は簡単なメニューなら、何とか自分の力だけで人並みには作れるようになっていた。

 流石に六花のように料理にアレンジを加えて、店に出して金を取れるレベルの代物では無いのだが。

 

 「お風呂上がったわよ~。」

 「こっちも今出来た所だよ。冷めない内に一緒に食べよっか。」

 「あら、今日はパンプキンシチューなのね。」

 「かぼちゃ、特売だったから。牛乳とバターの期限も迫ってたし、折角だから今日はシチューにしちゃおうかなって。」


 風呂から上がってパジャマに着替えた後、彩花の手料理を堪能する六花。

 至って普通の出来で決して褒められた代物ではないのだが、それでも彩花が自分の為に愛情を込めて作ってくれたという事実が、六花にとっては何物にも代えられない最強の調味料となるのだ。

 とはいえ彩花の将来の為にも、言わなければならない事は、しっかりと言ってあげなければならない。


 「うん、美味しい。だけど、ちょ~~~~~っと煮込み時間が足りないかな。」

 「うええ、やっぱりそうなのかなあ。」

 「うふふ、そうねえ。だけどちゃんと普通に食べられる出来にはなってるよ。」


 そう、料理の出来については、しっかりと問題点と改善点を分かりやすく指摘してあげないと、彩花の為にならないからだ。

 よくラブコメの漫画やアニメとかで恋人が作った不味い料理を、主人公が無理をして食べて褒めるシーンを六花は度々見かけるが、そんな物は六花に言わせれば余計なお世話以外の何物でも無い。

 美味しければ美味しいと褒めてあげればいいが、不味かったら不味いと正直に話した上で問題点をちゃんと指摘してあげないと、その恋人はいつまで経っても成長しないのだから。


 そして食後にデザートとアップルティーを堪能しながら、


 「学校どうだった?楽しかった?」

 「バドミントンの大会、近いんでしょ?試合に出して貰えそう?」


 などといった、彩花との他愛の無い世間話をする六花。

 彩花とのかけがえの無い、六花にとっての幸せの時間。

 普段から弱肉強食の過酷なプロの世界で戦っている六花にとって、それこそが何よりも心の支えになっているのだが。

 そこへ六花のスマホから突然鳴り響いた着信音が、その六花の幸せの時間をぶち壊す結果となってしまうのである…。


 「…国際電話?しかも知らない番号…一体誰からなのかしら?」

 「お母さん、誰から電話?」

 「分からないわ。もしかして日本からの取材の依頼かしら?」


 彩花に対して首を傾げながら、六花は画面の緑色のボタンをタップして、スマホを耳に当てたのだが。


 「はい、藤崎です。」

 『あああ…!!やっと…!!やっと繋がった…!!本当に六花なのね…!?本当に…本当に良かった…!!』

 「…あの…一体どちら様で?」


 何だろう、全く聞き覚えの無い年配の女性の声なのだが、何だか自分の声を電話越しに聞いてから、凄く安心しているような感じだ。

 一体全体誰からの電話なのか。ますます意味が分からなくなってしまった六花だったのだが。

 次の瞬間、電話主は六花に対して、とんでもない事を口走ってしまうのである。


 『六花…!!私、藤崎桜花ふじさきおうかよ!!貴女のお母さんなの!!』

 「なっ…!?」


 藤崎桜花。貴女のお母さん。

 それらの単語を耳にした六花の表情が、みるみる強張こわばっていく。

 何故なら桜花は六花にとって、産まれたばかりの自分を赤ちゃんポストに入れて失踪した、忌まわしい女だからだ。

 それが今になって突然国際電話を掛けてくるなど、一体どういうつもりなのか。


 『御免なさいね、突然こんな事を言われて六花も戸惑ってるわよね!?六花の事を今まで34年間もほったらかしにしてしまって、本当に御免なさいね!!』

 「……。」

 『だけど六花を施設に預けてからという物、私は今まで1日たりとも六花の事を忘れた日は無かったわ!!』

 「……。」

 

 桜花は取り乱しながらも六花に対して、六花を赤ちゃんポストに入れた経緯や、これまでの事を簡潔に説明したのだった。

 桜花には高校時代から交際していた恋人がいたのだが、高校卒業後に2人で同棲していた時に桜花の妊娠が発覚した際に、


 「中絶しろ!!」

 「俺の子じゃねえ!!」


 などと桜花に対して逆ギレし、遂には桜花を見捨てて逃げ出してしまったとの事らしい。

 それでも何とか六花を出産したものの、桜花は両親が既に他界し施設育ちであり、しかも生活費を稼いでくれていた恋人が失踪した事で金銭的に困窮してしまっており、出産した六花を育てるだけの余裕が全く無かった事から、ひとまずは赤ちゃんポストに六花を入れて保護して貰おうと考えたのだそうだ。


 そして桜花は毎日必死になって、生活費を稼ぐためにアルバイトとして雇って貰ったホテルで、働いて働いて必死に働き続けた。

 いつか六花を施設から引き取り、六花と共に暮らす為に。

 やがてその働きぶりが認められて社長からそのホテルの支配人を任されるようになり、何とか六花を養えるだけの金銭的な余裕と収入を得る事が出来た。

 だがその頃には肝心の六花がスイスに旅立ってしまった上に、自身も支配人として多忙を極めた事で、六花をスイスまで追いかける事も出来なくなってしまったとの事らしい。

 それでもようやく六花のスマホの番号を調べ上げて、こうして国際電話を掛ける事が出来たとの事らしいのだが。


 『ねえ六花!!バドミントンを引退したら私のホテルで働かない!?私たち3人で東京で暮らしましょう!?今の私には六花と彩花ちゃんを養えるだけの余裕が…!!』

 「貴女なんか、お母さんじゃない!!」

 『なっ…!?』


 突然六花に怒鳴り散らされて、桜花は思わず言葉を失ってしまったのだった。

 彩花もまた、突然の六花の怒鳴り声に思わずビクッとなってしまう。

 思わず感情的になって怒鳴り声を出してしまい、彩花を怖がらせてしまった…後悔してしまった六花だったが、それでも溢れる感情と衝動を止める事が出来ず、もう歯止めが利かなくなってしまっていた。

 無理も無いだろう。自分を捨てた母親から突然電話が掛かって来たと思ったら、東京で一緒に暮らそうだなんて言い出してきたのだから。

 それで落ち着けなどと言われた所で、そんなの無理ゲーに決まっている。


 「私の家族は彩花だけよ!!私に母親なんか必要無いわ!!」

 『六花、ちょっと待って、りっ…!?』

 「もう二度と私と彩花に関わるなぁっ!!このクソBBAがぁっ!!」


 怒りに身を任せて通話を切った六花はスマホを操作して、先程掛かって来た番号を着信拒否に設定したのだった。

 

 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…!!」

 「お…お母さん…!?」


 そして目から大粒の涙を浮かべ、戸惑う彩花に対してすがるような悲しい瞳をしながら。


 「彩花ぁ~~~~~~!!もう一度、彩花成分を補充させてぇ~~~~~~~!!」

 「うえええええええええええええええええええええええええ!?」


 椅子に座っている彩花の太ももの上に、六花は頭から突然ダイブしてきたのだった。

 彩花の太ももの上に顔を埋めて、またしても彩花成分を補充する六花。

 いきなりの出来事に、彩花は戸惑いを隠せない。


 「はぁ~~~~~~~~、すーはーすーはー。くんかくんかくんか。」

 「お、お母さん、一体どうしたの!?さっきの電話、誰からだったの!?」

 「私の母からの電話だったわ。」

 「それって…お母さんを赤ちゃんポストに入れたっていう、あの!?」

 「ええ、そうよ。それが今になって東京で一緒に暮らそうとか、ふざけた電話を掛けてきやがったのよ。」


 彩花の太ももの上に顔を埋めながら、身体を震わせながら泣きじゃくる六花。

 そんな六花の髪を優しく撫でてあげながら、彩花は悲しみの表情で六花を見つめていたのだった。

 どうして六花が。自分の事を女手1つで愛情を込めて、大切に育ててくれている六花が。

 どうしてこんなにも苦しめられ、こんなにも悲しまなければならないというのか。

 神様は六花に対して、一体どこまで残酷な試練を与えれば気が済むというのか。

 

 「御免ね彩花…突然怒鳴り散らしちゃって…彩花の事、怖がらせちゃったよね…。」

 「私なら大丈夫だから心配しないで。そんな事よりお母さんの方が心配だよ。」

 「私も大丈夫よ…彩花さえ傍にいてくれれば、大丈夫だから。」


 美奈子たちが日本に旅立ってしまい、本当の意味で天涯孤独になってしまった六花だったが、それでも今の六花には彩花がいる。

 そう…彩花さえ傍にいてくれれば、六花は…。


 「そうよ…私は…彩花さえ傍にいてくれれば、もうそれだけでいい…。」

 「お母さん…。」

 「私は彩花の事を愛しているから…彩花の事を絶対に見捨てないから…だからずっと私の傍にいてね?彩花…。」


 彩花の太ももの上に顔を埋めながら、六花は彩花の温もりを、まるですがるように全身に刻み込んでいたのだった。

 「はねバド!」の有千夏さんをモチーフにして作ったキャラである六花ですが、今回のお話は


 「六花が有千夏さんとは真逆のキャラである。」

 「有千夏さんと同じ最強のバドミントンプレイヤーだけど、決して完璧超人などではない。」


 という事を明確に示したお話となります。

 有千夏さんが綾乃ちゃんを鍛える為に敢えて突き放して失踪したのに対し、六花は逆に彩花に対して完全に依存してしまっているという。

 ん?依存というより変態だって?知らんwwww


 ちょっと仕事とタイミーが忙しくなってきたので、次回から更新ペースが遅くなるかもしれませんが、ご了承下さいませ。

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