可憐な
あいうえお、かきくけこ。さしすせそ、たちつてと。
今日も話せる。言葉。偉い私。
寝たい、眠い。
今日もふわふわ、きれいな景色。
もうすぐ勉強。強制、いや、イヤ、嫌嫌嫌嫌嫌嫌。嫌い、もう。
夢の中。生きてる。楽しいな、おっとり。疎外感のない、ステキね。
あ、チョコ。食べる、食べたいの。
我儘じゃないの、かわいいでしょ?
外は牢獄。家は天使。ずっとこのまま、いい生活。送りたいなぁ。
今日もかわいい私。平和な未来。あ、課題が。
「」
痛。急に、バチン。
どうして?
何かしたの、私。騒がしい。
どうして、そんなに?叩くの?
「あんたなんか!!」
そうよね。やっぱり、だめなんだ私。
辛い。
これが夢なら、いいのに。悲しいの?
感情、わかんない。
もう寝る。
起きる。
あれ?おかしい。
なにか違う。気がする。
わかんない、だめだ。つまんない。
家族、話してる。楽しそう。
私は話せない。苦しそう。
すごいな。
久しぶり、外。
悴む手。あ、冬だ。
寒いんだね、いいね。
街。売ってる、沢山だね。
面白そう。何にもわかんないけど。
「あ、そこのお姉さんちょっといいかな?かわいいね」
何。急に嬉しい、見る目ある。
あれ、みんな私を見てる。怖い。
嫉妬?吊り上がってる、みんなの目が。
逃げなきゃ。駆け出す私。
一人じゃ出れないよ、外。怖いよ。
学校、久しぶり。今日は登校できた。
勉強わかんない。早く終わって。
ずっと一人だよ、結局。悲しいよ。
あ、5時間目。入ってきた、先生が。
「こんにちはー!今日は将来の夢を発表する時間です!名簿番号順で行きましょう!」
「えー?」 「よっしゃこの日をどれだけ待ちわびていたことか!!」
「みんなの夢知れるとか気持ちよすぎだっろ!!」 「面目ない」
「やっべプリント忘れちゃったわww」 「これやる意味あるのかなー?」
いろんな声。響いてる。どれも煩わしい。
無理だよ。夢なんて、話せない。
どうしてみんな、こんなに笑顔なの?
「じゃあ一番の葵くんから順番に行っていこーね!」
「わかりました」
「じゃあスタート!!」
始まる。これを皮切りに。
「僕の将来の夢は、医者になることです。理由は、医者になったら困っている人や、
助けを求めている人々を助けられるかもしれないからです。」
こう続けてた。
「今の医療技術はあんまり発達してなくて、このままいくとどうしても人手不足になってしまいます。だからこそ、勉強を頑張って、医者を目指したいと思います。みんなぜひ応援してください。」
で、こう締めてた。
歓声が、聞こえる。ボワっと。
「おー--さすが!!」 「大人すぎるよ葵くん」 「かっこいいなあ」
「さすがね葵くん、素晴らしいわ!お医者さんになれるように頑張ってね!」
先生も、生徒も。盛り上がってる。
すごい。引き込まれそうだった。かっこいい。
こんな才能、私にはない。
そして、発表は次の人へと続いていき、、
私だ。ついに。
「次は、、あやさん!」
呼ばれちゃった。無理。無理だ。
私、どうしよう。
どうしよう?私、かわいいのに。
「えっと、えっと、私の、夢は、」
ねえ、何もないよ。どうしよう。
なんで、なんでなんでなんで、なんで。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんで。
もう、嘘つくしか。虚言でごまかs...
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「ねえ、なんでこの問題解けないの?」
「ごめん、なさい。」
「前はできるって言ってたよね?」
「はい。」
「へえ、嘘ついてたのね?この虚言壁が」
「」
バチン
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思い出した、ひどい記憶。怖いよ。ママが。どうして今なの?今思い出しちゃうの?
無理だよ、もう。ほんと滑稽だ、私。
「あやさん?大丈夫!?」
「すごく辛そうな表情してるよ、保健室行く?」
先生だ。先生が、私は大丈夫、って言おうとした。
言葉、出ない。詰まってる。
身を委ねる、先生の言葉に。
行きたくないよ、もういやだ。
他の生徒、おどおどしてる。心配してくれてるの?
もう、いいや。
向かう。保健室に?違う、屋上。
早く行きたいの。
階段を上る。屋上へ、早く。
早く行きたい、行きたい、逝きたい。
着いた、屋上。
もういいよ、励ます。自分を。
今まで、ありがとう。
確かに、家は天使。
住める、寝れる。チョコも食べれる。
でも、
「もう、疲れたよ。」
精一杯やった。悔いはない。もう。
こらえる、涙を。もう見ることのない空を見上げて。
私は、あやさんが気がかりだった。どこか悲しげな表情をしてたから。
私はもちろん表面上は笑顔で取り繕っているけど、内心では生徒を気遣っているつもり。
あんな表情をみせられたら、心配になっちゃうな。
というかあやさんって、不登校だったのよね?
もっと来てくれたことをほめてあげた方がよかったのかも、とか考えちゃったり。
「じゃあ最後は、山田くん!どうぞ」
この山田くんの夢を聞き終わったら保健室に様子を見に行こう。元気だったら
いいんだけどな。
「ありがとうね!!みんな素晴らしかったわ!じゃあ私はちょっとあやさんを見てくるわね!」
そう言って、私は教室を出た。廊下からでもひそひそと聞こえてくる生徒の笑い声、
もしかして虐められてたりしたのかしら。だとしたらいけないわ、助けてあげないと。
そう思って保健室に行ってみた。
いない、?
そこにあやさんの姿はなかった。もしかして何かあったんじゃ。
冷や汗をかく。まさか、そんなことないわよね、?
ほんの少しの不安が拭えない。そんなたらればの話、ないって信じたいけど、。
あの子の教室を出た時の表情が、すごく辛そうに見えた。
「行かなきゃ」
そう決心して、私は屋上へと向かった。
屋上に着いた。そしたら案の定あやさんが屋上のフェンスに上りかかってた。
どうしよう、先生の立場でどうしてあげられるのかな、。
「あやさん!!!!」
「先生、?」
あやさんが私の方に振り向くと、そこにはさっきまでの暗い表情はもうなく、
明るく、可憐な表情に変わっていた。
それに心なしか声も落ち着いていて、まるで大人びているような印象を受けた。
その表情を見て、私はすべてを悟った。そっか、そうだよね。
この子は新しい道を行こうとしてるんだ。決心したんだ。だったら私に止める権利はないな。
「新しい場所でも大変なことが色々あると思うわ、けど頑張って、私はどこまでも応援してる」
「先生」
「どうしたのよ、」
「先生が嫌い。私。」
「え、?どうして、、。」
「だって先生、優しい。一度決心したのに、
そんなこと言われたら
未練、できちゃいそう」
「...」
あやさんを見ると、目から水が流れてきていた。それが冬の冷たい風で飛んで四散する。
だめだよ、私まで、、。
私は、無言であやさんを抱きしめる。
「うれしかった、わからないけど。先生の優しさが、肌に。
ありがとう、ありがとう」
それだけ言い残して、彼女は鳥になった。今日は雲一つない晴天だった。
こんにちは、ぺいくんと申します。
この小説(と言っていいのかわからないもの)は、前回より時間を使って、2時間程度で作られました。
この小説(と言っていいのk...以下略)を作るにあたって、「ケーキの切れない非行少年たち」という本を思い出しました。それは、少年院に入ってしまう青少年(男女関係なくそう呼ばれている)たちにケーキを3等分できない人がいる、というところから始まるものでした。
この本を見たら、自分からしたら当たり前のことが当たり前にできない人もいるんだな、と深く感じました。
自分が書いたこの小説(..略)も、最初の文には違和感があったと思います。けど、実際にこういう苦しみを抱えている人だっているかもしれない。
皆さんには、人と関わっていくにあたって、色々な考え方を持ってほしいなと思います。
文章力がないため、どんな評価もウェルカムです。頂いた評価やコメントは、次回作からの糧にしていきたいと思います。
拙い文章ですが、最後まで読んでくださりありがとうございます!