紛れ秘話幻想譚
溜息をついた後、僕を見つめて先輩は微笑んだ
出来の悪い弟を諭す兄のような口ぶりで、ポツポツと語りはじめる。
僕はその後すぐに、余計ことを言い放ってしまたと、己を後悔する事になる
「そもそもだな、旧約聖書の記述によると、
今から三千七百数十年位前の聖書時代、紀元前17から6世紀において
地中海とヨルダン川・死海に挟まれた土地一帯はカナンと呼ばれていた
聖書では【乳と蜜の流れる場所】と描写され、神様がアブラハムの子孫に与えると約束した土地として、【約束の地】とも呼ばれていたんだ
アブラハムは、ノアの洪水後、神に人類救済の出発点として選ばれた最初の預言者で、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教【啓典の民】の始祖であり【信仰の父】と呼ばれ、
イスラム教においては、ノア、モーセ、イエス、ムハンマドと共に五大預言者とされている
アブラハムの息子はイサクといった
そのイサクの息子ヤコブはなんと天使との相撲に勝って
神からイスラエル【天使に勝つ者】という名を与えられ改名した
彼には妻が4人と数人の娘に12人の息子がいた
息子たちの名前は、ルペン、シメオン、レビ、ユダ、ゼブルン、イサッカル、
ダン、ガド、アシェル、ナフタリ、ヨセフ、ベニヤミンといい、
その息子たちが12部族の祖になったと言われているが、
話は若干複雑で、まず、レビ、彼は司祭の家系で承継する土地を持たなかったので
12部族には入らない、また、ヨセフ族はいない。
ヨセフの息子のエフライムとマナセを祖とするエフライム族とマナセ族を加えることで
イスラエルの12部族を形成した 正確には、息子10人と孫2人ということだ
ヤコブは特にヨセフを溺愛していた
ヨセフは存命の頃は、エジプト王朝で奴隷の身からファラオに次ぐ第二位の権力者へ上りつめた男だった
後にカナンに住むイスラエル人は、飢餓に苦しむことになるが、ヤコブの息子ヨゼフの計らいでエジプトへ移住をはたす
ヨセフの死後、次期のファラオより虐げられたイスラエル人を、
モーセがエジプトから救うため、民たちを率いて脱出したのが13世紀頃、
彼らはなんと40年間放浪し、
その間シナイ山で十戒などのトーラを授かりながらも、
エジプトを出てからカナンの地を再び定住の地とできるまで
気の遠くなるような歳月をようしたんだよ」
「 …うん、すごいね、」( 長かった やっと終わったよ、キョーミネ~ )
僕はそっと息を吐く
「 彼らの子孫たちは、紀元前十世紀当時、ソロモン王のもとで繁栄の絶頂を迎え、イスラエル人の12部族で、統一王国イスラエルを形成していたんだ、この頃はすでに海洋貿易が盛んで遠くインドあたりまでいっていたらしいよ凄いな 」
「 うん、すごいね、 」( !? 、まだですか~ )
この時点で後悔の念がじんわりと溢れ出していた
「ソロモン王が没したのち、イスラエルは内部の不満を抑えきれず二つの国へ分断してしまたか1?」
先輩はPCノートを検索し、ヒットした情報をかいつまんで話し始めた。
「北王国イスラエルのサマリヤと南王国ユダのユダヤに分裂、北王国イスラエルには、ルペン、ガド、エフラム、イッサカル、セブルン、ナフタリ、ダンと、アシェル、マナセ、ベニヤミンの一部の十部族が属した。そして、南のユダには司祭のレビ族とベニヤミン族が属し、南の民をユダヤ人と呼ぶ…分裂か~?
北王国は内政が安定せず王が頻繁に暗殺されているな!!
その後、紀元前8世紀に北王国は東の強国アッシリア帝国の王サルゴン2世に征服された。
民たちはアッシリアの捕囚となりゴザン川のほとりメディヤの町々へ強制移住させられた
現在のイラクの北部あたりだそうだ、十部族の長い放浪の歴史の始まりだ」
「 サルゴン2世? サルゴン!?」(思わず吹き出しそうになった)
「 おい、ジュン、食いつくのそこじゃね~し‼ 」
「でも、それがどうして?四国の剣山に繋がるのさ?」
「おうよ、語り聞かせよう物語は長いぞ、敬え、そして崇め奉れ、少しはおれを尊敬しろ 」
「うん、愛してるよ 先輩 」
「 なかす❤ 服脱げ❤ 」
「 あ~れ~❤ 」
(だから、ユキ先輩にバカップルって言われるんだ)
お話途中で、チョメチョメが( ^ω^)・・・始まってしまいました
次回のお話は朝食時の会話から始まりまります