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15. セクハラおばさん

 いかつい顔をした中年の女性が、私の上で腰を振っている。

 それは授業の一環なので、お互いスーツを着ており、接触もない、擬似的な行為である。


 女性の指示で今度は私が上になり、同じようにする。

 私はとにかく心を無にして、その苦行に耐えた。

 その行為について深く考えないように勤めなければ、私は嫌悪感のあまり逃げ出してしまうと思った。

 しかし、逃げるのは自分勝手である。


 ◇


 ようやく授業がおわった時、中年の女性は私をほめた。

「いやなことから逃げないあなたは、最近の若者にしては珍しい」

 私はセクハラを受けたOLのような気持ちであったが、褒められたことは少しうれしかった。


 そこで、目が覚めた。

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