11/20
11. 明晰夢実験 つまりこれは(古い資料より)
ミニバンを運転していた。
しかし自分の座席が助手席であることに気づき、同時に持っていたはずのハンドルは消えていた。
焦って運転席を見る。
誰もいない。
しかし気づくと、私が運転席に座っていた。
後ろを見ると、祖父母まで含めた家族が後ろに乗っていた。
私がもう一度前に向き直ると、私はいつの間にか後列に座っていた。
私は辟易した。
運転席には戻れると思ったが、それすら面倒に思った。
そこで、はっと気づいた。
しかし、何に気づいたのかわからない。
私は家族を見渡して
「つまりこれは……」
とはったりをかました。
まだ自分が何に気づいたのか分からない。
しかし言葉は出た。
「夢だな」
家族も、私自身も、私の言葉に驚き、全員が沈黙した。
◇
以下、当時の記録をそのまま記載する。
すぐにおれはエロいことを考えようとし、それは成功した。しかし、相手の姿が思いつかなかった。結果、気持ちよかったが、幸せではなかった。