喧嘩が始まりましたがなにか?
あれからおよそ30分が経ちました。
綺麗なお顔のエルフさんは未だにネチネ…グチg…ブツブツとしつこく文句を言っておりますが、同じような事を繰り返されてばかりなのです。最初は悪い事をしてしまったと思ったので素直に謝ろうとしたのですが、頑張って謝罪の言葉を発しようとしてもエルフさんのお口は止まりません。
本当、早く終わって頂けないでしょうか。午後の分の採取が遅くなってしまいそうです。
1人でずっとお話されてる方のお言葉を遮って話しかけるのは緊張しますがこれ以上遅くなっては今日のノルマを達成できそうにないので、これはもう勇気を出して声をかけるしかありませんね。
「あ、あの…まだで、す…か?」
「いやだから、本当にあんな―――ん?やっと謝る気になった訳?」
「あ…え、と、せ、先日はすみましぇ…んでした?」
あぅ…また噛んでます。私は噛まずに喋れる日がくるのでしょうか?エルフさんの横で黒豹獣人さんが笑いを堪えているのが目の端に見えます。
「はぁ~、あのさ、謝罪ってもっと誠心誠意やるものだよね?なんで噛む訳?なんで疑問形な訳?それじゃあ謝罪になってないから。謝罪の意味をちゃんと理解して――「ジョンパニ、そのくらいにしとけよ。彼女涙目だぞ」」
またエルフさんの長いお言葉が始まってしまいました。確かに噛んだけども!!そんな言い方しなくてもいいじゃありませんか。と、直接口には出せませんので心の中で反論していたら黒豹獣人さんが止めて下さいました。どうせならもっと早く止めて欲しかったですが、エルフさんのお言葉が止まったのでよしとします。
「いや、この子ちゃんと謝ってないから、謝罪ってものを教えてあげようって親切心なんだけど?」
「そんな一気に捲し立てるから彼女萎縮してんじゃないの?」
「は?俺が、この俺が丁寧に教えてあげようって思ってるのにそれを理解してないのが悪くない?」
「お前のその傲慢な考えを初対面で理解しろってのが無理あるだろ」
「誰が傲慢だって?」
「お前だよ、お・ま・え。そんな言い方しかできないから友達出来ないんだよ」
「は?何それ?親切心で色々教えてあげてるだけだろ。それに俺の顔見て奇声あげるとかありえないだろ?人を傷つけたらちゃんと謝るのが筋だろ?それに友達はできないんじゃなくて人を選んでるんですけど」
「それにしたって言い方ってもんがあるだろ。お前の顔が綺麗なのは知ってるよ。でもそんな態度ばっかとってるから顔だけ悪魔エルフって言われるんだよ!!だから友達ができないんだ」
「だーかーらー、友達は出来ないんじゃなくて選んでるって言ってるだろ。それに誰が顔だけ悪魔エルフなんて言ってるんだよ」
えぇと、何故かお2人で言い争いを始めてしまいました。
私の存在忘れてますよね?なんだかヒートアップしてきていますし、私もうここにいなくていいですよね。サンドイッチも全部食べれてないので、ひっそりとお片付けして採取に戻らせてもらってもいいですよね。