Dランク冒険者の皆さんですがなにか?
誤字脱字報告ありがとうございます。
【クレナイサンガ】はこのライレンの街をメインに活動している冒険者パーティーです。リーダーのエミリアさんが剣士で双子のリリーシアさんとサルーシアさんが魔導士です。今年で結成10年目になるらしく、ライレンの冒険者ギルドでは古株になりつつあります。彼女達はルビナス共和国の貴族出身らしく常に平民出身の冒険者や受付のお姉さん達を見下した発言をしており、ギルドの中でも浮いている存在です。ですが彼女達のようなDランクの冒険者はこの大陸では数少ない中堅ランカーなので邪険にする事も出来ないのが現状です。(因みにその上のCランクの冒険者は北大陸に8組しかおりません)しかし、この国の貴族の方選民意識がかなり低く、多くの貴族は領民をとても大切にしておりますし、平民でも稼いでいる商人などとは対等に付き合っております。まぁ選民意識を持った貴族も少数はいるそうですが…そういった方々は下位の一部だけと聞きます。おそらく彼女達もそんな貴族なのでしょう。それ以外の下位貴族出身で冒険者になった方などは貴族の教育は?と言いたく成る程気軽な口調ですし、性格もざっくばらんな方がほとんどなのに、彼女達は貴族出身である事に相当のプライドをお持ちなようで、未だに貴族のような言葉遣いです。
「エミリア様、サルーシア、お聞きになりまして?あの方ってば7年かけてやっとEランクですって」
「聞こえましたわよリリーシア。でも、あの方ってお情けで他所からいらしたパーティーに入れて頂いたのでしょう?きっと相当手助けをしていただいたのでしょうね。ご自身のお力だけでないって恥ずかしくないのかしら」
「仕方ありませんわ。彼女平民でしょう?平民の方々は地力が弱い方が多いと聞きますし。私達のように貴族出身で地力がある者と比較しては可哀想ですわ。それに彼女ずっとソロだったではありませんか。地力が弱い平民の方でもお友達やお仲間がいればあんなに長年Fランクになんておりませんでしょう?でも、彼女はお仲間にと、そう思って下さる方もいらっしゃらなかったのですから。今回のようにお情けでもお仲間が出来たお蔭でランクアップ出来てよかったではありませんか」
「まぁ、流石エミリア様。お優しいのですから」
「当然の事言ったまでよ、サルーシアさん。オホホホホ――」
うわぁ…。ツッコミたい。色々ツッコミたいけど…うん、まぁ彼女達は私が平民と信じ切っているのでこのような嫌味を言って馬鹿にしてくるのは毎回の事ですからね。ここは大人の対応です。秘儀!!スルースキル発動!!です。決してコミュ障だらか言い返せないだけではありません。私を見つける度に毎度毎度飽きもせずに嫌味を言ってくるのです。最初の頃は傷付いていましたけどね、彼女達がいない時にこっそり受付のお姉さんがああいった人達だと教えてくれましたし、何度も繰り返されるうちに毎回の事と慣れてしまい、その度に聞こえないふりをしてはその場から離れ、頭の中でだけ言い返すという事を繰り返しておりました。今回も受付のお姉さんが心配そうにこちらを見ていますが私がいつもの事と割り切り、苦笑いで受付のお姉さんにお辞儀をしたのを見てホッとした顔をしております。あの方達はまだ何か言っておりますが私はさっさと応接室に戻ろうと思い顔を上げたら、応接室へ向かう廊下にライデンさんとジョンパニさん、そして見知らぬ女性が2人立ってこちらを見ていました。見知らぬ女性達は獣人のようです。小柄で碧色のうさ耳の女性の方と銀色の狐耳のスラっとした女性の方です。お2人ともとても可愛らしいお顔ですが…一体彼女達はどなたでしょうか?私は説明を求めるようにライデンさんを見るとサッと目を逸らしました。うーん、なんかまた面倒な事になっていそうなのですが?私がそう考えているとうさ耳の女性が【クレナイサンガ】に近づいていき彼女達に声を掛けました。
「ねぇねぇ、君達ぃ。その喋り方ってわざとなのぉ?」
「「「は?」」」
「いや~、その口調で話すの慣れてなさそうに感じてさぁ。だからわざとなのかなぁって思ってぇ。もしわざとならなんでそんな口調で話しているのか気になったからさぁ」
「わ、わざと?何故そのような事をする必要がありますの?私達はこの国の貴族の出身なのですわよ。昔からこの口調でなのですから故意に口調を変える訳がありませんわ」
「「そうですわよ。」」
「ふぅ~ん。そうなんだ。貴族ねぇ…。僕さぁ、さっきこの国に来たばっかりでぇこの国の貴族とか詳しくないんだよねぇ。だから爵位とかその辺詳しく聞いても問題ない感じぃ?」
「仕ありませんわね。そういった事を教えるのも貴族の務めですわ。よろしいでしょう、教えて差し上げますわ。私はエミリア・ルーゼンスと申します。ルーゼンス男爵家の出身ですわ。そして彼女達は双子のリリーシア・ワグゼンとサルーシア・ワグゼンと申します。私と同じく男爵家であるワグゼン家の出身ですの。この国は公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵から成り立ちますの。なので私達は中堅爵位家の出身ですわ。」
「ほぇ~。中堅のお貴族様ねぇ…。そんないいとこのお嬢様なのにぃ、君達はなんで冒険者になったんだい?」
うわぁ…エミリアさん達の貴族の認識が間違っています。ルビナス共和国は準男爵と騎士爵は世襲ではなく一代限りの爵位ですよ。これ、基本中の基本ですよ。家庭教師のつかなかった私ですら基本の教本で読んで知っているのに…誰も教えなかったのでしょうか?そしてうさ耳さん、冒険者になる理由はそれぞれですが大体がお家に居られないからなんですよ。その事を素直に言うとは思いません。なのにそれ聞いちゃうの?
「わ、我が家とワグゼン家は親戚ですのよ。ルーゼンス家とその親族は代々跡継ぎである長男と次男、それから長女以外は10歳の誕生日に自分の生き方を決めて家を出るのです。私は7人兄妹の末っ子ですので冒険者の道を選んだのですわ。それに、どの爵位であろうと跡継ぎにはなれない末の者達は自分で生き方を探すものですわよ。下位の爵位である準男爵や騎士爵のものが多いと言われる冒険者ではありますが、私達は自分の力を試したいと思い冒険者になりましたのよ」
「「なりましたのよ」」
「ふ~ん。成る程なるほどぉ。君達が冒険者になった理由は分かったよぉ。でさぁ、ちょっと聞きたいんだけど、この国では準男爵や騎士爵でも世襲で爵位が継げるのかぃ?カリュちゃん知ってるなら教えてくれないかなぁ?」
そう言いながらうさ耳さんはこちらを見てきました。そうですよね、そこ気になっちゃいますよね…。ただ、なんで私に聞くんですか(泣)。
北大陸のCランク冒険者が少なすぎたので2組から8組に変更させていただきました。




