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平民になれて幸せですがなにか?  作者: はちみつさとう
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魚でお昼ご飯ですがなにか?

ライデンさんの尊い犠牲のお蔭?で、私は川でのんびり魚捕りをしています。

今日は討伐した上に散々歩いたのでもうお腹がペコペコなのです。ここはダンジョンが発見された場所から5分程東に向かって歩いた場所にある渓流に近い形の川なのですが、マスニジと言う臭みの少ない川魚がよく取れる場所なのです。ここで捕れるお魚は有名なのですが、いかんせん冒険者しか来れない場所のうえにEランクの冒険者は討伐メインの方ばかりでお魚の捕獲をしてくれる人が滅多にいないので、下流で釣りをして捕まえる以外には中々食べられない貴重なお魚なのです。Fランカーの私には無縁の場所だと思っていましたが…ここに来れて感無量です。


川の近くには岩塩と捕獲に便利なツルツルと言う蔓が自生しています。ツルツル蔓は適度な長さに切って真ん中から割いていくと繊維が細かい紐のようなものになりますので、これを2本作って十字になるように重ねたら四隅を別の棒で固定し割いた部分の中心辺りの端を広げて棒に引っ掛けると簡易的な網になります。これを川の端に突き刺してしばらく待てばマスニジがゲットできるばすです。しかし、初めての試みなので、失敗した場合も考えて網から離れた場所でアースバレットを使いマスニジを気絶させておきましょう。因みに岩塩は結構な大きさが発見できたので、今回の料理に使う分以外はギルドに売りつけましょう(ニヤニヤ)。


10分程アースバレットを使い6匹程を捕まえられました。網を確認したらこちらにも10匹程かかっていたので、全てを持って岸に戻ります。枯れ枝を集めて2㎝程のファイアボールを出したら、あら簡単。焚火が完成です。本当に今までの生活では考えられない程に便利になりました。これは家に帰ったら竈で試してみましょう。

腸を抜き取り岩塩を砕いて振りかけて枝に刺し、焚火の周りに枝を差していけば今日のランチの完成です。お魚に半分ほど火も入りましたし、パンはジョンパニさんのマジックバックにあるはずなので、そろそろ呼びに行きましょうか。

あり得ませんが魔獣がきても嫌ですし、到着した途端に食べようとするジョンパニさんとかジョンパニさんとかジョンパニさんの対策で、焚火の周りにアースウォールで1mほどの壁を作り私はお2人のいる所まで戻ります。


先ほどの場所まで戻りますと、正座をさせられて説教を聞くライデンさんと未だに鬼人モードで説教をしているジョンパニさんがおりました。ライデンさん……お疲れ様です(合掌)。


「ジョンパニさん、ライデンさん、ご飯出来ましたからそろそろ終わりにして下さい」


「あ゛ぁ?まだ終わってねーんだけど?ってかお前にも話あるんだけど」


「そーですか、じゃあ私だけ先に食べてますので終わったら言って下さい。因みにですが今日のお昼はマスニジの塩焼きです。マスニジって多分ですが、この辺りにしか生息していないお魚で、この森以外では滅多に捕れないお魚なんですよ。下流で釣れた時なんかは結構な騒ぎになるようなお魚で、味は本当に川魚?って位に身がふっくらしていて甘みもあるんです。まだ火にかかっている状態なので、焦がしたくないので私は先に戻りますね。あ、残しておきますからお説教?話し合い?が終わったら東に5分位歩けばつきますんで来てくださいね」


私は一応お昼のメニューを言って、川までの道を戻りました。あの怒りが収まるまでお説教終わらなそうなので、残念ですがパンは諦めましょう。代わりに何かあればいいのですが、早々都合よくは見つかりませんね。道沿いにマヌルがあったのでそれを抜いて持ち帰ります。川で洗って水分をしっかり含ませてから焚火の近くに置けば、時間はかかりますがマヌルの蒸し焼きが出来るはずです。しっかり蒸し上がれば臭いが抑えられて、食感はホクホクしていてポイモに似た感じになるはずなのでパンの代わりとまではいきませんがないよりいいはずです。

休憩場所に戻り、アースウォールで作った壁を消してから川でマヌルを洗い振り返ったら、焚火のそばにお2人がいます。あれ?お説教はいいんでしょうか?そう思っているのが表情に出ていたのでしょうか?私と目があったジョンパニさんが気まずそうにしています。


「カリュちゃん…食べていい?」


おぅ、ライデンさん足が生まれたての魔鹿のようにプルプルしていますね。まだ痺れているのでしょうか?私が逃げたせいでもあるので、少しだけ罪悪感があります。なのでライデンさんにはマスニジを多めにあげましょう。


「お2人共早く座って下さい。あ、ジョンパニさんのマジックバックにパンありますよね?それ出してください。少しはパンも食べないとお腹の持ちが悪くなると思いますから」


「おぅ…これな」


ライデンさんが座り、ジョンパニさんも素早くパンを出したと思ったら焚火の前に座り込み「「いただきます」」」と言うと勢いよく食べだしました。おぉ…お2人共、お腹空いていたんですね。


お2人にもパンを切り分けて渡し、私もマスニジにかぶりつきます。うーん、やはりマスニジは美味しいですね。特に岩塩の柔らかい塩味がお魚の甘みを引き出してくれて美味しいです。

「これはやばいな」と言う声が聞こえたのでそちらを見ると、ジョンパニさんがニコニコしながら2匹目のマスニジを食べています。機嫌が直ったようでなによりです。ライデンさんは目に涙を溜めながらマスニジを食べていますがあの涙はジョンパニさんの機嫌が直ったように見えるからではなくマスニジの美味しさに感動したからと信じたいです。

さて、これを食べたら今後の予定の話し合いがあるのですが、今はそんな事よりもマスニジを堪能したいと思います。






軽く餌付けされているライデン君とジョンパニ君でした(笑)



長雨が続いておりますね…。気温の上下も激しくなっておりますので、体調にお気をつけくださいね。

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