高ランカーの冒険者でしたがなにか?
しかし、魔法とは凄いものなのですね。
様々な属性があるとは聞いていましたが魔力を感じるのはどの属性なのでしょうか?私が持っている属性がわかれば私にも出来るようになるのでしょうか?もし出来るようになればそれを副業にして収入を得られるかもしれませんね。これは確認しなければです。
「あ、あの、魔力感知は、ど、どの属性で出来るので、でしょうか?」
「ん?属性?魔力を見るには魔力が≪中ノ上≫以上ある奴ならちょっとしたコツを掴めば誰でも出来るだろ?」
「え…それ、は…普通にし、知られ、ている、事なのでしょ、しょうか?」
「あ~、もしかしてこっちの大陸では知られてないのか?ライデン何か知ってる?」
「魔力感知のやり方を確立させたのってうちの国の魔法士が10年前位にやったはずだから、まだこっちの大陸では広まってないのかもしれないな」
ん?こっちの大陸?うちの国?何を言ってらっしゃるのでしょうか?もしかして…
「あ、あの…お2人はもしかして南の大陸の方ですか?」
「あぁ、俺とジョンパニは南の大陸のエスプス王国の王都が活動拠点なんだよ。ここに来たのは冒険者ギルドからの指名依頼があったからなんだ」
「因みにこいつはエスプス王国の王族だぞ。まぁ継承権低いから王太子に息子が生まれた時点で継承権返上してるけどな」
「いや、公爵家嫡男なのに弟に全部押し付けてるお前よりちゃんと継承権放棄してる俺のがましだと思うけどな」
え…、ライデンさんが王族?笑いの沸点が低い冒険者さんだとか、単なる笑い上戸なだけの冒険者さんだと思っていたライデンさんが王族?しかもジョンパニさんは公爵家の嫡男さん?え、なんで冒険者なんてしてるの?
「いや、貴族の付き合いとか面倒臭いだろ。ジュンパニが楽しそうにやってるんだから俺いなくていいだろって言ってるのにあのクソ親父がジュンパニが結婚して子供生まれるまでは予備が必要とか言って廃嫡の書類出してないのが悪い。俺はもう冒険者でやってくって決めてるんだからさっさと書類出せよって思うけどな。」
南の大陸の冒険者さんには王族やら高位の貴族さんがいらっしゃるんですねぇ。ルビナス共和国では男爵家の次男三男なら後を継げないので冒険者になる方も稀におりますが、高位の貴族でしかも嫡男の方で冒険者になる方なんてまずいません。南の大陸と言うかエスプス王国の貴族の方はでは嫡男とか爵位はこちらのように厳しくないのかもしれませんね。……んぁ?エスプス王国?確か冒険者ギルドの本部ってエスプス王国の王都にあったはずです。先ほど指名依頼と言っておりましたし本部には高ランクの冒険者さんが多くいると聞いた事があります。もしかしてお2人もそうなのでしょうか?
「えっと…お2人は、こ、こ、高ランカーな、なのです、か?」
「ん~、2人ともAランカーだな」
おふぅ…やはり高レベルの方々でした。
通常の冒険者さん…と言っていいのでしょうか?討伐やダンジョン探索などをメインとされている実力派と言われる冒険者さん達でもBランクからAランクに上がるにはとても大変だと聞いた事があります。お2人とも私より少し年上なだけのようなのに相当な実力の持ち主なのですね。
「あ、あのさ、ちょっと聞きたい事があるんだけど、えーーーっと…名前聞いたっけ?」
「いぇ…、あ、あの、カリュとも、申し、ましゅ」
「ぶふっ!!カリュちゃんね、ふふふ…。あのさ、このクラの森に新たなダンジョンが出来たらしいって報告がギルド本部にあってさぁ。もしかしてカリュちゃんって結構この森に来てたりする?もしそうなら最近森でなにか異変とかなかった?」
ダンジョンが出来たかもしれないですって?えー、困ります。魔獣の生息域が変わると言われているので薬草採取が出来るこの辺りにも奥地の魔獣が出てくる可能性がある…。ん?もしかして一昨日ガーウルフさんが森の浅瀬に来たのってダンジョンが出来たからでしょうか?
「う、え、えっと、先日、この森の奥地にしゅ…住んでいる、ガーウルフさんが、こ、このば、場所の近、くに出た位しか、思い、あたりません」
「ガーウルフが?それっていつだ?」
「お、一昨日で、す」
「ガーウルフは滅多に浅瀬には出てこないんだよな」
「は、はい。3年、この街に、いますが、一昨日がに、2度目のそ、遭遇でした…」
「因みに1度目はいつだ?」
「え…っと、3カ月位ま、前です」
「報告があったのが3カ月前だよな…。うん、やっぱりダンジョンが出来ている可能性があるな」
「だな。明日は奥まで行ってみるか?」
マジですか…。もし本当にダンジョンが出来ていたら、私ののんびり薬草採取生活が変わってしまうではないですか。
困ります。どうかダンジョンは出来ていませんように。
と、祈って(心の中でですが)いたら、私のお腹がとてもいい音で鳴りました。
お昼、ほとんど食べれませんでしたから仕方ありませんよね。なので、お2人ともそんな顔で私を見ないで下さい~。