頑張ってみましたがなにか?
ジョンパニさんの言う通りにして、無事に魔力循環ができるようになりましたが、いくつか疑問が残ります。
・なぜ私がここにいるのがわかったのか?
・魔力測定器を使っていないのに、何故私に魔力があるか分かったのか?
・私の服装は露出がそこまでありませんし、肩や首回り、ブーツとキュロットの間などを確認しましたが
コブは露出している部分には見当たりません。なのにどうして魔力凝りがわかったのか。
私は無事にこの疑問に答えていただけるように質問出来るのでしょうか?
不安です。とてつもなく不安ですがすごく気になります。コミュ障の私ですが、コミュ障なだけで、気になる事は放置できず確認しないと気が済まないタイプなのです(まぁ、普段は図書館などで調べるだけですが…)。なので、不安ではありますが勇気を出して聞いてみようと思います。
「あ、あ、あの…えっと、ジ、ジョン…パニ様あ、あのありがとう、ご、ざいましゅた」
「ぶっ!!」
「おぅ」
くぅ…またライデンさんに笑われましたね。私だってわざと噛んでる訳じゃないのに失礼な人ですね。しかし…私が噛む度ライデンさんは笑っているような気がするのですが、そんなに面白いものでしょうか?受付のお姉さんなんて、いつもスルーですよ?もしかして彼の笑いの沸点は他人より低いのでしょうか?
「いえ、知らな…い事、だった、の、で、知れて、う、嬉しかったで、す」
「おぅ」
おぅとしか答えて頂けてませんね。うぅ…不機嫌なのでしょうか。聞き方を間違えたらまたあのネチネチがくるのかもと考えると何故か胃がキリキリとしてきます。ですが、それでも気になる事は聞かねば気が済まないのです。なので頑張らないとです。
「そ、それで、ですね…あ、あの、き、聞きたい、事があるのですけ、れど…」
―――――緊張しました。つっかえつつ、途中で何箇所か噛み、その度にライデンさんには笑われジョンパニさんには「落ち着いてまともに喋れ」と怒られながらも何とか質問する事ができました。
そして質問の答えは予想外のものでした。
なんとジョンパニさんは魔力が《上ノ中》もあるそうで、普通は見えない他人の魔力が見えるそうです。なので、先日ギルドで見えた私の魔力を覚えていて、この森に依頼できたら私の魔力の残滓が見えたのでその魔力を追ってここまで来たそうです。
そして、魔力コブが見当たらないのに何故魔力凝りを起こしているのかが判ったのかですが、ジョンパニさんいわく、私は魔力が《上ノ下》位はあるのではないか?と思える程に魔力が多いそうで、久々に強い魔力持ちに会えたと思ったら魔力循環が出来ていないように見えたので、何かの間違いではないかと思い、再度魔力の流れをみたら詰まっていたからとの事でした。
因みにコブは左腰の辺りに出来てきてるらしいのですが、背中側でまだあまり大きくなっていなので私が気づかなかったのは仕方ないのではないか?と言ってくださいました。先程教えて頂いたおかげで今は魔力循環がちゃんと出来ているようなので、数日もすればコブは消えるのではないかとも言ってくださいました。
ありがたいです。ですが……出会った時から偉そうな態度ばかり見せてきた俺様なエルフさんがこうも優しく教えて下さるのは、何か…何というか、恐ろしいものを感じるのは私の気のせいでしょうか?