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素数

 第一章   素数


俺の名前は志水時雨しみず しぐれ高校一年生。

俺には両親がいない。父親は俺が生まれてすぐに病気で死んでしまった。母親は、交通事故にあいを死んでなってしまった。

それもこれも俺のせいだ。俺が車にひかれそうなのを身を呈して守ってくれた。そのせいで死んでしまった。

俺がいると周りを傷つけてしまう。もう俺のせいで傷つく人を見たくない誰も失いたくない。

ふと考えながら歩いていると走ってきた男の人とぶつかってしまった。

「すいません」

俺はその人が落とした写真を拾って見てみるとなんと俺が映っていた。

「お、俺の写真!!?」

その人がおれを見つめて3秒くらいたったと思う。

「君が志水時雨か〜。俺は夜空やくう 一月いつきだ。よろしくな。」

俺はふと考えた。

誰だこいつ?おれの名前を知っている?しかもぶつかってよろしく?

混乱していて言いたいことが言えなかった。

「きみは何でおれの名前をしってるの?」

とりあえず聞いてみた。

すると

「俺はある機関から派遣されてね〜。君が時空を乱す核らしいの。理由は知らないけど。」

「時空を乱す核?」

「っそ!」

「何で俺が?信じられるわけないじゃん。」

「そりゃそうだろうね。でも思い当たる節はあるでしょ?」

そう言われるとないこともない。

今まで何度か時空のゆがみみたいなものを見たことがあるし、そこにはいって変な化け物を見たこともある。

しかしそれはいつもめまいの様にやってきて、気がつくと朝になっている。夢だと思っていた。

考えていると一月が

「納得してくれた?」

「納得できるわけないじゃん・・・・でも・・・・」

「でも・・・・」

「半信半疑だよ」

「まあ今はそれでいい」

「俺をどうするの?

「時空の歪みのなかで化け物を見ただろ。そいつらの動きがここにきて活発化してきている。そいつらからお前を命がけで守る」

「なんで?」

「お前が死ぬとこの世界がどうなるかわからないからだ」

ふと時間を見ると学校の時間だった。

「やっべ〜遅刻する」

俺はその場から走り去った。学校では今日のことしか頭になく、授業に集中できなかった。

夜、ベットの中でずっと考え込んでいた。しだいに眠くなっていき目を閉じて、気がついたら自分の知らない世界にいた。

ここは一体どこだ・・・・?俺はパニックになっていた。

すると

「時雨〜〜〜」

聞いたことがあるような声が聞こえてきた。

振り返ってみると今日、ぶつかった人だ。

「確か…一月さんでしたっけ?」

「うん。一月でいいよ。」

「じゃあ一月・・・・どうしてここへ?」

「今朝、説明したけどまた時空が乱れたんだよ」

「え!!」

俺のせいで時空が乱れている・・・・また俺のせいで人が傷ついてしまう・・・・

くよくよ考えていると、明るい声で

「まぁ〜気にすんなって!!お前のせいじゃないからよ}

何で?心が読まれている・・・・俺といるとこの人が傷つく・・・・

「もう俺にかまわないでくれ」

俺はこれを言うと同時に走り出した。

「っちょ・・・まて」

一月が追いかけてくる。おれは足には自信がある。追いつかれるわけがない。

「つ〜かまえた」

え?つかまった?なんてスピード・・・

振り返ってみると一月ではなく、化け物のようなものだった。

「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

思わず声をあげてしまった。すると化け物が刀のようなものを振り上げて襲いかかってきた

やられる!!そう思った目を閉じた。・・・・・・・

あれ?なんともない・・・ゆっくりと目をあけると、そこには身を呈して俺を守っている一月がいた。

一月は化け物が振り下ろした刀を手で握り、手からは血が出ていた。しかし一月は平然とした顔で

「ダイジョブか?けがはない?」

俺はびっくりした。血まみれの人間が俺の心配をしている・・・・

「なんでこんなことしたんだ・・・・俺はもう誰も傷つくのを見たくないのに・・・・。どうして・・・・・」

俺は思わず声を張り上げてしまった。だが一月は

「そんな声出せるなら大丈夫そうだな!今、かたずけてやっから」

そういうといきなり天高くジャンプし化け物に向かって蹴りをかました。

化け物はバランスを崩して倒れた。そして一月は変な紋章を取り出して呪文のようなものを唱え始めた。

すると化け物が紋章の中にすいこまれていった。目を点にしてみていると、

「あ!これね〜。これは退去印といってある一定のダメージをあたえたモンスターを退去させ封印させることができるの!!」

と一月が言った。

「・・・・そうじゃなくて」

「あ〜あの化け物ね。あれはね。この時空の主。これであいつを退去させて5分たつと元の世界に戻れるから!!」

にこやかに一月がいった

「そうじゃなくて!!その傷・・・」

俺はまた声を張り上げてしまった。

「あ〜こんなの大丈夫だよ♪つばつけとけば治るって」

「なんで俺のためにこんなことまでしてくれるの?」

俺は思い切って聞いてみた。

「最初は仕事だからだったけど・・・お前なんか昔の俺に似てるんだよ」

「え?似ている?」

「そうだよ。お前のこと調べさせてもらったけど、母親を事故で亡くしてるって」

「・・・・うん」

「それを自分のせいだと思ってるだろ?お前をかばったからって」

「・・・・」

「親ってのはそういうものなんだよ・・・もしお前が死んでたらお前の親も自殺してたかもしれないぞ?」

「え・・・・!」

「それにな。俺も昔、親を亡くしてんだ・・・正確には殺させた。いきなり家に侵入してきて親を撃ち殺され家を焼かれ」

「そんな・・・・」

「親はおれをかばってくれて俺だけ逃がしてくれた・・・俺もお前みたいに自分を責めたよ・・・・」

「一月・・・・」

「そんな俺を変えてくれたのが俺の幼馴染の六月来夢むつき らいむだよ」

「そうなんだ」

「お前ももっと俺に頼れよ・・・・お願いきいてやるからさ」

「じゃ・・・っじゃあ」

「ん?」

「友達になってください」

俺は思い切っていってしまった。俺は心を閉ざしたままで今まで友達が一人もいなかった。

一月が

「いいに決まってんだろ♪」

俺はうれしくて涙があふれてきた・・・・すると一月が

「そのかわり俺に隠し事すんなよ。なんでも話せよ」

俺は思い切ってうなずいた。

「おっと時間だ。もう五分たつ・・・じゃあ時雨〜また現実世界でな♪」

俺がうなずくと同時に空間がドーム状に色鮮やかに崩れていく。

空間が崩れると同時に目が覚めた。外は朝になっていた。

夢・・・・・そんなわけない・・・・・自分でもわかっていた。

でもなぜか恐怖や不安よりも初めて友達ができたうれしさが込み上げてきた。

今までは心を閉ざしていた自分がまるで1とその数でしか割れない素数のような存在だったことに今更気づいた。

しかし、一月のおかげで変わっていける気がした。そう変数のように・・・・



 2章 変数に続く

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