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無銘の世界~personaluniverse~  作者: ネツアッハ=ソフ
世界会談編
50/168

プロローグ

 ある世界に一人の人間が居た。その男は、確かに人間だった。人間だった筈なのだ・・・。


 その男は生まれつきの異能者(イレギュラー)だった。その異能により、男は周囲の人達から常に差別を受けていた。


 処刑(しょけい)される事、優に幾万にもなる。道端で襲撃を受けたのはその更に万倍。


 火刑、磔刑(たっけい)、絞首刑、銃殺刑、あらゆる刑に処しても男を殺す事は出来なかった。男は不死だった。


 ・・・どころか、処刑を受ける度に男は進化(しんか)を続けていった。


 男はその異能により、死ぬ事すら許されなかった。男は世界中の人々から迫害を受け、或いは異能の研究の被検体とされてきた。男は狂った。そして、異能はその狂気(きょうき)により更に進化した。


 男は殺戮(さつりく)に走った。殺して、殺して、殺し続けて・・・やがて、男は単一の宇宙に住む全生命体を一匹残らず駆逐してしまう。人間はもちろん、陸に住む獣や空を飛ぶ鳥、海の生物や虫に至るまで。


 殺す度に、男は進化を続けていく。狂気さえ振り切って、更に更に更に。やがて・・・


 ・・・宇宙から生命体を残らず全て、絶滅(ぜつめつ)させたのだ。


 そして、男はその時になって気付いた。もはや、自分は人間では無いと。男は人間では無くなった。


 単一とはいえ、宇宙に住む全生命体を絶滅させた男は、もはや人間では居られなくなった。その男は悪魔に転生したのである。純粋な悪魔として。純血の悪魔として。


 悪魔となった男はその後、異世界を渡った。渡った異世界で、男は狂気に任せて殺戮を続けた。


 悪魔となった男は殺戮の中で、無限に進化を続けていく。もはや、悪魔となった男を止められる者など何処にも居はしない。居る筈が無い。


 男は悪魔だ。純粋な人間に止める術などありはしない。


 もはや、男は正気では無かった。その()り方はまさしく、悪魔そのものだ。


 そして、男はある世界で一人の人間と出会う。その青年は、確かに人間だった。人間の筈だった。


 しかし、その青年は悪魔である男と同じ、異端(イレギュラー)だった。青年は生れ付いての超能力者だ。


 そして、青年はその悪魔を手懐(てなず)けた。不可能を難なく成し遂げてしまった。


 ・・・青年はその悪魔に言った。僕に服従しろと。代わりに、一生涯娯楽を与えようと。青年は娯楽を与え続ける代わりに、悪魔であるその男を永久に服従する契約(けいやく)をしたのである。


 もちろん、男はその言葉を契約とし、青年に服従した。悪魔に首輪が()められた瞬間だった。


 青年は悪魔を完全服従させたのだ・・・。


 そして、悪魔と青年は動き出す。ある野望(やぼう)の為に・・・。終末(おわり)の更に先を目指して、終末の果ての更に先の世界を目指して。二人は動き出す。


 ・・・さて、物語は更に加速する。もう、止まりはしない。終末(しゅうまつ)の物語を始めよう。

・・・さて、終末の物語を始めよう。

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