プロローグ
ある世界に一人の人間が居た。その男は、確かに人間だった。人間だった筈なのだ・・・。
その男は生まれつきの異能者だった。その異能により、男は周囲の人達から常に差別を受けていた。
処刑される事、優に幾万にもなる。道端で襲撃を受けたのはその更に万倍。
火刑、磔刑、絞首刑、銃殺刑、あらゆる刑に処しても男を殺す事は出来なかった。男は不死だった。
・・・どころか、処刑を受ける度に男は進化を続けていった。
男はその異能により、死ぬ事すら許されなかった。男は世界中の人々から迫害を受け、或いは異能の研究の被検体とされてきた。男は狂った。そして、異能はその狂気により更に進化した。
男は殺戮に走った。殺して、殺して、殺し続けて・・・やがて、男は単一の宇宙に住む全生命体を一匹残らず駆逐してしまう。人間はもちろん、陸に住む獣や空を飛ぶ鳥、海の生物や虫に至るまで。
殺す度に、男は進化を続けていく。狂気さえ振り切って、更に更に更に。やがて・・・
・・・宇宙から生命体を残らず全て、絶滅させたのだ。
そして、男はその時になって気付いた。もはや、自分は人間では無いと。男は人間では無くなった。
単一とはいえ、宇宙に住む全生命体を絶滅させた男は、もはや人間では居られなくなった。その男は悪魔に転生したのである。純粋な悪魔として。純血の悪魔として。
悪魔となった男はその後、異世界を渡った。渡った異世界で、男は狂気に任せて殺戮を続けた。
悪魔となった男は殺戮の中で、無限に進化を続けていく。もはや、悪魔となった男を止められる者など何処にも居はしない。居る筈が無い。
男は悪魔だ。純粋な人間に止める術などありはしない。
もはや、男は正気では無かった。その在り方はまさしく、悪魔そのものだ。
そして、男はある世界で一人の人間と出会う。その青年は、確かに人間だった。人間の筈だった。
しかし、その青年は悪魔である男と同じ、異端だった。青年は生れ付いての超能力者だ。
そして、青年はその悪魔を手懐けた。不可能を難なく成し遂げてしまった。
・・・青年はその悪魔に言った。僕に服従しろと。代わりに、一生涯娯楽を与えようと。青年は娯楽を与え続ける代わりに、悪魔であるその男を永久に服従する契約をしたのである。
もちろん、男はその言葉を契約とし、青年に服従した。悪魔に首輪が嵌められた瞬間だった。
青年は悪魔を完全服従させたのだ・・・。
そして、悪魔と青年は動き出す。ある野望の為に・・・。終末の更に先を目指して、終末の果ての更に先の世界を目指して。二人は動き出す。
・・・さて、物語は更に加速する。もう、止まりはしない。終末の物語を始めよう。
・・・さて、終末の物語を始めよう。




