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無銘の世界~personaluniverse~  作者: ネツアッハ=ソフ
エルピス領編
30/168

エピローグ

 次の日の朝・・・。こんっこんっとドアがノックされる。


「シリウス様?朝でございます・・・」


 そのメイドの名前はメアリー。エルピス家のメイドの一人である。


 少しそそっかしい所と妄想癖(もうそうへき)の激しい所があるが、これでも意外と有能なメイドなのだ。


「シリウス様?・・・開けますよ?」


 しばらくドアをノックしても返事が無いのを確認して、メアリーはドアを開ける。そして、硬直。


「・・・すぅーーーっ、・・・すぅーーーっ」


「・・・・・・んっ、ムメイ」


 シリウスとリーナ、二人が(そろ)って寝ていた。しかも、二人抱き締め合って仲良く寝ている。


 ———まあ、実際はリーナがシリウスを抱き締めて寝ているのだが。傍目(はため)には二人が抱き締め合って寝ているように見えるだろう。


「・・・・・・えっと、シリウス様?」


「・・・・・・ん、んん?・・・・・・・・・っ!!?」


 シリウスの綺麗なスカイブルーの()が開き、やがて驚愕に見開かれた。その瞳は混乱の極みにある。


 恐らく、この状況を理解し切れていないのだろう。しかし、その光景を直接目の当たりにしたメイドには全く関係ない。


「・・・えっと、ごゆっくり~」


 そのまま、メアリーはそそくさと立ち去った。さも、全て承知(しょうち)していますと言わんばかりの顔で。


 その日、メイド達の間でシリウスとリーナは非常に仲睦(なかむつ)まじいとの噂が広まった。


          ・・・・・・・・・


 で、現在に至る訳だ。僕は今、父の書斎(しょさい)に呼び出されている。


「で、だ。聞きたい事は他でも無い。シリウス、お前何時もリーナ嬢と一緒に寝ているそうだな?メイド達の間で噂になっているぞ?」


「・・・・・・・・・・・・はい」


 僕はバツが悪そうに答えた。その返答に、父は溜息を一つ吐いた。


「・・・シリウス。お前、リーナ嬢の事が好きか?」


「・・・えっと、好きか嫌いかで言えば好きです」


 その返答に、更に溜息を吐く父。


「つまり、好きと言ってもその程度という訳か・・・」


「えっと、出来れば言い訳をさせて貰えますか?」


「何だ?」


 父は僕の瞳を真っ直ぐに見る。その視線に、僕は少し言い辛そうにしながらも言った。


「えっと・・・実際は僕の部屋にリーナが来て、僕のベッドに(もぐ)り込んでいたようで。ほとんど僕が寝ている間に彼女が入ってきてるんですね・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 その返答に、流石の父も唖然(あぜん)としたらしい。僕自身、頭が痛くなってくる。どうしてこうなった?


 なんて失態だ。こんな事、修行時代では考えられなかったのに。


 父も痛そうに頭を抱える。


「・・・あー、もう良い。解ったから行っていい」


「・・・・・・すいません。失礼しました」


 そう言って、僕は書斎を出ていった。・・・本当、どうしてこうなった?

リーナの愛は限界知らずです。

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