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無銘の世界~personaluniverse~  作者: ネツアッハ=ソフ
無銘の世界編
159/168

閑話、始まりのエンシェント

 それは、遥か古代の事・・・神代(かみよ)にまで遡る。場所は天界(てんかい)、神々の宮殿・・・


 神々の間で大論争が起きていた。それは、人類も無関係ではない。むしろ、その人類の事で神々は論争を起こしているのだ。その議論の内容は、人類の自由意思(じゆういし)についてである。


「馬鹿なっ⁉神々の王ともあろう者が、人類から自由意思を(うば)おうというのかっ‼」


 テーブルを力一杯叩き、立ち上がる者が一柱(ヒトリ)居た。


 神の一柱が愕然とした声で叫ぶ。原初の蛇神だ。彼女は神王のその愚挙(ぐきょ)に真正面から糾弾する。それは人類の未来を想うが故の事だ。しかし、当の神王はそれを一蹴する。


 そもそも、神王及び大多数の神々にとってこの出来事は既に決定事項だ。早々に覆りはしない。


 神王は溜息混じりに、(さと)すように告げた。


「・・・ナハッシュよ、何も完全に自由意思を奪おうという訳では無いのだ。ある程度、自由意思を残した上で人類を我等神々が管理(かんり)しようと言うのだ」


「人類を管理など!それが意味する事を本当に解っているのですか⁉」


 神王の一言に、更に憤る・・・


 蛇神、ナハッシュの言葉に神王デウスは頷いた。そもそも、神王は全てを呑んだ上でそれを実行しようとしているのである。もちろん、他の神々も同じだ。


 人類の未来は神の手で管理しなければならない。そう、当時の神々は本気で考えていたのだ。


「人類はあまりに(おろ)かだ。それ故、我等神々が管理しなければすぐにでも滅びに向かうだろう」


「だから、人類を管理しようと・・・?」


「そうだ」


 その言葉に、ナハッシュは我が耳を疑った。それは、あまりにも傲慢(ごうまん)で人類を甘く見ている。


 人類の味方をしよう者は今やナハッシュ一柱(ひとはしら)のみ。他は皆、神王の味方かあるいは逆らえない者。


 ・・・もはや、この議論は無意味だろう。そう(さと)った。


 このままでは、どの道人類に未来は無くなるだろう。そう考えたナハッシュは覚悟を決めた。神王を裏切り人類を救う覚悟を。その為、原初の地母神(ちぼしん)としての格を失う覚悟を決めた・・・


「神王よ・・・。私は人類の味方に付きます」


「・・・そうか、なら是非もない。ナハッシュ、貴様の神としての職能及び神権を剥奪(はくだつ)する」


 そうして、原初の蛇神ナハッシュは神としての格を剥奪され原罪(げんざい)を押し付けられた。そして、原初の竜として竜種の始祖となった。原初の竜種、エンシェントロードの誕生だ。


 その後、エンシェントロードであるナハッシュは神々に戦争を仕掛ける。最大規模の神話戦争だ。


 それが、今回の出来事の元凶(げんきょう)。始まりである。

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