プロローグ
様々な物語があった・・・様々な世界があった・・・
様々な人生があった・・・様々な人達が居た・・・
様々な悲劇があった・・・様々な喜劇があった・・・
其れは複雑に絡み合い、万華鏡のように色鮮やかで。僕の心を魅せ付けた。
美しかった・・・とても、胸を打たれた・・・。かくありたいと、そう思った。
反目し、時として手を取り合い、そして解り合う。人々の心が生み出す宇宙論だ。僕は、それを素晴らしいと心底から思った。心を奪われた・・・
人生のドラマは、人それぞれだ・・・だからこそ、美しい。美しく、魅せられる。
きっと、其処に善悪など無い筈だ。何故なら、人は違ってしかるべきだからだ・・・
僕は僕で、君は君。皆違うからこそ、多様性が生まれる。それはとても複雑で、けれども至極単純極まりない世界の真理だ。それは、きっととても素晴らしいのだろう。
独りを望んだ。独りになりたいと願った。けど、それでも・・・
僕はそれに魅せられたから。人間に魅せられたから。人間が紡ぐ、物語に魅せられたから。
だから、僕はもう立ち止まるのは止めよう・・・
様々な物語があった・・・それは、とても僕の胸を打った。
様々な世界があった・・・それは、とても眩しかった。
様々な人生があった・・・それは、色とりどりの可能性があった。
様々な人達が居た・・・それは、本当に活気に満ちていて。
様々な悲劇があった・・・それは、とても辛くて。
様々な喜劇があった・・・それは、僕に人間味を教えてくれた。
楽しい事ばかりではなかった。むしろ、辛い事ばかりだったけど・・・
それでも、僕は今此処に居る。僕は今、此処に立っている。
様々な人間を見た。様々な人外を見た。様々な人生を見た。様々な物語を見た。僕も、そろそろ動き出さねばならないだろう。僕は、僕の物語を紡ごう・・・
それはきっと、とても素晴らしい物になる筈だから・・・僕に、人生を教えてくれた全ての為に。
さあ、物語の結末を見にいこう・・・




