閑話、星の聖剣と外法の魔剣
対となる二振りの宝剣。祭儀用の儀礼剣・・・
主に星の聖剣にはあらゆる概念を断ち切り穢れを祓う力があり、外法の魔剣には所持者を宇宙の法の外へと至らせる力を持つ。神代の概念兵器である。
あらゆる神話の兵器を超える力を持ち、所持者を選ぶ特性を持つ。それぞれ独自の意思を持ち、念話で所持者に語り掛ける事も可能である。儀礼剣である以上、本来は戦闘用ではない。
外法の魔剣は黄金の刀身を持つ十字剣の形状をしており、宇宙の外へと至る鍵とも呼べる。
星の聖剣は、柄頭に青い宝石が付いた短剣の形をしている。しかし、これは封印状態であり本来の形状では断じてないのであしからず。即ち、本来は短剣ではない。
星の聖剣、外法の魔剣、共にこの宇宙の外側で造られた概念兵器である。即ち、共に全ての宇宙の物理法則をも外れた概念を宿す。真の外宇宙の兵器である。
それ故に、神々の理解の範疇を超えている。全知全能の神王ですら理解出来なかったのもその為。
聖剣と魔剣、共にこの世の物質では無い。未知の物質で出来ている。特に、聖剣にある青い宝石は未知の宝石であり神王ですら解析は不可能。少なくとも、どの宇宙に存在する宝石でもない。
・・・だが、少なくとも飾りでは無いのは確かだろう。
どのような選定基準があるのかは不明だが、少なくともこの対の剣に選ばれる基準点の一つに固有宇宙に覚醒した者である。或いは覚醒する資格を持つ者が選ばれるようだ。
或いは、覚醒出来る者でなければ使いこなせないのかもしれない。
現在、外法の魔剣は終末王ハクアが、そして星の聖剣は無銘が所持している。しかし、星の聖剣はハクアにより破壊されてしまった。しかし・・・
この対の剣は宇宙の外側に存在する未知の法則で出来ている。不滅の宝剣である。
・・・それ故、決して滅びず朽ちる事も無い。星の聖剣も破壊されたように見えただけで、実際はまだ存在している事になる。それも、恐らくは主である無銘のすぐ傍に・・・
聖剣が陽、或いは正の力を持つ宝剣であるならば、魔剣は陰、或いは負の力を持つ宝剣である。即ち対の力を持つ宝剣であり、二振りが揃う事で真の力を発揮する。即ち、太極であり対極である。
・・・ちなみに、終末王ハクアは自身の固有宇宙の力に邪神ヤミを取り込み、更にこの宝剣の力で能力を底上げして宇宙の根源から世界を再創造しようとした。
逆を言えば、それ程の事をしなければ世界を再構築する事は出来ないようだが・・・
或いは、ハクアは邪神ヤミの力と宝剣の力により自らの意思の力を底上げしようとしたのか。どちらにせよ世界の再創造にはそれ程の強い意思が必要だという事だ。
・・・まあ、それ程の強大な力に終末王ハクアの存在が耐えられるのかは不明だが。




