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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
9/70

1-8・A スニーキング・ミッション

前話のミサ視点です

それに伴い、前話のサブタイトルを少し変更しました



こんにちは、ごきげんいかがですか皆様。私は今ご機嫌です。買ったばかりの外套を揺らしながら、心と足取りは軽く、しかして懐は重く、口角がつい上がってしまうのを抑えるのが大変です。え、なにをそんなに浮かれてるのかって?聞いてくれるんんですか?それはですねーー






ーー平原から街へと戻った私は、早速【石ころ?】の納品を済ませ、この大量の野菜を誰に売ろうか思案しているところです。

ちなみに、NPCのお店に売る場合どんな相場なのか見積もりを試したところ、実に哀しいお値段でした。

まあ街出てすぐ拾えるものですし、当然といえば当然なのですが


NPCの露店が集まって市場のようになっている一角で探してみるのも手ですかね

道具屋さんや金物屋さんの近くで張っていれば、農具や調理道具を買っていくプレイヤーに会えるかもしれませんし。うん、とりあえずそれで行ってみましょう

うまくいかなかったら最悪自分で露店開いてもいいんですが、やり方も相場もわからないのでできれば避けたいなぁーー




市場に着きましたが、せっかくなので私も色々と物色してみましょうか。ウィンドウショッピング的なやつです。ウィンドウ無いんですけどね、吹きっさらしです。


ウィンドウショッピングといえば、私ほぼ初期装備なんですよね。買った装備は間に合わせの軍手もどきのみ。

せっかく高校卒業して制服から解放されたというのに、ゲーム世界で周りのプレイヤーと同じような初期装備を着ている、というのもなんだかなぁ……


初めてのクエストも色々ありましたが一応クリアして報酬も手に入りましたし、見た目(装備)を変えるのもいいかもしれませんね。

思い立ったが吉日、善は急げと申しますし、早速行動です。



「むぅ……ぬぬぬ……」


十数分後、そこには元気に唸り声を出す私の姿が……元気にってなんだ。

良いのは高く、買えるのはしょぼい。これもまた当然といえば当然、クエスト一回こなした程度で何か買おうというのがおこがましいという話だったのでしょう。

しかし、しょぼいとはいえいくつか買えるものがあるのもまた事実。私は装備欄に空きがあると落ち着かない人種なので、買える範囲内でテキトーに見繕いますか…




「あ、いいかも」

私の目に入って来たのは、黒いフード付き外套です。

装備部位は背中……ポンチョとかコートみたいに上から羽織るものって背中装備なんですね。胸あたりで交差する太めの白いラインが目を引きます。

装備効果はDEFに1、実にシンプル。無いよりは良いよね感がありますが、紙装甲の私からすれば実に20%もの上昇なわけで。

見た目を変えたいという本来の目的も達成できますし、これは買うしか無いのでは?

というわけでいざ購入、そして装備。


あれ、なんだか背中が微妙にムズムズする……あ、今の私翼生えてるんでした。

もしかしてアバター作成時に翼を大きくしてたら、装備不可……なんてことはないでしょうが、装備に干渉してシルエットがかなり不恰好なことになっていたのでは……よくぞ小さく調整してくれました数時間前の私!さすが私!


せっかくなのでフードも被りましょう。これぞまさに文字通りの角隠し!……なんて言えるほど隠せてないでしょうが、風でフードが外れにくそうなのでこれはこれで。


ファンタジーな理由でファッションに頭を悩ませるって実に良いですね。そうそう、こういうのがしたかったのです。

日陰者と煽られたり芋掘りをしたりおよそファンタジー感なかったですからねこれまでの私。



さて、私の突発的な用事は終わりましたし、ここに来た本来の目的に移りましょう。だーれーにーしーよーかーなーっと……



クワ担いでさまようエルフなお兄さんを発見しました。おじさんの可能性もありますが。

なにかをお探しのご様子、畑に植えるもので悩んでると良いなぁ……勝手な話ですが。

少し距離を開けて観察を続けていると、少し肩を落としながら去って行きました。

これはイケるのではないでしょうか。追っかけてみましょう。



追いついてみると、まさに今から耕しますといった感じの土地の真ん中で佇んでいました。土地を踏み固めるのも悪いのでそこの小山からお声かけさせてもらいましょう。


「すみませーん、ちょっといいですかー?」ーー






ーーいやぁ、実にいい人でした。

最初こそ警戒されている様子でしたが、目的を話したら快く応じてくれて、NPCに売るのとは比べられないほど多く貰ってしまいました。

しかも、しかも! オレ的にはこれでも足らんから持ってってくれ、と【薬草】と【ドクスイ茸】まで……

入手場所の情報も手に入りましたし、ホクホクです。

やはり根本的に場所を間違えていましたね。南門、覚えました。


野菜の情報はまだあまり出回っていないようだったので、私も出た門と採取方法を伝えました。平原を掘り返す人は私以外いなかったようです。

そもそも情報の多い南にみなさん集中しているんだとか。それで人少なかったんですね。……せっかくのゲーム、もっと冒険すればいいのに。


ついでに【石ころ?】も預けて来ちゃいました。あんなに野菜に目を輝かせる方なら上手いことやってくれるでしょう。見た瞬間、アレの正体に気付いてましたし。




そんなわけで今の私は上機嫌なのでした。

貰った薬草とキノコも納品ボックスに放り込みましたし、次はどこに行きましょうか。人の多いところにわざわざ行くのもいらない問題を抱えそうですし、ここは南を避けて北か東ですかね。山を見つけたいなぁ……ボロツル君にいい加減本来の仕事をさせてあげたいですし。


平原の反対、森の隣、って事で東に向かってみますか……おっと、現実世界(リアル)がそろそろ晩御飯ですね。一旦落ちますか


ではまた後で。

さくっと終わらせて次の話に行く予定だったのですが、なかなかうまくいかないものですね。話が進まなくて申し訳ない


角隠し…女性用の和婚礼衣装で、頭に被るもの。丸いのと四角いのがあるが、角隠しは四角い方。

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