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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
私のペットは閑古鳥
63/70

2-15 作戦会議と先立つものの話

久々にSFVRゲージャンルのランキング覗いたら自分の作品が載っていて、実にありがたい限りでございます。まさか週間にも載るとは(現25位)。

ここに戻ってきたなぁと実感しております。とりあえずは週三回更新ぐらいを目途に……。

あとは燃料もいただければなぁなんて。



 さくっと橋まで引き返して再びのポータル移動。いや本当にファストトラベル機能実装後でよかったですねこの事件。まさかこんなとんぼ返りする羽目になるとは……。


「お、いたいた。ノノっつぁんやーい」

「……う……ごめん」


 開口一番気まずそうな声色での謝罪をいただきました。うんまあ、気持ちはわかります。ただその辺も込みでの試し撃ちなわけでして。


「いやいや、あれはしゃーないっしょ」

「まさかの諸刃っぷりっだったからね。ドンマイドンマイ」

「そうそ。どまどま~」

「……うん」


 とりあえず一旦私の家に戻って作戦会議、ですかね。






「さて、今回の結果を踏まえてノノの今後の展望について作戦会議を行いたいと思う。みんなどうか忌憚のない意見を頼む」

「……はい」


 声とともにノノが挙手。え、挙手制?


「ほい、ノノ君」

「……とにかく私の耐久力が足りないように思う」

「うむ、その通り。まあレベル1じゃし当たり前っちゃあ当たり前なんじゃがな」

「……ただ、HPが無くなったときになんかスキル二つ獲得した」

「おぉ、おめでとう」

「二枚抜きとかやったじゃん。おめおめー」

「……ん、ありがとう。……どっちも取得条件が自傷ダメージ関係なのがなんだかなとは思うけど」


 ああ、そういうスキルもあるんですね。レベル1でデスペナルティがなかったのが不幸中の幸いかなと思っていましたが、スキル二つ獲得なら十分な成果ですよね。


「……まず【自他愛】。自分から自分と同PTメンバーへのダメージを25%減……だって」


「お、いいねぇ。今まさに欲しいやつじゃん」

「私たち愛に潰されたんだけどね」


 なんという皮肉。こういうのもマッチポンプと言うのでしょうか。


「……もう一つは【血産血消】。自傷行為を行うとそれで失ったHPの半分だけMPが回復するらしい」

「実質的にHPをMPに変換するスキルってことかにゃ?」

「そう聞くとなかなか強そう」


 特に遠距離攻撃スキルを連打する方々には有用なのではないでしょうか。

 ……戦闘中にいきなり自分の手首を噛み切りだすような絵面はあまり見たくはないですが。できれば素直にポーション飲んでください。反動でダメージを受けるような行動があればついでにMPが回復するのは良さそう、かな。わざわざ発動を狙って行動するのは効率があまりよくないのかもしれません。HPが減る以上倒れるリスクは上がるわけですし、悩みどころですよね。


 新スキルの確認はこんなところでしょうか。どちらも有用そうでなによりです。とりあえず次回からは今回ほどスピーディーにダイナミック帰宅を華麗にきめることはなさそうで一安心ですね。まあまだほんのり寿命が延びた、程度ですけど。




「そういやトワはあのスキル発動下でどんな感じだったの?HPはそこまで減ってないように見えたけど」


 一応軽く挙手しながら次の話題を提案。私たち三人の中で一番レベルが高いトワの感想は聞いておきたいですよね。


「あたしは……うーん、確かにHPはまだ余裕があった、かに。たぶんスキルの効果範囲から抜け出すまではもったと思う。動きにくくはあったけど全く動けないって感じじゃあなかったぜよ」

「なるほど。HPの減り具合はともかく、私も体感はそんな感じだったかなぁ」

「……ふたりともすごい」

「ま、その辺はさすがににゃ」

「レベル22と35だしね。装備の差もあるだろうし」


 むしろレベル1の放ったスキルに半分近く削られる私の紙耐久よ。い、いや、称号の特殊スキルが強いからに違いないですよね。うん、きっとそう。


「レベルが上がれば動けそう、ってーことはステータス次第で動けるかどうかが決まるって言い換えていいんだよにゃ?」

「多分」

「……めいびー」

「となるとどのステが関係してるのかなんじゃが……」

「STR(筋力)じゃない?」

「……AGIの可能性は?」


 ふむAGI……確かに素早さは関係していてもおかしくはないですね。動けない、動きにくいってことは速度の大幅低下と考えるのは確かに……ただなぁ……。


「トワのAGIって今いくつ?」

「装備込みで18!」

「ノノは?」

「……7」

「私は装備込みで73」

「73!?」

「……種族差があるにしてもここまでの開きがあるとは……」

「いや待て、待つんだノノっち。こやつの装備は雑にステ上げしてくるからおかしな数値になってるだけで、騙されちゃいかんぞ」

「別に騙してるわけじゃないでしょうに。人聞きの悪い」


 トワが装備込みで言うから条件そろえただけで。まあ自慢したい気持ちが微塵もなかったと言ったら嘘になりますけど。


「……ちなみに装備抜くと?」

「56」

「それでも56かー、うらやまだじぇー」


 机にほおづえつきながら拗ねるようにトワが言います。私もそっちのDEF(物理防御)がうらやましいのですけどね。大抵隣の芝は真っ青なのです。ブルーハワイ食べた後の舌のごとく。いやそんな芝は嫌ですが。


「とまあ、これだけ差があって動きにそんな差がないならAGIじゃないのかなと」

「……なるほど」

「急に自慢話始めるから何事かと思ったぜ」

「代わりにDEFは壊滅的だから」

「いくつよ」

「装備込みで37」

「……装備抜きだと?」

「13」

「レーシングマシンみたいなやっちゃな……。あ、ちなみにあっしは装備抜きで113!」

「はいはいすごいすごい。三桁うらやましいですよー」

「どやぁ……しかしこんだけ差があればあのスキル下での被ダメ差も納得かにー」

 

 被ダメージ量はそんなところでしょうね。RES(魔法防御)はそれなりにあるのにごっそり減らされましたからね私。まあDEFとRESの合算からの算出等もあり得るのですが、どちらにせよDEFが要るのは変わらないですし。

 しかしお互いピーキーな性能してますねぇ……。私がレーシングマシンなら向こうは遅いけど堅い……巻き貝?貝には……なりたくないかなぁ。


「……でも装備で24も補ってるのすごい」

「なー、言ったとおりっしょー?この娘の装備おかしいのよぅ奥さん。そこらで売ってる良い鎧でDEF+10とかだじぇ?鎧重ね着してんのかっつー」

「……わたしも装備で補ったほうが手早い?」

「あー、それができればあっしも楽なんじゃけどにゃー」

「別に言ってくれれば作るけど」


 お客は大歓迎ですよ?今ならオーダーメイド随時受付中です。


「ちなみに、ミサミサが今装備してる一式を売りに出すとしたら総額おいくらほどで?」


 ええっと……前渡したナイフの概算が30M(3000万)ぐらいになったんでしたっけ……?そこ基準にすると……あ、でもトワが洞窟の情報売って最近属性鉄の価値が下がり始めたから……でも加護とかついてるし……あー?


「わからない。多分100Mは超える、はず」

「これよ」


 親指と人差し指で輪を作りながら諦めたような声。しょっちゅう狩りに出ているならそれなりに蓄えもあると思うんですけどねこいつ。


「……なるほど」

「いや、そこそこでそれなりの装備も作れるからね」

「上見たらキリ無いのはわかるんじゃが、目の前にあるとどうしても、にゃあ」

「じゃあ出世払いでもいいけど?」

「借金漬けはなぁ……使ってるうちに修理も必要になるだろうし修繕費が……あー考えたくにー!生産者特権うらやましー!」

「……わたしがミサに借金漬けに……シチュとしてはアリ?いやでも……」


 ノノはノノで変な方向に思考が走っていったようです。戻って来なさい。一括払い限定にしますよ?


【自他愛】・・・条件:自分含むPTの複数人数を敵への攻撃スキルに巻き込む

        効果:自分から自分とPTメンバーへのダメージを25%減

        

     -隣人を自分自身のように愛せと偉い人は言った。つまり隣人を愛すには自分も愛さねばならないのだ-

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