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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
私のペットは閑古鳥
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2-4 壁端会議

もう少しペースを上げたいなぁ。




「では、私たちはこの辺で」

「ごちー」


とりなんさんの極悪秘密兵器も出たことで、お客さんも大勢来るでしょうし、長居は無用、ですよね。


「やー、助かったっす。今後ともご贔屓に。あ、そうだ。自分、お二人とフレンドになりたいんすが……いかがっすか?」

「おー、喜んでー!」


む、フレンド申請ですか。とりなんさんには今後も色々とお世話になるでしょうし、いつでも連絡取れるようになるフレンドは有難い申し出ですね。

というかフレンド機能とかハルカしか登録してなかったので、あまり意識したことなかったですねそういえば。マトンさんにも今度申請しておいた方がいいでしょうか……迷惑じゃなければ。


しかし二人目のフレンドですか。……二人目、ですか。

ぬぅ…………よし。


「あの、フレンドはありがたいのですが……一週間ほど待って貰ってもいいでしょうか」

「ミサっち?」

「んー?別に構わないっすけど……フレンド申請の取り置きとはなかなか聞かない話っすね。事情を伺っても?」


まあ、そうなりますよね。でも、そう決めたんだし、言うしかない。


「リアルの親友が、そのぐらいで始められそうと言っていたので……先にそっちとフレンドになっておきたいと言うか……すみません。」

「あー、ノノっちかー。ミサミサはそういうの結構気にするよにゃー。ま、親友その一としては嬉しくもあるけど」

「なるほどなるほど。いやはや、美しき友情模様っすねー。んだらばフラれた骨は大人しく待ってるんで、整ったら声かけて欲しいっす」

「すみません、ありがとうございます」


理解を得られて良かったです。好意を辞退するのってほんとしんどい……。あー、悪いことしたなぁ……。埋め合わせぐらいはいずれちゃんとしなければ、ですね。


「ちなみにー、なんすけど」

「はい?」


なんでしょうか。


「実はカレシさんだったり?」

「違います」


いきなりなに言い出すんですかこの(ヒト)は。


「そうそう、彼女だもんにー」

「誤解を招く言い方やめい」


性別を正す意味では間違ってないですけどね?絶対勘違いさせに行ってますよね?


「ほう、興味深いっすね。詳しく」

「へっへっへ、実はですね旦那……」


注意事項に、あまり他人のリアルを詳細に語るのはダメとかありましたよね?

まあ詳細にといっても誤情報と偏向が大量に含まれそうですが。だからセーフだと?

どちらにしろダメでしょうが。


「そろそろ通報していい?」

「オーケーオーケー、この話はここで終いだ」

「そっすね。後でフレチャで伺っても?」

「その手があったか」

「無いから」

「だいじょーぶだいじょーぶ。新しいフレとちょっと親睦深めるだけだからさー」

「そっすそっす」


不安要素しか無い。あれですよね、私のしんみりした感じを払拭しようと二人でふざけてるだけですよね?そうだと言って。


「まあこの話は一旦置いておくとして」


一旦と言わず、そのまま奥の方に片して埋めておいて欲しいのですが。


「話は変わるんすけど、お二人は西門と東門に出現した街道についてはご存知で?」

「まあいちおーは。なんか道っぽいのが出来てたよーって程度じゃけど」

「私は完全に初耳ですね」


そんなものが出来ていたとは……今回のアップデートの一部ということですよね。

そして道というからには何処かへ繋がっているわけで。行き着く先が気になりますね。


「西側の街道をずーっと行った先で、村が見つかったらしいっすよ」

「おお、めでてぇめでてぇ」

「しかも、NPCのショップ内容が全然違っててっすね、食材系アイテムが充実していたとか」


食材?食品ではなく、食材?ということは……。


「素材系アイテムが買えるんですか?」

「そのとーりっす!いやはや我々生産職には実にありがたいことでして」


この街、素材系はほぼ売ってなかったですからね……。果物売りのおばあちゃんはいましたが、トワ情報だと美味しくも不味くもない、どちらかといえばやや不味いというトラップ付きでしたし。


「まぁ、品質はC固定らしいんで、高品質の生産目指す場合は不向きなんすが」

「売ってくれるだけでも助かりますよね」

「そーなんすよ。野菜類はどっかのエルフが、そのうち品質上げて売りに出すと思うっすけど」


エルフ……?ああ、マトンさんですか。あの人なら嬉々としてやりそう、もしくはもうやってそう、ですね。


「その村で売られているのは食材だけ、なんですか?」

「その村ではそう、らしいっすね。途中分かれ道もあったんで、他の村もあるかもーって現在捜索中、らしいっす」


ふむ、村単位でテーマを決めて特産品が違うようになってる、ということなんでしょうか。

食材のみとなれば、マトンさんととりなんさんには需要のある村かもしれませんが、私は他の村を探した方が良さそうですかね。


「なるほど、有益な情報ありがとうございました」

「いえいえ、バイト代替わりみたいなものっす。あとはそうっすね……今後ともご贔屓にして頂ければいいなーなんて」

「そこはご安心を」

「あっしも他のお店知らんしにゃー」


他のお店の味も少し気になりますけどね。このお店のメニューもまだまだありますし、気安いですし、しばらくはここですかね。


「では、改めて私たちはこの辺で」

「でわでわー、ごぶうんを」

「ほい、またのご来店、お待ちしてるっすー」





だいぶ長居してしまいましたね。まあとりなんさんが長引かせた気もしますが。

しかし村ですか……気にならないわけではありませんが、私が行っても旨味が薄そうなのがなんとも。

とりあえず我が家に向かいますかね。


「んで、これからどーするん?」


私に抱えられながらトワが聞いてきます。


「うーん、その村にポータルだけでも開放しに行こうか、他の村探しに行こうかで悩み中」

「じゃー、ここであえての東門を提案するぜー」


件の村は西街道の先、でしたよね。記憶違いじゃなければ。


「なんでよ」

「東側にも街道あるんじゃろ?西側の情報は現状の捜索隊に任せて、うちらは東行って何か見つかればお得じゃし、西でいくつか村が見つかればその時まとめてポータル開けばいくない?」

「ふむ」


まあどちらの方向にも捜索隊は出ているのでしょうが、情報が出始めている方角は任せるのもアリですか。


「あとは、こっからだと東門の方が近いし」

「なるほど、じゃあそれで行こうか」

「おー!」


感想、評価、ありがとうございます。だいぶお待たせしたのに、暖かく迎えていただき感謝しております。


あといつの間にか100万PV超えてました。

嬉しいやら申し訳ないやら……今後も頑張りすぎない程度に頑張ります。

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