2-1 ねんがんの
2章開幕です。
だからどうということはなく、およそいつも通りの感じで続くと思いますが。
今後ともよろしくお願いします。
皆さまおはようございます。流石に昨日ほどではないですが、今朝もそれなりに冷え込んでいますね。
久しぶりに三人で遊び倒して帰宅した私は、友人二人との様子を話しながら晩ご飯を楽しみ、お風呂に入って早々に寝ました。楽しかった分、疲労もそれなりだったようです。
早く寝た分、早く目が覚めちゃったわけですけどね。ちなみに現在枕元の時計は5:00を表示しています。
あ、枕といえば、新しく部屋の住人となった枕くんもなかなかの働きぶりを披露してくれました。しっかりと頭にフィットするというか、時間をかけて選んだ甲斐あってかなり寝やすかった気がします。
退職される旧枕さんは今までお疲れ様でした、と念を込めながら丁重に分別して捨てました。
寝具相手に『安らかに眠れ』というのも変ですが……こういうのも釈迦に説法というやつなのでしょうか。そういえば寝釈迦、なんてのもありましたっけ。いまのこれとはなんの関係もないですが。
いや、『オシャカになる』という意味合いのスラングとしてR.I.P.を使う人もいるらしいので、案外無関係とも……思考が関係ない方向にすっ飛んでますね。やめやめ。
ゲームのアップデートは予定通り一日掛りで完了したようですね。運営の方々、お疲れ様です。
アップデートの詳細は公式のメッセージサービスから、お知らせという件名で私の携端にも届いていました。
寝起きの私は毛布にくるまりながらそれを読み進めていきます。
味覚は実装するととりなんさんから聞いて知っていたのですが、嗅覚もですか。
でも考えてみると、往々にして美味しい食事はいい匂いとセットですしね。苦手な食べ物は鼻をつまめば味がしなくなるとも教わりましたし、臭いと味は切っても切れない関係なのですね。
そして空腹度、ですか。
某ローグライク系ダンジョン探索ゲームにありがちなアレを想像しておけば、だいたいあってるのでしょうか。おにぎりとかおはぎとか食べればいいんですかね。
武具を拾って使うのはともかく、拾ったものを口に入れる彼ら彼女らは勇気ありますよね。たまになんなのかわからない液体とかも飲みますし。そりゃあお腹も壊して倒れるというものです。
拾い食い、ダメ絶対。
とりあえずは、この日のために前準備をしていた、とりなんさんのところで買えばいいですかね。蜘蛛肉は遠慮しておきたいですが。鹿肉とかイノシシ肉とか、とっつきやすいところからいきたいですよね。
それと、当たり前ですがせっかく食事するなら美味しいものを食べたいですよね。安くていいから口に糊でいい、なんていうのは私的には無いです。良きグルメライフを、って書いてありますしね。
ハルカには別の意味で口に糊してやりたくなることもありますが。
お次は安全地帯、ですか。この文面だと街等の人が住んでいる場所以外にも安全地帯とされる場所がありそうですよね。誰もいない静かなところにリスポーン地点を設定しておいて、そこからポータルを解放してある街に移動なんてこともできるわけですね。
秘密基地みたいでなんだか面白そうです。面白そう以外のメリットは特に感じないですけどね。
実際に秘密基地を建てたとしても、他のプレイヤーにいずれ発見される運命でしょうし……安全地帯の休憩所としてはありでしょうか。そこから安全地帯内の開拓が進めばプレイヤーのプレイヤーによるプレイヤーのための街みたいなものまで発展する可能性も……?
ふむ、前提としていくつか問題はありますが、実際にありえたら楽しそうなことではあります。
まあそんな先のことよりも、とりあえずは新しく行けるようになった人類居住エリアの確認からですね。
規模と数が明記されていないので、城下町周辺のいくつかの村に行けるようになった、とかありえそうですよね。
城下町へ完成した製品を卸していると考えれば、その村に行けばその素材が買える目算も立つわけでして。現状の素材不足を打破する期待も高まるというものです。主に布をください。
とりあえずアップデート内容はこんなところですかね。イベントについては近々やるとしか書いてないですし、まあおいおい出てくる情報が面白そうなら参加してみようかな、程度で。
さて、朝ご飯まではまだ時間がありますし、またちょっとだけログインしてみますか。
「あ」
ログインした私が最初に感じたのは、涼しい空気と独特の匂い、そして体に当たる水滴。
つまるところ、私の大好きな、雨です。
雨です。初雨遭遇ですね。いやあアップデート後初ログインで初雨だなんていいスタートです。しかも嗅覚でちゃんと雨の匂いも拾えるなんて……。
新調したローブにつけた耐水機能も地味に初お仕事ですね。合羽のように撥水しています。えらいぞ耐水祝福。雨が好きと言っても雨具もなしにただ濡れるままになる趣味はないので。
雨具のないプレイヤーの皆さんは極力建物の軒下を歩くようにしています。もしくはダッシュ。
とある古い映画には雨の中傘もささずに踊る紳士がいるらしいですが、体調とか大丈夫だったんですかね。あと職質受けそう。
ちなみにログイン地点はいつもの噴水前です。この街のポータル解放オブジェクトはどれなんですかね。
普通に考えると初期ログイン地点のこの噴水なのでしょうが……。
−ヘルブラウナス城下町(中央)のポータルが解放されました−
やっぱりそうだったみたいですね。噴水に近づくと数秒淡く光ってポータル解放のメッセージが表示されました。まあ他にどこも解放していないので、ポータルはまだ使えないんですけどね。
しかし瞬間移動は早く経験してみたいですね。別のポータル探しは積極的に行いましょう。
ん?ポータルに中央とわざわざ括弧書きされているということはもしかしてこの街の中で複数ポータルがあるということですか?
ちょっと探してみますか。雨を楽しみながら。
この街で目印となるオブジェクトといえば、中央の噴水を除くと教会とお城でしょうか。とりあえずは私の拠点に近い教会へ行ってみましょうか。
教会の外壁に近づくと、予想通りポータルがありました。ヘルブラウナス城下町(教会前)、だそうです。
倉庫や作業場も近いので、ここにすぐ来れるのはありがたいですね。
早速ポータル移動を試してみたくもあるのですが、先に我が家に一度寄っておきますか。
教会から南東方向に少し歩くと、幽霊さんから譲り受けたマイホームです。お店作業場付きで支払いは土地代としての税金のみ。破格です。
我が家に寄った理由は、私のリスポーン地点をここにしようかなと思ったからなのです。
外スタートよりは室内スタートの方が安心感がありますよね、やっぱり。
マップを見て拡大3D表示に切り替え、建物内部にある自分のマーカー近くをタップしてみます。
すると、『ナビ』や『詳細』などの選択肢が並び、その中に『リスポーン地点変更』を発見しました。これですね。
その選択肢をタップすると
−あなたは許可を得ています。この地点をリスポーン地点として登録しますか?はい/いいえ−
と表示されたので、迷わずはいを選択。
これでログインするとここからスタートになった、のですよね?まだ試してないのでわからないですが。
それにしてもリスポーン地点変更って許可が必要なんですね。アップデート情報にはそんなこと書いていなかった気がするのですが……。
あ、場所によるということでしょうか。ここ個人宅ですしね。見知らぬ人のリスポーン地点に勝手に設定されていたら嫌ですし。おそらくそういうことなのでしょう。
ということは権利書を所持している私が許可を出した人はここを設定できるようになったりするのでしょうか。
トワが来たらちょっと試してみましょう。彼女がここを使う分には構いませんしね。
今日はまだ寝ているのか、ログインしていないですね。ちゃんと寝ているようで大変結構。
まあ深夜にやっていて先ほど落ちたという可能性も考えられなくはないのですが。というか割とあり得るのでは?アップデート直後ですし。
まあまた午後になればお互い時間が合うでしょうし、その時にちょっと来てもらいましょう。
その後は、教会前から噴水前にポータル移動を試してログアウトしました。
ポータル移動500Gかかるんですね。
あと瞬間移動もどんなものかとワクワクした割に、ログインする時と感覚は一緒で、光に包まれたと思ったら噴水前にいました。完全にいつも通りで、新鮮な感覚は皆無でした。
場所の選定を間違えましたねこれは。
今後は二日に一回更新にしようかなと考えております。その分少し一話あたりの文字数を増やせれば、とも考えています。
とりあえず明日は更新します。




