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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
37/70

1-36 生産用生産

お待たせしました。

19時更新が最近多いですが、これ以上ケツを伸ばしても多分遅れ続けるので、18時更新を一応目指し続けます。ご容赦ください。




「ふいー、これにて完了っと」


昨日ほっぽり出した、ガビガビの毛皮をほぐして柔らかくする作業が終わりました。その数13枚。途中からほぼ無心でした。

柔軟剤入れた洗濯機が恋しいですね。毛皮に効果あるかわからないですが。



うーん、当初はこのまま革鎧の制作に入るつもりだったのですが、ちょっと革から距離を置きたい気分になっているんですよね。

気分転換に何か他の作業がしたいところですが……。


「あ、そうだ」


都会派エルフ先輩(マトンさん)用に何か作りましょうか。いろいろお世話になりましたし、横の繋がり大事って言ってましたし。プレゼント作製です。


私が使うツルハシと同じく、クワも消耗品でしょうし、それなりの出来ならあって困るということもないでしょう。

問題は、普通の鉄が無いということなのですが……。見た目がちょっとおかしくなりそうです。

四色鉄の鍬とかどういう性能になるんでしょうね。炎属性やら氷属性やら、畑仕事には無用過ぎる代物なので、耐性にするとして……。意外と熱中症対策とかになったりするのでしょうか。

水は、属性付与の方を選ぶと鍬から染み出したりするんでしょうか。初回のみ地味に水撒きいらず?いや、適切な水分量とか全然わからないので余計な機能はいらないですね。水耐性にしておけば、サビや腐食に強くなりそうですし、そうしましょう。

闇は……よくわからないのでこれも耐性で!

祝福はSTRとDEXはつけるとして、残りは一覧見て考えましょうか。道具の作製なんて初めてですし、祝福何がつけられるのかわからないですからね。

人にあげるもので実験するのは気が引けなくも無いですが、まあマイナスにはならないはずなので。大丈夫大丈夫。



そうと決まれば早速行動です。

クワのレシピはーっと……。

あ、木材要るんですね。そりゃあそうですよね。柄の部分でガッツリ使いますもんね。

そこの薪じゃダメですか?ダメみたいですね。長さが足りないみたいです。

むぅ、しかしここで諦めるというのも……一旦とりなんさんのお店に行って訊ねてみますかーー



ーー「まいどありっスー。」


とりなんさんが売ってました。樹木型のモンスターが森に出現するそうです。たしかに森ならトレント的なモンスターいそうですよね。トワが言っていた、『火に弱い敵ばっかり』の内に含まれてそうです。

ということはトワも蜘蛛糸同様木材を余らせていた……?あとで確認してみましょう。


材料が揃ったので本格的に作業開始です。

金属部分に四色鉄の鋳塊を使うのですが、これ一旦全部溶かして必要分取り分けた方が楽そうですね。そこそこ量使いますし。残りはまた固めましょう。というわけで全量炉にイン。


思えば拾った闇鉄も残り少なくなってきましたね。またコウモリと闘いに行けば取れるのでしょうか。供給が怪しい割に扱いが雑だった気がしないでも無いですが、序盤の拾い物ですからね。そのうちまた出会うこともあるでしょう。


温度管理をしながら鉄板状と四角い輪っかと角度の浅い三角の型を準備。それが終わったら水ブレスで冷やす準備です。

溶けたら取り出して型に流し込み、余った分はまた鋳塊用の型へ。

冷気ブレスを撃ち込んで氷塊を二つ作製し、水の溜まった容器に移送します。


冷えるのを待つ間に柄の作製です。と言っても、いい感じの長さに切って、持ちやすいように削って磨き上げるだけなのですが。

木材判定なので、乾燥とかの工程は済ませてあるようです。原木だったらダメなんでしょうね。毛皮でアレでしたし。


レシピの指示に従いながら弧を描くように削り、ささくれが無いようすべすべになるまで磨きます。

腐食防止の薬品を塗り込み、あとは乾けば完了です。

風ブレスの使いどころですね。

ああ、金属と比べて加工が楽……!素敵!

素直に削れすぎて力加減に気をつけないといけないほどですね。


鉄が固まったので鉄板状に固めた方の加工に入ります。鋳塊はまだかかりそうですね。形状の差でしょうか。


ハンマーで鉄板を少しずつ曲げて、クワの形に近づけていきます。力一杯やって下手に曲げ過ぎると目も当てられ無いので、慎重に少しずつ、です。


曲げ終わったら刃の部分の作製ですね。刃といっても何かを切るわけじゃ無いのでそこまで鋭さはいらないでしょうけど。

サンダーで軽く削り、いつもの磨き作業。


刃を作った反対側に金属用の穴あけパンチ的なもので穴を開け、さっきの木の棒を入れる場所を作ります。

そして同時に冷やし固めた四角い輪っかを穴に合わせて、穴の大きさを確認。四角い輪っかが鉄板をぴったり通るように削って広げます。

穴に通ったら、接着用の粉を接合部分につけて再び炉の中へ。

溶接ってやつですね。あの不思議な棒でバチバチやる奴はさすがに怖いので、こういう処理方法で助かりました。

完了メーターを確認し、取り出して水の中へ。焼き入れもできてちょうどいいですね。


冷えたらいよいよ柄の取り付けです。おや、指示通りやったのに穴のサイズが若干広い……?

ああ、ここで最後のパーツが登場ですか。角度の浅い三角は楔だったんですね。

木の棒を差し込み、空いたスペースに楔を入れ、上から金槌で叩いて隙間をなくしていきます。これでがっちり動かなくなるわけですね。

昔の人は上手いこと考えましたよね。頭いいなぁ。


これで完成ですね。それっぽくできたんじゃないでしょうか。祝福は、とりあえず予定通りSTRとDEXは取得して……氷は耐久性上昇ですね。風はAGIで。残りの枠は各属性耐性でいいでしょう。

あれ、下手な防具よりおかしい属性耐性なのでは……?まあいいか、あって困るということもないでしょう。



【四色鉄のクワ】(品質:B)(製作:ミサ)(道具)(耐久100/100)

STR+4

DEX+4

AGI+2

耐久性上昇


炎耐性+7%

水耐性+7%

氷耐性+7%

風耐性+4%

闇耐性+4%


祝福:STR+2、DEX+2、AGI+2、耐久性上昇、炎・水・氷・風耐性+4%


−わざわざ潤沢な魔力を含んだ鉄で作った鍬。普通ので作った方がよかったんじゃない?−



大きなお世話です。手持ちになかったんだからしょうがないでしょう。


さて、マトンさんに渡しに行きますか。この時間は畑ですかね。さっきとりなんさんのところに行った時は見かけなかったんですよね。


喜んでくれるといいのですが。


親友以外への初めての生産品プレゼント。果たして喜んで受け取ってくれるのか。

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