1-31 インフィニット・コンコルド
大変、おまたせしました。すみません。
評価等ありがとうございます。
晩ご飯を美味しくいただき、ここ2日ほどすぐに部屋に引っ込んでいた気がするので、適度に団欒をこなしてから諸用を済ませて部屋に戻ります。現在時刻は21時を回ったところです。
外は未だに雨模様、この感じだと夜通し降りそうですね。
さて、少しばかり遅くなりましたがログインしますか。
作業の続きをしにグルドさんの所へ。
そういえば夜になってからここに来るのは初めてですね。
「こんばんは」
「おぅ、また来たか」
やっぱりセリフ増えてますね。常連として認められたようで、なんかいいですねこういうの。
冷やしていた闇鉄も気になりますが、先に毛皮の処理から。
載せていた重石をどかし、なめし液から毛皮を引き揚げます。そこから干して乾燥らしいです。また時間かかりそうですね。
–【魔法・風(初)】を習得しました。残りSkPは4です–
祝福チャンスを逃すわけにはいかないと、つい風魔法にも手を出してしまいました。いつのまにやら条件付きスキルを除けば、残りは光と闇を残すのみですね。この2つは使うタイミング来るかなぁ……。ちょっと思いつかないですね。
まあ残りSkPがスキル一つ分まで減ったので、また貯まるまでは衝動に任せて取ったりはしないですが。
水を捨てるための大きな流し場のような場所に移動し、薪置き場に薪にする前の丸太があったのでそれを立てて並べ、その上から毛皮を被せて整列させます。
風で倒れないようにそこそこ太めの丸太を選んだのと、そこに水を吸った毛皮をひっかけるのとで地味にしんどい……!ぐぅ、思わぬ落とし穴がっ……。
準備が整いましたが、疲れたので小休憩です。
思わぬ落とし穴って言いますけど、『思わぬ』じゃなかったら落とし穴たり得ないのでは……?見えてる罠とかただの障害物ですよね。日本語難しいなぁ。
とりとめもないことに思考を飛ばし、全自動休むに似たりを敢行。疲労感が抜けたら作業再開です。
風の基礎魔法は【微風】というらしいです。掃除の時間の玄関マットじみた様相の毛皮たちにそよ風をプレゼント。ブレスは吹き飛ばさないよう、弱めを長くに調整しないとですね。何事も加減が大事と学んだのです。私は学習出来る子だと信じたい。
これまでと違って、連続して撃ち続けないといけないのでMPが足りないですね。ブレスだけでMP枯らしたのは初めてじゃないでしょうか。あと酸欠気味です。
小休憩挟んだとはいえ、肉体労働からのブレス連打はさすがにMPもスタミナも保たないですね。疲労度合いとかもしっかり再現されていて、本当によくできたゲームです。明日ログインしたら筋肉痛とかになっていても不思議じゃないですね。
小休止もはさみつつ、ゲームを始めた時にプレゼントで貰ったMPポーションがなくなる頃、乾燥が完了しました。
『無理にこの作業にこだわる必要は無いのでは?』という疑問が浮かび上がるのを、『いやでももうここまでやっちゃったし……』という損切りできない人みたいな言い訳で蓋をし続け、終わらせました。
こういうのってコンコルド効果っていうんでしたっけ。いつぞやノノがそんなようなことを、教えてくれたことがあった気がします。
あれ、学習できてないな……。
乾燥が終わったら最後の工程はーー揉みほぐしですか。このただでさえ疲労が蓄積している貧弱な龍人ボディを、さらに痛めつけに来てますね。半ば自業自得な気がしないでもないですが。
というかですね、そもそもが、なんで初めての作業でこんな大量の毛皮と闘おうとしてるんですかね。阿呆かな?
今日はなんかアレですね、冷静に思考できない日なんですかね。午前中はともかく、午後ログインしてからの思考に粗が目立つ気がします。
もう寝たほうがいい気もして来ましたが、損切り下手な私の心がまだやれると叫んでいるのです。困った子ですね全く。今ので多少冷静になったから大丈夫?本当かな……。
まあいいか。ダメそうだったら寝ましょう。
乾いてごわついた毛皮を、柔らかくなるまで揉んだり殴ったり棒で叩いたり。ストレス溜まってると感じている人を連れてきてやって貰えば捗りそうですねこの作業。というか今完全に掃除の時間の玄関マットですねこの光景。旧クラスの男子を呼んで来たい。多分彼らならノリノリでやってくれることでしょう。
とりあえず一枚終わったので、残りは後日に回します。さっき凹む事実を自覚したばかりですからね。これでまた全部やり始めたらさすがに病院行くレベルだと思います。
なめしの全工程が終わっただけあり、狼の毛皮はふっかふかです。こんなに変わるものなんですね。しばらく触っていたい気分です。まあ今後幾度となく触る機会に恵まれると思いますが。少なくとも今インベントリに入ってる分は確定ですし。
手触りを堪能したら紐にするので適当な細さで裁断します。それを4本用意し、片方を縛って束ねて編めば完成です。
長い道のりでしたが、編み紐も完成したのであとは飾りを作れば首用のアクセサリーが完成です。
アミュレットや護符みたいな感じにしようかなと考えています。牙とかも使いたいですしね。掘り出した水晶を真ん中に据えて両サイドに牙を配置するイメージです。
ただまあ、明日にしますか。今日は生産作業し通しでしたからね。これ以上の精密作業は無理そうな感じがします。
トワからもなんのアクションもありませんでしたし、私のいる場所を見てそっとしておいてくれたのかもしれないですね。
というわけでお片づけして撤収です。
「おじさん」
「おぅ、どうした」
「また来ます」
「おぅ、またな」
では、おやすみなさいまた明日。この世界的にはまた明後日、ですかね。
コンコルド効果の内容はアレですが、名前も機体もカッコいいんですよね。




