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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
30/70

1-29 カンダタそもそも落とす気だった説

おまたせしました。


評価いつもありがとうございます



「戻りましたー」

「おぅ、おかえり」


グルドさんのお店に戻ってきたわけですが、おや、いつもなら『おぅ』だけの反応が変わってますね。NPCとの友好度とかあるんでしょうか。だとしたらちゃんと挨拶していて良かったですね。

施設利用に関して何か変わるかはわかりませんが、仲悪いよりは仲良い方がいいでしょう、精神衛生上。

他の、これまで出会った街の住人NPCにもそこまでダメな対応はしてない、はず。無いといいなぁ。



さてまずは鋳塊の回収をば。


–【鉄の鋳塊】(品質C+)が完成しました。付与する祝福を選択してください–


ああ、そういえば祝福強化されてたんでしたっけ。どんなのが付与できるんでしょうか。アイテムの詳細画面から《未定》と表示されている祝福の項目に触れます。



–以下から祝福1つにつき最大2つまで選択できます–


祝福:【龍・炎】


・このアイテムを素材とした生産品に炎属性もしくは炎耐性の付与

・このアイテムを素材とした生産品に微量のSTR上昇効果付与


祝福:【龍・氷】


・このアイテムを素材とした生産品に氷属性もしくは氷耐性の付与

・このアイテムを素材とした生産品に微量のDEF上昇効果付与



選択とは。2つまで選べって言うから選択肢3つ以上あるのかと思いきや、まさかのいらない祝福があったら付けないこともできるよ式でした。私の期待を返して。

いや、まあ増えてはいるんですよ祝福。前に鋳塊作った時は属性云々だけだったので、ステータス上昇は有難いんですけどね。

スキルがまた成長すれば選択肢も増えますよねきっと。



しかし選ばないこともできるというのは意外でしたが、よくよく考えたら勝手に付くと困るという状況もあり得るわけですね。


例えば、鉄鍋を作った場合。炎属性つけたら多分焦げますよね、あのナイフの火力を見る感じだと。常時フランベしてるみたいに火柱が上がりかねません。

それで逆に炎耐性をつけると熱伝導率が低くなるわけで、使いにくいことこの上ない、と。

そういう場合はSTR上昇だけの方が使いやすいものに仕上がるわけですね。鍋振るいやすくなるわけですし。


これはこの先、何作るかの展望決めてから祝福考える必要が出てきそうです。やり方としては覚えておいた方がよさそうですね。包丁注文するかもなんて有難いこと言われたばかりですし。


まあ今回は何作るか未定ですし、全取りでいいでしょう。うわ、たかが鉄の鋳塊のくせに追加効果欄長いなぁ……。


銅の鋳塊も同じように選択とは名ばかりの全取得をキめ、インベントリに収納。あとで倉庫へしまいに行きましょうかね。


はっ、音魔法があって覚えられれば祝福で音波耐性つけられるのでは!?

スキルブックか条件付きかはわかりませんが、魔法スキルもいくつも空欄があるんですよね。音魔法があっても不思議ではないです。

これは天啓といっても過言ではないでしょう。メニュー欄からメモ帳を呼び出し、〝音魔法を探す″とメモ。出来たら人気商品になる可能性すらあります。ミトラさん悪い人ではないんですけどね、声量がね。



次はなにしましょうかね。

利用時間はまだまだあるので何か作ってもいいのですが、買ってきた蜘蛛糸についていろいろ調べてみたくもあります。

とりあえず蜘蛛糸の詳細でも確認しますか。



【森蜘蛛の巣糸(縦)】


ノトスの森奥地に棲息する大蜘蛛が作る、巣の糸。縦糸は強靭で、並の剣では斬り払うのにも苦労するほど。反面熱変化には弱い。魔力を込めることでより強靭性が増す性質を持っている。


–燃えやすいから着火剤にもいいよ–



【森蜘蛛の巣糸(横)】


ノトスの森奥地に棲息する大蜘蛛が作る、巣の糸。横糸は粘着質で、触れた獲物を逃さない。暴れるとよけいに絡みつくので、大人しく味方の救援を待とう。魔力を込めることでより粘着性が増す性質を持っている。


–これはアイテム化すると魔力ゼロになるから、安心して触ってね。自分で込めた後は自己責任だよ?–



横糸は取り扱い注意ですね。一応試しにどのぐらいくっつくのかやってみますか。

横糸を取り出して、薪の山から木片を拝借。

木片同士で横糸数センチ分を挟んで、丁の字状にします。使わない糸の残りはまた収納。

挟んだ糸を調べると、


【含有魔力量:0】と


–MPを消費して魔力を込めますか?–


の表示。ふむ、ここは思い切って私のMPを半分ぐらい突っ込んでみますか。30消費っと、てい。


「おお、瞬間接着剤みたい」


木片同士がガッチリくっついてビクともしません。これ便利ですね。縦使う時に横と間違えたら大惨事になりそうですが。

試しに金槌で叩いてみると、木片は折れましたが接着面は変化なし。なかなかの接着具合ですね。アロ◯アルファのCMみたいなこともできそうです。

こんな強力な接着剤がわりがあるなら、用途はいくらでもありそうですね。いい買い物でした。またとりなんさんのところで買わないとですね。

縦糸が熱に弱いとのことだったので、横糸でもついでに実験してみますか。ブレスやると木片ごと消し炭になるのはそれこそ火を見るよりも明らかというやつなので、大人しく【点火】を単体運用です。久しぶりですね。

しばらく接着面を炙るように火にかざしていると、ネチャア……と糸を引きながら木片が離れ、バラバラに戻りました。やはり横糸も火に弱いようです。

MPポーションを飲んで回復してから、同じように新しく糸を出して木片をくっつけ、【冷気】でも同じように実験。こちらはポロッと取れました。なるほど、なるほど。


では接着面をさらに木片で覆うと…さすがに木片が燃えそうなので氷でやってみましょう。

崩れるまでかなり時間がかかりました。具体的には途中MPポーション2本飲む休憩が入りました。これはあれですね。接着面を耐熱性のあるものでコーティングすれば装備品でも結構いけるのでは?


いろいろと考え甲斐がある素材ですね。さて、何作ろうかな。


糸の実験回でした。糸を使ってマヒルちゃんは何を作るのでしょうか。(未定)


カンダタ…犍陀多。芥川龍之介の児童向け作品『蜘蛛の糸』の主人公で泥棒。なんとなく蜘蛛に慈悲を見せたばっかりに地獄に落とされた先で御釈迦様に振り回される割と可哀想な人。

ドイツ生まれのアメリカ作家で宗教研究家の人が書いたものを翻訳されたものが大元にあるらしい。来歴も面倒。

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