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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
20/70

1-19 尖ったプレゼント

お待たせしました。

更新時間18時にしようかなぁ……



その後、少し休憩してとりあえず残りの鉱石二つも精錬し、冷めるまでどう時間潰そうか考えていると、トワがログインしてきました。

ちょうどいいタイミングですね。噴水広場へ移動し合流します。


「やあやあ、おっはよーぅ」

「おそよう。もしやずっと寝てたの?」


現在リアル時間は17時になろうかという頃合いなのですが。


「まっさかー。いやーあたしも起きてすぐこっち来たかったんぜよ。ところがどっこい妹の買い物にドナドナされちまってにゃー。まったく、修学旅行の準備なんて気が早いっての」

「はは、おつかれ」

「おつありー」


二個下の妹さんも変わらず元気そうですね。


「んでー、ミサっちはなにやってたん?それこそまた称号でも増やしてみちゃったり?」


冗談めかして言いますが、個人的には当たらずとも遠からず、って感じなんですよね。受けた衝撃度合いとしては。せいぜい驚かしてやるとしましょう。


「まさか。スキル弄って鍛冶試してただけ」

「おおそっかそっか、なんか謎本と謎鉱石拾ったもんね。ならば詳しい報告を聞かせてもらおうかのう」

「ここじゃなんだから、場所変えよ」


周りに人が結構いますからね。別に私たちの会話に耳をそばだてている人がいると思ってる訳じゃありませんが、率先して流したい情報というわけでもないですし。静かなところで話した方がいいでしょう。


「かまわんのじゃが、どっか個室とかあったっけ?」

「こっち」


言いながらトワを抱えて移動を開始します。

現状、私に使える個人的なスペースなど、あそこしかないですからね。



「おお、さすが生産職」

「結構使いやすかったよ。お店の人もいい人っぽかったし」

「ほほーぅ」


本日都合三度目のグルドさんのお店へ。残り使用時間が2時間ほど余っているので、おしゃべりする個室としてはちょうどいいでしょう。ほかに使用者もいませんし、一応生産作業中という建前もありますし。冷め待ちしてるだけですけど。


「それで、スキルブックについてなんだけど」

「ほむほむ?」

「覚える権利が解放されるだけだった。開放時に一応SkPは2点くれたけど」

「そこは3点欲しいにゃあ……」

「ね」


多分9割がたの人は同じ感想だと思います。


「あとソナーは、魔力を放って地形の把握だった。まだ試してないけど」

「ほうほう、使い所選べばなかなか便利そうじゃの」


裁縫についてはまだ黙ってましょう。どうやるのかもわからないですし、そもそもプレイヤー本体じゃなくて、それが操ってる人形用の服って……冷静に考えると難易度高くないです?


「それで、次なんだけど」

「うむうむ、鍛冶はどうだってん?」

「これあげる」


プレゼント機能でろくな説明もせずにトワの前に置くのは例のナイフ。剝き身です。

オトメからオトメへのプレゼントにおよそ似つかわしくないなぁ。こんな世の中に誰がした。


「は?なんじゃこら」

「なんかできちゃった」

「いやいや、いやいやいやいや」

「笑えるでしょ」

「いとおかし」


もはや笑うしかない。


「プレゼントフォーユー」

「売ればいいのに」

「相場がわからん」

「よっぽどじゃなければ言い値で売れるじゃろ」


100万とか言っていいんでしょうか。買いたい人がいても現状そんなに稼げてないんじゃないかと。


「まああれよ、記念すべき第1号だし、受け取れ」

「んじゃ遠慮なく。あーあ、今後たかる予定だったのににゃー」

「お返し期待してるね」

「押し売りって知ってるかい?」

「ひきわりなら」

「納豆か」


とりあえず押し付けることには成功しました。私より戦闘する人が持ってた方がナイフも喜ぶでしょうし。


「んで、これどうやって作ったん?祝福とかヤバげなものついてるけど。わからんけど、生産したら誰でもこうってわけじゃないんじゃろ?」

「なんかブレス吐くとそうなるらしいよ」

「まずブレスの説明をしなさい。先生怒らないから」


それ言うと絶対怒られるやつじゃないですか。言わなくても怒られるという恐怖の袋小路。


「昨日私魔法覚えたでしょ?」

「あーなんか火が出てたね」

「あれに向かってふーってやったら、【龍の吐息】ってスキルになってさ」

「わけがわからないよ」


私もわけわからないんですよね。製作者は何を思ってこんな設定にしたんでしょうか。


「それで、バーナー代わりに炭に火をつけたりするのに使ってたら、【龍の祝福】ってスキルも生えてきたのよ」

「スキルって勝手に生えるんだ……」

「だからトワも色々やってみるといいよ。多分なんか生えるから」

「お、おう。さすが変態どもの作ったゲームじゃの……」


あ、ノノの話もここでやっちゃいましょうか。最初はなんとか通話で、と思っていましたが。


「話は変わるんだけどさ」

「まだあたしを驚かせ足りないのかねミサ君は」

「そうじゃなくて。来週ノノとどっか遊びに行かない?って話」

「あー、ふむ。ふむふむ。いいね、行こうか」


何があったか、大体のあたりをつけたみたいですね。それで多分合ってますよ。


「ノノ寂しがってた?」


ほらね。


「口には出さなかったけどね。まあ口に出すことの方が少ないけど」

「あはは、確かににゃー。さすがはミサっちの観察眼ぜよ」

「ん? トワには及ばないと思うけど」

「いやいや、あたしもある程度読めてると自負してはおるのだがね?ノノっちに関してだけはミサミサに敵わんなーと感じているのだよ」


これは意外な言葉をいただいたものです。


「そうかな?」

「はっはっは、その辺は側から見てる方がわかりやすいかにゃ。知らぬは本人ばかりなりってやつじゃよ」


それならハルカも本人側なのでは?


「まー、どっか行くのはおっけーとして、どこ行こっか?」

「どっかいいとこない?」

「丸投げかー」

「そっちのオススメ外れないし」

「外れそうにないからオススメしてるんじゃよ?」


それもそうですね。目から鱗です。


「んー、電車でちょっと出てテキトーにぶらつくコースでいい?」

「任せたのはこっちだし、トワの案なら大丈夫でしょ」

「あっしのレパートリーも増やしたいんじゃよ。そっちもたまには案だしてくれぃ」

「そのうちね」

「うーわ不安じゃー」


そのうちですよそのうち

喋った方が楽しいけど話が進まず、一人の方が話が進むが転がし方に悩む。難しいですね

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