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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
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1-2 お前らの星

ブクマってこんなに嬉しいものなんですね。ありがたやありがたや




「ただいまーっと…あぁねむ…」

あのゴリラに六文銭請求されそうな通話から一週間経ち、私の手元には簡素なレジ袋が。

マイバックなんてわざわざ言うまでもなくおよそ持ってて当然感溢れてるこのご時世、手にしたのはいつ以来でしょうか。そういう意味でも得難い経験でしたね、お代はこの微妙な眠気と疲労感

買ってきた商品の確認もせず、寝床に潜り込みます。お日様がやや高くなってきたとはいえ、これから一日中この眠気に抗うのは辛そうです。あぁディアマイおふとん…

これも全部あの頼れるあんちくしょうのせいだ…うつらうつらとこれまでのことを思い出しながら、一番身近な仮想現実へと行ってきますおやすみなさいーー




ーー「VRMMO?」


携端越しに聞こえたハルカの言葉をついおうむ返ししてしまいました。聞き慣れない単語だったので。 MMOモノ自体は昔ちらっと触ったことがあるんですが…


「いえーす。VR(仮想現実)な MMO、つまりはVR世界でみんなでワイワイ楽しくやろうぜってシロモノなのだよ」

「ふむふむ、そういや学校の情報の時間に最近のVR技術はスゲーぞとか田中(先生)が言ってたっけ。自分の考えた通りに動かせるから医療やら工事、競技とかのシミュレーターとして活躍してるだかなんだか」

「あれ、そんなことあったっけ…」

「まあ私の前の席の住人は別のVRに熱心だった(熟睡してた)からね。白板がおかげで見やすかった」

「感謝してくれてもいいんじゃよ?」

「ソウダネアリガトー」

「……まあそれはさておき、とある変態がそのVR技術に目をつけた。ついにVRMMOの時代が来た!ってね、それというのも、これまでの家庭用VRじゃ『コントローラ抱えて視界だけVR』か『身体と動きを連動させて狭い部屋で暴れた結果タンスの角の餌食になる』かの二択だったのだよ」

「それ実質前者の一択なんじゃ…」

「いや一応後者も少数派ながらいたんじゃよ。主に富裕層な方々が」

「ああ、部屋が広いのか……」


もしくは専用のプレイルームとかあるんでしょうね


「いえーすざっつらーい。羨ましいこったぜ全く。とまぁ没入感的に仮想現実と呼ぶには程遠い環境だったのが、寝っ転がって成したいことをイメージするだけでできるようになっちゃった。んで、我が世の春が来たいや来させてみせると一人の勇者(へんたい)が立ち上がり、勇者の下に頼りになる仲間(へんたいども)が集いに集って妄想爆走濃縮還元された血と汗と涙とあと涎とかその他体液的なものの結晶が出来ましたとさ。その名もぉ『Your planeT』ぉ〜!てんてけてってってーってってー」

「不純物混入しすぎだし未来型青ダヌキっぽく言うなし」


異物のせいで若干やる気が失われるのですが


「ちなみに若干オーバーテクノロジー気味になっちゃったらしいぞ☆」

「本当に未来のアイテムなの…」

「まあ噂レベルなんだけどさ。この企画のせいでVR周りの技術が数十年レベルで底上げされたとか」

「凄すぎて逆に引くわ」

「古来より、げに恐ろしきは人の欲とはよく言ったもんでして」


歴史は繰り返されるものなのでしょうか


「んでんでー、そのベータ版が去年行われてー、ついに正式サービスが一週間後まで迫り来てるぜーって感じなのだよ」

「そこに私がのこのこやって来たと」


まあ確かに渡りに舟と言った感じですね。ある種の異界に行くという意味では、六文銭もあながち遠くなさそうですが


「じゃあ一週間後までにプレイ環境整えとけばいいのね。それで当日ダウンロードしてプレイと」

「いやいや何をおっしゃるマヒーさん。データ購入なんてこのロマンの塊に相応しくないとあたしゃ思うんだよ。いや形あるものを欲したマヒルにも分かるはずだ。こればっかりはパッケージ購入が正義だと!」

「分かるような分からないような……」


まあハルカがそうしたいというなら付き合うのも吝かではないのですが


「そんなわけで、当日朝4時半に駅前の謎オブジェ前集合ね!」

「……はい?」




ーー電気屋さんってあんな早くからやってるんですね……

次からいい加減VRMMOします。


早朝売りーー本来の開店時間とは別に、混雑が予想される商品等を早い時間から売り出すこと。日付が変わった直後に売り出す『零時売り』というのもある。ハルカは本当はこっちに行きたかった模様

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