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我が征くは職人(忍)道  作者: あらじる
ことのはじまり
15/70

1-14 本日も晴天なり

リアル回

評価や感想、ブクマ等ありがとうございます。




皆さんおはようございます。マヒルです。昨日の夜更かしのせいかいまいち頭がすっきりとしません。眠いです。

なんとか起きて、2日連続の朝ごはん抜きこそ回避したものの、正直なところ布団の誘引力に抗える気がしません。春眠暁を覚えずとはよく言ったものですね。

清少納言も明け方がいいとかカッコつけたこと言ってますけど、きっとSNSの更新とかやってて夜更かしのしすぎでたまたまようよう白くなる山際を見たんですよ。多分あのあと寝てますって。あの人そういうことしそう。


我ながら意味のわからない思考をこねくりはするものの、眠気の霧が晴れる気配はなし。簡単に治す方法は知ってるんですけどね。規則正しい生活は、明日から実践ということで……おやすみなさい。




なんだかんだ理由をつけて規則正しい生活できない気がしますね。二度目のおはようございますです。

あと2時間ほどでお昼ごはんなので、ログインはそのあとにしましょう。


躊躇なく1日の予定にログインを入れるあたり、見事にハマったなぁと実感します。ハルカは本当にいいものを紹介してくれやがりましたね。時間の使い方に注意せねば、日がな一日布団の上で寝っ転がってるだけになってしまいます。……流石にそれはね。

というか実質食っちゃ寝生活って間違いなく体に良くないですよね。体系的にも、健康的にも。


というわけで、日を浴びてきましょう。具体的にはジョギングと散歩の合いの子ぐらいで。

【日陰者】保持者として()()()()()()()行動を心がけていきましょう。

いってきます。




探知もなく採取するものもなく、そもそもマップ表示もないのでぶらぶらしていると、駅前まで来てしまいました。いつも通り謎オブジェが見えます。

……改めて眺めてみたものの、アレ本当になんなんでしょうね。駅と周辺の広場を新しくする際に、高名ななんたら某さんに頼んだとか言ってた気がしますが。うーん……芸術屋さんの考えることは私のような凡俗には到底理解出来そうもないですね。


などと休暇がてら眺めているとーー


「あれ?」

「あ」


ノノが通りがかりました。


「おはよ」

「おは」

「お出かけ?」

「……お出かけってほどじゃない。そこの本屋に用があっただけ」

「なるほど」


電子書籍なるものが登場・普及してから半世紀ほど経ちますが、昔ながらの紙がいいという人もまだまだいるそうで。われらの町の本屋さんはしぶとく生き残っています。

ノノは本好きで、そんな紙の本を買ううちの1人です。本人曰く、父親の趣味が伝染(うつ)ったんだとか。

私も小説とかはたまに読みますが、もっぱら携端でデータ買いですし、読む量もノノには到底及びません。

ノノも基本的には電子書籍を読むのですが、読んで気に入った本は手元に紙で置きたいそうで。今日ここにいるのもそういうことなのでしょう。


「なにか気にいる本あったの?」

「……マヒルも前好きって言ってた鮫川くじらの新シリーズ」

「え、うそそんなの出てたの?あとで買わなきゃ……」

「相変わらず面白かった。オススメ」

「ほうほう。いい情報ありがと」


これは期待も高まるというものです。ノノが紙で欲しがるということが何よりの証拠ですからね。


「マヒルは?」

「ん?ああ、昨日は実質一日中布団で寝てただけだから、軽くでも運動しないとーって。ぶらぶらしてただけだけどね」

「……ユアプラ、楽しい?」

「楽しいよ。ただただ圧倒される、って感じも多いけど」


想い描くばかりだったファンタジーな光景が触れる位置あるというのは、本当に革新的ですよねぇ。


「むぅ……」

「ノノは二週間後だっけ?」

「うん。……遠い」


あー、昨日のメッセージで想像してたよりも落ち込んでますね。こういうのがあるからメッセージへの苦手意識が拭えないんですよね……


「来週あたり、ハルカ捕まえてどっか行こうか」

「……そんな気を使わなくていいよ」

「いや、気を使うだけじゃなくてさ。あいつどうせ引きこもってゲーム三昧だろうから、日干しさせる」

「今のマヒルみたいに?」

「そ。だから来週、光合成に付き合って」

「……そういうことなら」


まったく、こういうのはハルカの領分なんですが。


「来週は空いてる?」

「暇。……むしろ暇じゃなかったとしても暇にする」

「いや、用事あるならちゃんと言ってね」

「大丈夫」


そういうならいいのですが……早めに決めないと期待が重いですねこれ。


「じゃあ、ハルカ捕まえたら連絡するね。もしかしたらあっちからの連絡になるかもだけど」

「わかった。…………マヒル」

「ん?」

「……ありがと」

「きーにしなさーんなーって」

「あんま似てない」

「これは手厳しい」

「じゃあ」

「ん。じゃ」


そう言ってノノと別れました。

ふむ、行き先はハルカに丸投げするとして、電話をかけて果たして取ってくれるかが問題ですね。寝てるかログインしてるかでしょうし。モーニングコールを仕掛けるのも一緒に夜更かしした身としてはあまり気が乗りませんね。

まあ一応一回鳴らして着信履歴だけ残しておけばあとで気付くでしょう。最悪ログイン先でけーたん見ろオラァって言っとけばいいですし。

うーん、連絡つきにくくなるのはこのゲームの難点ですね。まあ始まったばかりですし、おいおい改善されていくでしょう。



ハルカ宛の着信を一回鳴らし、散歩を再開しました。

街路樹の蕾がだいぶ膨らんでいるものや、フライング気味に咲いているのを眺めながらぶらぶらと。春ですねぇ。

その後は特に何か起きることもなく、いい時間になったので帰宅。

着替えてお昼ご飯をいただきます。ちなみにメニューは予想通りのドライカレーでした。




さて、ログインしますか。


仲間外れはさみしいって魔法少女も言ってた。


鮫川くじら…小説作家。あまり有名ではないが独特な語り口や世界観でノノとマヒルの間でブーム。

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