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方向音痴の勇者と音痴の吟遊詩人がへっぽこパーティを組みました  作者: アルル 名前なんてただの記号
魔王の花嫁編
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アシュリー

「もう、限界かのぅ」


 アシュリーは腰をぽんぽんと叩いた。その口調と同じで、まるでおばあちゃんの動作のようだ。


「妾は、もうダメみたいじゃな。魔王というのは煩わしいものだのぅ。もう一度、ヘルンに会いたかったのぅ」


 アシュリーの周りから真っ黒な煙のような炎のようなものが出始めた。


「妾は、妾でなくなるのだな」


 アシュリーは厳密には、魔王ではなかった。そう、魔王になるということは、その身を、ある存在に乗っ取られることをいう。


「貴方は、歴代トップで抗いましたよ。誇りに思っていい」


 そこには、アルバがいた。


「ヘルンを守ってほしい」


「あの方は、勇者一行の魔法使いです。倒すべき相手。魔王様は、容赦しないでしょうね」


「やめてくれ。後生じゃ」


「私の意思で決められることではありません。魔王様は、酷くお怒りのようです。長年、貴方がその身体を明け渡さなかったから」


「ひとつだけ、教えましょう。貴方だけができる最終手段を……」


 アルバはアシュリーの耳元で囁く。


 アシュリーの瞳から涙が溢れて零れる。次の瞬間、アシュリーの青かった瞳に赤い色が宿った。


「まったく! 忌々しい! この身体、贄のくせに私を長年封印しおって!」


 紫の髪がなびくが、そこにいたのは、アシュリーの姿をした別のものだった。


「この幼女のような外見も気に入らん。だが、外見を変える魔法が使えん。強固な変更不可魔法がかかっている。忌々しすぎて、自分の身体でなければ、嬲り殺しているところだ」


「魔王様!」


「おぉ、アルバか。久しいな。元気にしておったか?」


「貴方様の帰りをずっと待ち続けておりました」


 魔王は、アルバの両頬を片手で鷲掴む。


「ふん、魔族風情が。だが、待っていたことに免じて魔力を分けてやろう」


 アルバは、恍惚の表情を浮かべた。

魔王様は赤い瞳でした。そこだけ修正。

アシュリーは紫色の髪、青い瞳です。

魔王様は外見と髪の色は変えることができなかったみたいです。

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