表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
方向音痴の勇者と音痴の吟遊詩人がへっぽこパーティを組みました  作者: アルル 名前なんてただの記号
魔王の花嫁編
56/72

君の頼み

「それで、なんで我を探してたのであるか?」


 “君”はじっとヘルンの顔をみていた。


「えっと、それがじゃな……どこかで座って話さんか?」


「そうであるな」


「あ、少し歩いてもいいかのう? 服がびしょ濡れなんじゃった」


 ヘルンは”君”の服に手を触れた。両手で肩に触れるようにだ。ヘルンは常人が聞き取れないような呪文を口にした。


『乾け』


 風の魔法で服を乾かした。


「風邪を引いたら困るのである」


「うぅう〜」


 顔を赤く染めた“君”がヘルンに抱きついた。


「うれしいのじゃ〜」


 ヘルンはとても困った顔をしていた。抱きつかれて目を白黒させていた。


「妾に魔法を教えてくれんか? 妾ができるのは、街をひとつ吹っ飛ばすとか、でっかくて使い勝手が悪い魔法ばかりなのじゃ」


「それは、それでいいのではないであるか? 逆に我は、街を吹き飛ばすことはできないのである」


「妾は、いろんな魔法を使いたいのじゃ! 家庭教師を依頼する! それなら受けてくれるじゃろ? 冒険者ギルドを通してもいいぞ!」


「そこまで言うなら……」


「お主の魔法の腕前は、噂になるほどなのじゃ! 期待しておるのじゃ!」


「はぁ……」


 反応は薄いが照れているようだ。ちなみに、勇者パーティという噂は一個も流れていないので、ただ単にヘルンの魔法使いとしての実績がちゃんと評価されているようだ。


「ああ、そうじゃ、妾の名前はアシュリーという! よろしくなのじゃ」


「我はヘルンなのである」


 ここから始まる異世界生活……じゃなくて、たぶん、ここもう異世界だから。異世界だけど、ヘルン達にとったら普通に本世界だから。


 と、まあ、これから二人の話がはじまります。

 


 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ