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方向音痴の勇者と音痴の吟遊詩人がへっぽこパーティを組みました  作者: アルル 名前なんてただの記号
森の泉の女神編
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機械と人間の心

「この感情はなんなんだ」


 ゲイルは悩んでいた。この前から自分はおかしい、と感じていた。


 世界が色めく。ずっと、その人のことを考えてしまう。


 特に火竜の加護を受けてから、おかしいのだ。事故で身体を半分持っていかれてから、半分は機械の身体になった。まるで世界が灰色で色もなく、自分の感情が動くことなどなかった。自分に心があるのを忘れるくらいには、喜怒哀楽はなかった。しかし、火竜の加護はゲイルに人間としての心を取り戻させたようだ。


 そして、今までの反動なのか、不思議なくらい自分の感情が動いているのがわかる。この、マールに対する感情は、一番鮮やかで、一番厄介だ。その思いがなんなのか、ゲイルは予想はついているようだが。


 そして、昔の感情も蘇ってきている。


「ただの機械の方が楽だったな」


 科学者としての探究心。研究したい、という思いが湧き上がってくる。冒険には似合わない思いだ。なぜなら、常に移動し、魔物と戦いうのに研究などできない。


「ど〜う〜した〜の〜?」


「なんでもない。俺は、人間だったんだと思って」


「最近〜、ゲイル〜は〜変わっ〜たわ〜ね〜」


「どう変わった?」


「前は〜人間〜の心〜が感じ〜られ〜なかっ〜たけど〜、今〜は〜ちゃ〜んと〜した〜心の〜あったか〜い人と〜話してる〜みたいだわ〜」


「前がどんだけだったんだとは思うが、いい変化か?」


「そ〜うね〜前より〜いい〜かも〜?」


 そうか、と言ってゲイルは笑った。その表情は、機械の身体になる前のゲイルの表情だった。


 何故かその表情にマールはドキッとしてしまった。胸にある宝石の中のティトリーが喜んでいる気配がした。


 ただ、残念ながら、この二人の恋バナはここまでだ。僧侶は結婚しないのが原則だからだ。能力を失う危険性が高いからという理由だ。僧侶に女性が少ないのも理由の一部かもしれない。


「先は長いだろうし、しばらくは、このままだな」


 ゲイルは自分の思いを封印した。冒険が終わるまでは、マールへの思いも、研究への探究心も成就することはないだろう。


「表情が〜人間〜ね〜」


「機械から人間に戻ったみたいだ」


「え、何、二人いい感じなの?」


 アルルが驚愕の表情で近づいてきた。移動中、歩いている最中だ。先頭にコンスとアルル、真ん中にヘルン、しんがりが、マールとゲイルのことが多い。


「あ〜ら〜? 僧侶〜は〜恋愛〜禁止な〜のよ〜」


「マールは、恋愛してもその能力は失わないでしょ? だったら、恋愛しなきゃ! 恋せよ乙女、少年老いやすく、だよ」


「おーい、アルル?」


「ほら〜、保護者〜がきた〜わよ〜」


「なんなんであるか〜?! このパーティには春が来てるのであるか?! 爆発しろーである!」


 真ん中に挟まれたヘルンは悲しんでいるのだった。君にも春が来るから、期待して待ってるといいよ、たぶん。


間違って投稿してて焦った。

真面目な森の泉編はここらで終わり。

アリシアの話をもう少し書きたいかも。そしたら、ここの最後に入るかも?それか、番外でやるかも?


あと、本編は番外編を飛ばして魔王の花嫁編です。割り込み更新した関係で森の泉編の後半は最新話として投稿されなかったみたいです。ご注意を。

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