機械人形レイア
『皆様、よくこの東の隠れ都市にお越しクダサイマシタ。来客が少ないので、ワタクシはとても嬉しいデス。何かご質問はゴザイマスカ?』
「はーい! なんでこの都市はこんなに発達してるんですかー?」
『その質問はこの都市の成り立ちを説明する必要がゴザイマス。この都市は隠れ里として外との接触を避け、独自の文化を形成してマイリマシタ。もちろん、独自に発達することなど叶イマセン。ここには、宇宙から生命体が墜ちてキタノデス』
「なんか、一気にぶっとんだ感じになったなぁ」
「僕はもう、ついていけないよ……」
アルルはぼやき、コンスは溜息をついていた。
『とても文明の進んだ星からの生命体だったので、この都市は短期間で発達に発達を重ネマシタ。誰も想像もデキナイクライ』
『ただ、誤算だったこともアリマシタ。それは、進みすぎた文明は必ず滅ぶトイウコトデシタ。些細なことから争いが起こり、小規模な核爆発が起こりほとんどの人間は死ニマシタ。長く生きていた初源の生命体もその時、身体を失イマシタ』
『我がマスターの幼馴染のゲイルさんも、その戦いで半身を失イマシタ。文明の発達によって機械が失った半身の代わりを今もシテイマス。この都市の人間は初源の生命体の血筋がほとんどです。その血もゲイルさんを生かした要因だったと言えマス』
「え、コレ、ゲイルの生い立ち話だよね? 途方もないレベルの話になってるんだけど」
「知らないよ。助けてほしいのは、僕のほうだよ」
『質問を変えマスカ?』
「発達の理由はこの宇宙からの生命体の影響です~って言われてもなぁ。お話としては、面白くもないしな~」
「まず、その生命体を受け入れられないよ」
「ゲイル~はど~うし~て~半身~を失っ~た~の? 状況が~知り~たい~わ」
マールにしては少し早口だった。
『ワタクシではその話をする権限がゴザイマセン。マスター及びゲイルさん本人にキイテクダサイ』
マールは目に見えては何も思っていなさそうだった。だが、内心はがっかりしていたのかもしれない。ゲイルのことが知れる機会を失って。
「そうか~じゃぁさ。レイアはどんな機能があるの?」
『アルルさん、ワタクシはおしゃべりに特化したロボットデス。それ以外の機能を持ち合わせてはオリマセン』
「え、その機能しかないの? 外見はまるで人間みたいで、他のこともできそうなのに」
『マスターがそれを良しとはシマセン。それがマスターの望みなら、ワタクシはそれを実行するノミデス』
「大事な人だったのかな。あなたは」
『それを回答することはデキマセン。なぜなら、その記憶はワタクシにはナイカラデス」
「この都市に魔法はないのであるか?」
ヘルンだった。久しぶりに声を聞いた。
『魔法はアリマセン。なぜなら、宇宙からの生命体は魔法を知らなかったカラデス』
「この都市は変だ。魔法の気配が全然しない。意図的に遮断しているんじゃないのであるか」
『そうだとオモイマス。なぜなら、この都市が機能するのに魔法は邪魔ダカラデス』
「そういえば、精霊の気配も希薄だ!」
『そうデスネ。精霊全てをシャットアウトしてしまうと、人間は生きることができないデスカラ、魔法のみ遮断してオリマス』
「だから、ここは隔絶されているんだね」
『マスターは言いマス。ここは、この世界にあってはならない都市だと。他文明に汚染されてイルト』
「だから、表舞台には姿を表さないんだね」
アルルは考え込んでいた。
「話は面白かったかい?」
『マスター!!!』
「レイア。ちゃんとお相手できたかい?」
『モチロンデス!』
「彼女のモデルは、僕の恋人だったんだ。ロボットの研究していたんだ」
「まさか……」
「死んだよ、この都市が核爆発を起こした時にね。自分そっくりの機械人形を残してね」
『……受信中……初源の生命体より伝言デス。中央の鎮魂の塔まで来てほしいそうデス』
「初源~の~人~は~死~んだ~んじゃ~な~い~の~?」
「肉体が滅んでも生命体として精神だけ残っているよ。中央の塔にいる。肉体がないから、もう動くことはできないけれど、精神と話はできるよ。ゲイルのメンテナンスはまだかかりそうだから」
「楽しみ! 地球外の生命体と話ができるなんて!」
「僕は怖いよ。何を言われることやら」
アルルとコンスの反応は正反対だ。
「さぁ、初源の生命体に会いに行こう!」
次の次の話をブログで更新しているのですが、一旦全部消えて、書く気力が失われました(笑)
正直、どこを更新してるのかわからなくなってきます(笑)
もっと進めたかったのに、やらかしマンボウ…




