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方向音痴の勇者と音痴の吟遊詩人がへっぽこパーティを組みました  作者: アルル 名前なんてただの記号
炎の竜編
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バイト探しの旅

「全~然~みつ~から~ないよ~!」


 アルルが叫んでいた。


「はっ! マールのしゃべり方が移ってる!」


「私~の~しゃ~べ~り~方~を~病原菌~み~た~い~に~言~わ~な~い~で~く~れ~る~?」


 マールがアルルを睨んだ。これがこの二人の通常業務だ。


「ここに仕事なんてあるわけなかった! だって、前回コンスとも散々まわったんだった!」


「困っ~た~わ~ね~……冒険者ギ~ル~ド~の~受付嬢~に~聞~い~て~み~る~の~は~ど~う~か~し~ら~? ア~ル~ルに~は~冒険者~と~し~て~の~道しか~な~い~気~が~す~る~わ~」


「わかった、行こう!」


 二人は冒険者ギルドに向かった。


「こーんにちはー!」


「あら、いらっしゃい。今日は何の用かしら?」


 NPCのような受け答えだが、この世界にはNPCはいない。


「仕事くれ!」


「ア~ル~ル~? い~き~な~り~失礼~よ~」


「実はカクカクシカジカで…」


「カクカクシカジカ?」


「ア~ル~ル~? 本~当~に~言って~ど~う~す~る~の~? そ~れ~は~、事情~を~説明~す~る~時~の~省略~じゃ~な~い~?」


「このお姉さんなら分かってくれるかもと思って(笑)」


「ア~ル~ル~が~ふ~ざ~け~て~ご~め~んなさ~い~ね~、実は……」


 カクカクシカジカ!正しい使い方!


「まあ、そうだったんですか。何かお手伝いできたらいいんですが……あっ!」


「何々?! なんかあった?」


「レンタル冒険者っていう制度ができたんです!」


「レンタル冒険者?」


「なんらかの理由でパーティに欠員ができた場合、レンタル冒険者に登録した冒険者に賃金を払ってレンタルするんです。アルルさんは珍しい風使いなので、重宝されると思いますよ。あ、登録は吟遊詩人ですが、風使いの能力をみせれば、いいと思います」


「それだ! 今すぐ登録する!」


「今だと、結婚する剣士と拳闘士のために幻の枯れない花を見つけるクエストがありますよ。吟遊詩人でも大丈夫ですが、助っ人が二人のクエストなので戦闘能力の高い方を一緒に連れて行ったほうがいいかもしれませんね」


『コンス!』

『コ~ン~ス~!』


 アルルとマールの声が重なった。


「コン~ス~は~前~か~ら~建設現場~の~仕事が~合って~い~な~かった~み~た~い~だ~か~ら~、いい~か~も~し~れ~な~い~わ~」


 マール姉さんは、ゲイルからいろいろとコンスがやらかしていることを聞いていた。人柄がいいのでクビにはならないが、力仕事は合っていないようだった。


「コンスも連れてこよう! 受付のお姉さん、報酬は?」


 遜色のない値段を彼女は答えた。アルルのお目めが¥になった。


「決まりだね! ありがとうマール!」


「私は~たい~した~こ~として~な~いわ~。そ~よ~り~も、冒~険に出~てから~の方が~大変~よ~! 頑張~って~ね~」


 アルルはマールに抱きついた。姉と弟(アルルは少年にしか見えない)のようで、仲のよい家族のようだった。


 今までの冒険で二人は正真正銘、パーティの仲間になっていたのだ。



マールの発言を入力するのが大変です(笑)

さてさて、次回は、アルルとコンスの大冒険+αの大冒険(αの位置が逆w)

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