天才鍛冶師エルク
彼はその高貴な剣と向かい合っていた。
『きっと君は僕の想像できないほど強い敵を切ってきた。素晴らしくて強い剣なんだ』
「この剣を復活させられること光栄に思う」
エルクはまるで戦に赴く前の戦士のような顔をしていた。
「この剣は手強そうだ。まるで百戦錬磨の戦士を相手にしてるみたい。下手なことしたら、僕の方が切られちゃう」
本当は研ぐだけでいいはずだった。だが、長年の経年劣化が酷すぎる。芯はまるで新品のようなほど残ってるのに、周りは欠損している箇所が多過ぎた。まさに、ボロボロに崩れているのだ。
「綺麗に研いで、その後に欠損した箇所を新たな鋼鉄の殻で補修するしかない」
鋼鉄の殻の特色として、同じ物質に吸着し馴染み、まるでそこに元からあったかと思うほどの出来になる。鋼鉄の殻で作ってある剣であれば尚更た。
火で高温に熱し、伸ばしたたむを何度も何重にも繰り返し補修場所に馴染ませる。
「ふうっ~! 今夜中には終わるかな」
剣は補修されることを望んでいるようで、素直に予想より早く治っていく。
「不思議な剣だな。普通の剣ならこんなに早く治ったりしないのに。もしかして本当に勇者の剣なのかな」
きぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーん。
「そうか。キミには使命があるんだ。その役目を全うするために、ここに来たんだね」
「何ぶつぶつ言ってるんだ、エルク?」
「母さん。できたよ。勇者の剣の復活だ」
「もう?」
「早く行かないと手遅れになるって言ってる」
「どういう意味だ?」
「コンスとアルルを呼んできて。魔王が、魔王が復活しているって」
「魔王は何百年も前に倒されたはずじゃないのか」
「ふぁ~剣は治ったの~?」
アルルは気になったのか、早起きをしたようだ。あくびをしながら入ってくる。コンスも一緒だった。
「見えたんだ。綺麗になった剣に見せられたのかもしれない。魔族の長、魔王と呼ばれる者がいた。人類を滅亡させようとしている」
「なんっだって?!」
コンスは慌てていた。アルルの瞳が金色に光った。
「魔王が復活するということは、今は害をなさない魔物が人を襲うということ。魔王の意思を全ての魔物が受けるということ」
真面目な空気だったが、エルクは言った。
「ただ、魔王は幼女だったよ」
「は?」
その場にいたエルク以外の人間が全員ずっこけた。
「なんか、可愛い女の子みたいだった。あの子を倒すとか犯罪臭するね」
「でも、魔王は倒さないといけないよね……?」
コンスが確認する。
「とりあえず、行って会ってみないとわからないから!」
アルルが勢いよくコンスを遮る。
「……とりあえず、皆にも話そうか」
アルルは肩をがっくりと落とす。
「そうだな」
なぜか苦労性の二人であった。
5人以外を書くと、なんともギャグにならない!わらわは、笑いを求めておるのじゃ!とっとと笑いを出すがいい!ってギャグの神様に怒られそう……。




