表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/73

第70話 バトル漫画に修行編は必要不可欠な法則について

「デートご苦労様。約束の情報はそこに書いておいたから」

「ああ、助かる。それと一つだけ頼みがあるんだけど」

「何かしら? 可愛い後輩の頼みなら聞かなくもないけど」

「あの教育実習生の記事を出すのはやめてくれませんか?」

  それを聞いた途端、顔つきがガラッと変わる。後輩をからかう先輩ではなく、記者の顔に。

「記事は新鮮で読者が興味のあるものほど見られやすいの。それを手放すのは新聞部にとってどれだけのことなのか分かっての頼みなのかしら?」

「正直、新聞部の俺には分からない……ですよ。でもそうやって茶化すような真似だけはいくら先輩でも見過ごせない」

 新聞というのはそういう物なのかもしれない。でも、あの人がネタにされるというのは見過ごせない。

「……そう。貴方がそこまで言うのならやめてあげるわ。丁度、新しいネタが届いた頃だしね。ただしこの埋め合わせはいつかしてもらうわよ」

「はい。それはもう」

 結局、次の新聞の内容はおすすめデートスポット特集となった。流石に俺が実際にデートして取材しというのは記載されていなかったので修羅場は回避出来たが、潤香はこれを見てどう思うだろうか?

 俺が嘘をついていなかったのはこれで証明されたが……噂をすれば何とやら。額に汗を浮かべていて、焦っているようだ。

「い、いた……。探したぞ」

「どうしたんだそんなに慌てて。もしかして新聞のことか? だったら……」

「違う! 天界と人間界の危機なんだ。とにかく、来てくれ」

 強引に連れてこられたのは学園長室。待っているのは学園長とは思えない幼い容姿をした彼女は大天使。そんな彼女も潤香と同様に思い詰めた顔をしている。

「いつもすまぬの。緊急事態故、こうして呼び出した」

「もしかしてまた大天使が裏切ったとかですか?」

 あれは母さんが拳で黙らせたけど、今回はあの時のように簡単に片付くような案件ではないようだ。

「いや、それならまだ良かったのじゃがな」

 その含みのある言い方にこの重大性を知り、空気がガラリと変わる。

「お前にはまだ知らせてなかったけど、天使、堕天使や神以外にも人外の存在がいるんだ」

「それは悪魔じゃ。この人間界に知れ渡っているように悪魔は狡猾で恐ろしい存在じゃが、数百年前に行われた天界との戦争で魔王が消滅してから急速に動きが弱まった。現代ではほとんど力がなく、無視をしても問題のない存在じゃった」

「じゃった?」

「実は消滅したはずの魔王が復活の兆しを見せている報告が届いのじゃ。しかもこの街に潜伏をしているとも」

「魔王……それはまた随分と急だな。けど、それは早めに対処しないと。その潜伏場所は」

「現在調査中じゃが……あまり良い報告ねわはないじゃろうな。どうやら人間の体内に潜んでいるようじゃからの」

「体内って、そんなのどうやって……」

「神威である俺が斬る。ただそのためにはお前の母親くらいの力が必要だけど、あの人は魔王を復活させようとする悪魔の掃討で忙しいから手が離せない」

「それで俺に白羽の矢が立ったのか。でも俺に母さんみたいな力はないぞ」

「いいや、それは自覚していないだけでその遺伝子は引き継がれておる。あまり時間はないが報告までその力が出せるまで其奴と特訓をしてくれ」

 まさかのここで修行編が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ