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第7話 幼馴染の友達(モブ)は意外と有力な情報を握っている法則について

 計画は既に実行段階に移行している。こうも動くのが遅くなったのは何処かの天使のせいだが、そこは口にしないでおこう。

 それも今朝、リリエルが言っていた二人に意中の相手がいるということが真実なら事はそう難しくはない。

 俺が恋のキューピットになってやれば良い。

「でもどちらからなさるつもりですか? それとも二人同時にですか?」

「いや、二人同時は流石に俺の身がもたない。だから一人ずつ。まずは恵だな」

「それはどうしてですか?」

「一ヶ月後に球技大会がある。葵はその時に生徒会の手伝いって名目で潜入してその間に作戦を実行しようと思ってたんだ」

 俺の幼馴染幸福化計画の完了は早い方が良い。誰だって幸せでいられる時間は長い方が良いのだから。

 そうなると計画の実行を早めるのが一番の近道だ。そしてスケジュール的に恵が優先される。

「なるほど。だから恵さんが先なのですね。てっきり恵さんの方に気があるのかと」

「は? 恵も葵も好きに決まってるだろ」

 当たり前のことを聞かれたので即答してやると、何故かドン引きをされた。幼馴染に好意を持っているなんて普通だろ。

「そ、そうですか。ではそのように進行していくのは良いですが私は何をすればいいんでしょうか?」

「お前は……まあ、追って指示を出すよ。情報収集は俺だけの方が警戒されないだろうから」

 正直、こいつがいると面倒ごとが増えそうだ。たださえ時間が短いのに邪魔でもされたらたまったものではない。

「了解しました。ではそれまで大人しくしていますね」

「その言葉が嘘じゃないことを祈るよ」




***




 まずは恵の意中の相手を探るべく調査を始めた。

 手始めに恵の部活仲間である鈴木 未来に声をかける。

「え? 最近何かあったかって急にどうしたの?」

 俺の突然の質問にキョトンとしている。

 それもそのはずだ。しかし、未来は中学から恵と一緒にテニス部に所属をしていたからヒロインの友達キャラの鑑だ。

 こういう時は察してくれる。

「いや、様子がおかしいから何かあったのかな〜って」

「う〜ん。そういえば最近調子悪いみたいだよ。転校生が来た時くらいからかな〜」

 それはあの噂のせいか。でもそれは幼馴染として心配してくれてのこと。これでは意中の相手のヒントを掴めない。

「他に何かない?」

「いや、私には何とも……本人に聞いてみれば?」

「そうしたのは山々だけど、こればっかりはな……。あいつは一人で抱え込む癖があるから俺が直接聞いてもはぐらかせてくるだろうから」

「なるほど。確かにあんたが特にね。そういうことなら協力するよ。何か分かったらコッソリ教えてあげるね。それじゃあ、部活あるから」

 それだけ言い残すと未来はラケットバックを背負って颯爽とテニスコートまで走っていった。

「これでまずは部活関係の情報は勝手に集まってくる。でもこれじゃあまだ足りない」

 肝心の恵は誰が好きなのか?

 それが分からない限り計画の進めようがない。次やるべきはこれで決まった。

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