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第64話 家庭訪問は小学生までの法則について

 家に教師が来るというのは学生にとっては一大事だ。

 何を言われるのかとビクビクして終わりを待つ。そしてその後にどうにか誤魔化していたものが教師の口から露見していて怒れる。

 誰も幸せにならない悪しき習慣、家庭訪問。 

 それを彷彿とさせる今回の訪問だが教育実習生がそれをする必要はなく、ここにいるというのは本来あり得ないことだ。

「えっと、先生。どうしてここに?」

「先生だなんて他人行儀な呼び方はよしてください。ぜひお姉ちゃんと呼んでください」

「その前にどうして住所を知ってるんですか?」

「それは秘密ですが、実はここで同棲していると聞いて少し確認を。まだ未成年ですからお姉ちゃんとして心配になってしまいまして」

「別に先生が心配することは何も。じゃあ、確認は出来たので帰ってもらえますか。俺たちもうすぐ寝るので」

「いえ。まだ確認は終わってません。納得出来るまで帰りませんから」

 これは困った。

 この人は五十嵐と同じ話を聞かないタイプだ。自分の中でこれと決めたら他人から何と言われようと頑なに変えようとしない。

 ただ無理に外に出してもわざわざ招き入れた意味がなくなる。ここは彼女に納得して貰って自ら帰ってもらうしかない。

「じゃあ、もう遅いんで俺たちは風呂に入って寝ますから先生は大人しくしていてください」

 いつまでいるかは知らないが成人しているからわざわざ面倒を見る気はない。今まで通りに行動する。

 お風呂は先に俺が入って、女性陣が後になる。これは女性は男性よりもお風呂に入っている時間がないから蓮が後になると大分待たないといけないことになるからで決して後だと残り湯を飲みたくなるからという変態な理由ではない。幼馴染の残り湯ならともかく、この二人ではそのまま洗濯で再利用するだけだ。

 今日はあの自称姉の教育実習生がいるから蓮は体を洗って数分だけお湯に浸かって出ようとしたがそこには人影があった。

 その声からあの自称姉だということが分かる。

「お風呂中ごめんなさい。ちょっと気になることがあって……」

「今じゃないと駄目ですか?」

 生まれたばかりの姿で出たら前の潤香と同じような目に遭ってしまう。この人なら取り乱したりはしないだろうが俺が耐えられない。

「弟ちゃんはお風呂から出たらすぐに寝ると妹ちゃんたちから聞いたから、今聞くべきだとお姉ちゃんは判断しました」

「いや、勝手にそんな判断されても……それと絶対にお姉ちゃんと呼びませんからね」

「ど、どうしてですか? 私に至らないことがあったらすぐに直しますから教えてください。これからの参考にしますから」

「常識的にですよ。他の生徒からも呼ばれなかったでしょ」

「はい。実はそうなんです。一部の子は呼んでくれたのですがそうではない子の方が多く……」

「俺はアドバイスとかしませんからね。早く用件済ませてそこから退いてください」

「そうでしたね。お聞きしたいのはご両親についてです。お二人とも仕事が忙しいようでこの実家に帰られていないというのか確認済みですが弟ちゃんがそれをどう思っているのか気になりまして。もし寂しいのならお姉ちゃんが癒してあげます」

 風呂場ということもあって色んな癒し方を想像してしまったが蓮は首を振る。

「心配してくれたのは感謝しますけど別に寂しくなんてないですよ。ちゃんと帰って来て欲しい時には帰ってくるし、両隣に可愛い幼馴染がいるし、今はあいつらがいますから」

 おかげでいつもは静かなこの無駄に広い家が賑やかになった。母さんはそれを見越してここに住まわせるようにしたのかもしれないーーいや、それはさすがに考え過ぎか。

「そう……ですか。どうやら私はお邪魔だったみたいですね。では私はこれで失礼しますね」

 そう言い残すとその場から去るだけではなく、家から出て行ってしまった。どうやら俺の家庭が複雑なのを心配してくれたらしい。

「ふぅ〜、やっと落ち着けるぜ」

 上がったことを報告して、そのまま部屋へと入り布団を被る。明日にはかの無意識の願望がどのような影響を与えているかを確認しようと考えるながら目を瞑った。

 だが数時間後に異変を感じて起き上がる。

「何だ?」

 潤香がイタズラでもしに来たのかと電気をつけるとそこには出て行ったはずの自称姉の教育実習生が布団に忍び込んでいた。

「起きてしまいましたか。お姉ちゃんとしたことが不純異性交遊がされていないかを確認するのを忘れたのでパジャマを用意して戻って来ちゃいました」

 来た時は清潔感溢れる白で統一されていたが今は生地の薄いピンク色のパジャマを着用している。そしてこの角度からは男を誘惑する二つ山が立派に聳え立っているのがよく見える。

「お願いですから帰ってください」

 これは無意識だとか関係ない純粋な願いだ。

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