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第52話 愛情は摂取し過ぎると体に悪い法則について

 最強の母親が降臨したことにより、危機を脱して目的である大天使サリエルを討伐した蓮たちは依頼主の元へと戻った。

「さて、ご苦労じゃった。まさかカマエルが来るとは想定外じゃったが……」

「ふふっ。息子の危機に駆けつけるのは母として当然の義務ですから」

 二重に結界が張られている学園に侵入し、拳一つで全てを解決するのが母親の役目なら世界中の子供たちは土下座して感謝しなくてはいけないな。

「サリエル、及びに協力しておった堕天使は応援に来た者たちに天界へ連行してもらったから安心せい。どのような罰が下るかは神のみぞ知るというやつじゃがの」

 天界でも裁判をするのかは知らないが、大天使でありながらあんな問題を起こしたのだからただでは済まないだろう。幼馴染を堕天使にしたのだから当然の報いだが、気になるのは仁那の方だ。

 まさか彼女が堕天使とは驚きだが、サリエルに堕天使にされ操られていたのかそれとも最初から堕天使で自分の意志協力をしていたのかを問いたい。もし、後者ならずっと俺たちを騙していたことになるが……。

 なんて悩んでいても既に二人とも俺の手の届かないところに行ってしまった。

「結局、私はそこの大天使様に手柄を横取りされたわけだけどこの場合はどうなるの?」

「そうじゃの……まあ、お主たちも頑張っておったから報酬は渡そう。じゃが、事後処理が大変なので渡せるのはもう少し先になるがの」

「あっそ。ならもう用はないから私は失礼するわ」

 ついでに蓮もその場から去ろうとするが母がそれを許さない。

「蓮くん。お母さん、久しぶりにお弁当作ってみたからお昼はこれを食べて。愛情をたっぷり込めたから残さないでね」

 普通だがそれが逆に怖い。しかし、ここで受け取らないと面倒なことになるので蓮は大人しくそれを手に教室へと戻って行った。

「しっかりと母親をしているようじゃの。それでどうしてそんなに怒っているのかを教えてはくれんかの」

「あら、世界一可愛い息子に手を出しておいて今更しらばっくれるつもり?」

「確認する暇がなかったから仕方ないであろう。それに過保護過ぎると子供は成長しないぞ。獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすと言うじゃろ」

「そんな事したら地面に落ちる前に救い出します」

「お主だとそれは冗談には聞こんの。じゃが、いつかは親の手から巣立つ。そろそろ覚悟を決めておくことじゃな」

「ええ、言われなくとも」

 母親として、大天使として依莉は頷いた。




***




 賞品である食券を手にできたのはたったの数十人だったらしく、ほとんどが捕まったらしい。

 恵が涙ながらに語ってくれた。

「本当は私も食券を貰えてたんだよ! でも蓮が急にメールしてくるからそれに気を取られたから捕まっちゃったんだよ」

「俺のせいにされてもな……。まあ、そんなに言うなら今度なんか奢るから機嫌直せって」

「ほんと⁉︎ じゃあ、今度お昼一緒に食べに行こ。それにしても今日は珍しくお弁当だったんだね」

 早起きして用意するのは面倒なのでいつもお昼ご飯は学食か購買でパンを買うかにしている。

 料理はできるから飽きたら作るようにしているが月に数回あるくらいだ。

「実は母さんが帰ってきててな。相変わらずだったよ」

「へ〜、おばさん帰ってるんだ」

「正直、大変だよ」

 普通なら家事を任せられて楽ができると喜ぶところだが我が家の場合は、昔か俺が家事をしていて帰って来たからといってそれが変わることはない。ただ単に仕事が倍になるだけだ。

 それに一人にすると息子成分が枯渇するとか言って暴走するから放ってはおけないから気が気ではない。

「む〜、それにしても本当におばさんは相変わらずみたいだね。これは強敵だよ」

 そんなに弁当を凝視されると困る。

 何故ならご飯の上にはふりかけで『LOVE』と書かれているからだ。彼女ならともかく、母親にこんなものを渡されたらどう反応していいか分からない。

 とりあえず、昼休みは苦笑いをしながら愛情特盛りの弁当を腹の中に収めた。

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