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第42話 最近の幼女はしっかりしている法則について

「あんたが学園長⁉︎」

「うむ。まあ、驚くのも無理はないの。表向きは他の者に任せておるから知ってるおる者は少ない。じゃが、お主たちに隠す必要はないじゃろうと思ってこうしているわけじゃ」

 まさか幼女のしかも大天使が学園長だとは……。この学園に問題児が多いのはそのせいかもしれない。

 だが俺にとってはそんなことどうでもいい。

「別にお前が学園長でも構わねえよ。葵に何をしたかを教えてくれ」

「ああ、昨日の件か。あれは元に戻したまでよ。気にせんでも本人にあの時の記憶はないし、普通にしておればもう同じようなことは起こらんて」

「元に戻した? あの女は堕天使だったんでしょ」

「堕天使は堕天使でも元は人間なのが問題なのじゃ。だからこそ儂が直々に動いたのじゃが、やはりお主は知らんかったか」

「どういうことだ? 人間から堕天使になることはないのか?」

「ええ。天使は人間が転生してなるものだけど堕天使はその天使が堕天した存在よ。だから人間がいきなり堕天使になるのはおかしいの」

 いまいちピンとこないが異常事態であることは理解できた。

「ここにお主たちを呼んだのは他でもない。実は人間を堕天使にしておる者がおってな。其奴を討伐してほしいのじゃ」

「人間を堕天使に? それは信じられないけど、それが本当なら最近堕天使が急に増えてるのに納得がいくわね」

「嘘ではないぞ。それにこの儂が協力し、もしもこの誘いを受け討伐してくれた暁には天使に戻させてやっても良い」

 それが彼女にとってどんな意味があるのか。何にしても今後に大きく関わってくるだろうがクロムは即答した。

「お断りよ。あんたの手下になるつもりはないわ」

「ほう。勇ましいのは良いが話は最後まで聞くべきじゃぞ。人間を堕天使にしておる者の正体は大天使サリエル」

「大天使が人間を堕天使に⁉︎ 一体何が目的でそんな……」

「それは本人に問いただすしかあるまい。さて、それではもう一度尋ねるが協力してはくれぬか?」

 クリムは思いつめた顔で考え、ため息と共に答えを出した。

「分かったわ。けど、こいつにそんな話を聞かせて良かったの?」

 蓮は関係者ではあるがただの人間だ。戦力にならないどころか、ここから情報が漏れる可能性もある。

「うむ。まだ知らなくとも良いが儂はとある理由があってその小僧には色々と期待しておるのじゃ。まあ、今回は相手が相手ゆえ聞かなかったことにしてくれても構わんが」

「俺の大事な幼馴染が被害に遭ってるのに大人しくして解決するのを待つのは柄じゃないんでね」

「そうか。ならば共に不埒者の討伐と行きたいところじゃが……」

 そこで授業開始のベルが鳴る。

「学生の本分は勉学じゃ。儂が学園長だからといって贔屓はせんからそのつもりでの」

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