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第40話 突然乱入してくる新キャラは何だかんだ強い法則について

「結界を張ってるのにここに来られるなんてあんたもこっち側の存在ということね。でも今は取り込む中だから邪魔しないでくれる」

「邪魔じゃと? 助けに来てやったというのに無愛想じゃの。あまり儂を怒らせるでないぞ」

 水玉模様のスカートと『こうりん』と達筆な字で書かれてたTシャツを着た小学生くらいの背丈の少女は変わった口調をしていたが、それよりも気になったのが彼女の頭上にある光る輪っかである。

「天使の輪⁉︎ ってことはこの餓鬼が大天使?」

「餓鬼とは言ってくれるな。それに勘違いをするでない。お主が悪さをしておる堕天使共を成敗しておるのは聞き及んでおる。これは大きな声では言えんのだが、その功績を称えお主は無害認定されるのじゃ。まあ、今はその女子をどうにかした方が良さそうじゃの」

「お前も天使なのか……。見た目は小学生くらいなのに」

「人を見た目で判断してはいかんぞ。こう見えてもお主らよりも何倍も長生きしておるわ。しかし、儂も争い事は好まん。そこでじゃ、そこな堕天使の女子。提案なのじゃが、大人しく引き下がってはくれぬか?」

「嫌よ。だって貴方も蓮に悪影響を及びそうなんだもの。それにここで引いたら一体誰が蓮を助けるの? 蓮を助けるのは私一人で十分なのに」

「小僧、随分と好かれておるようじゃの。相手がやる気のようじゃからこちらもそれ相応の対応をするが、それでも問題ないな」

「ちょっと、何でいきなり出てきて勝手に決めようとしてんのよ」

「お主には聞いておらん。なに、別に取って食おうとなんて思っとらんよ。時間はないぞ小僧」

 虚ろな目で葵はこちらへと歩み寄ってきている。

 リリエルやクリムのせいで天使や堕天使を危険視していなかったが、こうなると改めて自分とは違う存在なのだと思い知らされる。

「頼む。葵を止めてくれ」

 もうあれは俺の知っている葵ではない。それに俺がどうこう出来る領域ではない。ここは適任者に任せるのが賢い選択だ。

「良く言ったの小僧。それでは後は儂に任せい」

 頭上の輪っかを煌めき、その眩さで目の前が真っ白に染まる。それに反応できなかった蓮はまともにその光を見てしまい、数秒瞼を開けない状態に陥った。

 ようやく、目が慣れて開けるようになった時には既に決着がついていて葵は気絶したようにその場に横たわっている。

「とりあえず、悪い気は根絶しておいたからしばらくは大丈夫じゃろう。しかし一度堕ちた者はまた堕ちやすい傾向にあるから気をつけい。詳しく話したいがもう遅いから明日、話すからそのつもりで頼むぞい」

 一方的に言いたいことだけど言い終えた謎の大天使はそのまま学園の闇へと消えていった。

「何なのよ一体……。けど、もうそろそろ結界で誤魔化すのも無理があるわ。あの大天使に従うみたいで不本意だけどここはこれでお開きにするわよ」

 今夜はもう色々と疲れた。

 先に生徒会室に行っていたメンバーには葵の体調が悪くなったから帰るとメールをして倒れた葵を背負ってそのまま家へと送った。

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