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第4話 ギャルはコミュ力が高い法則について

 委員長に仕事を任せて蓮は屋上へと赴いた。

 協力者に会うためだ。いくら熱意があろうと一人で出来ることには限界がある。だが計画は公にするわけにはいかないのであくまで利害関係であって仲間とは呼べないが計画をスムーズに進めるのには彼女の協力が必要不可欠だ。

「俺だ。東雲蓮だ。開けてくれ」

 屋上は普段、施錠されていて生徒が勝手に入れないようになっている。だが今日は協力者が独占している。どやったかは企業秘密だそうだが、蓮にとってそれはありがたいことだった。

 しばらく、扉の前で待っていると鍵が開く音がしてその向こう側から明るい髪と濃い化粧が印象的な褐色肌の女子生徒が姿を現した。

「あれ、レンレン早いじゃん」

 彼女が協力者である高垣 仁那。

 明るい髪の毛と無駄に露出度が高いという見た目から分かるようにいわゆるギャルだ。いつも携帯片手に何かをしているが、彼女は学校の七不思議にも入るほど謎に包まれている。彼女の謎を追求した者は存在を消されるなんていう噂もあるほどだ。

「少し予定が狂ってさ。それで頼んでたのはもう出来てるか?」

「ああ、近辺調査の件ね。もちろん出来てるよ。早さと正確さが売りだかんね。それにしても幼馴染なんだから直接本人に聞けばいいのに。まあ、私には関係ないけど」

 それ相応の報酬を支払えば情報を提供してくれるがそれ以上はしてこない。計画をひた隠しにしている蓮にとっては好都合だ。

「それじゃあ例のものはまた後日」

「いや、それは別でいいや。それよりもレンレン聞きたいことがあるんだ」

 嫌な予感がしたが無下には出来ない。

「俺に答えられることなら」

「最近、転校生が来たじゃん。実は私その子の情報を集めてるんだ。レンレン仲が良いから何か耳寄りな情報を持ってないかな~って。どんなことでもいいからさ」

「確かに仲良くはしているけど俺もあいつのことはほとんど知らないさ。それこそ本人に聞いてくれ」

 流石に「あいつは天使だよ」とは言えない。信じてはもらえないだろうし、あいつが腹いせに俺の計画を公言しかねない。

「それが意外とガードが固くってさ~。レンレンならって思ったんだけどな~。じゃあ、何か分かったら教えてよ。そうしたら安くしておくからさ」

「ああ、何か分かったらな」

 仁那との取引で手入れたのは葵と恵の周囲の人物についての情報だ。幼馴染とはいえ全てを知っているわけではない。葵は生徒会の知り合いが、恵はテニス部の知り合いがいる。

 迎えに行った時に会ったことはあるがその人がどんな人なのかは知らない。とはいえ本人にそれを聞こうにも怪しまれるだけ。そこで仁那に協力してもらったということだ。

「蓮さん。ここにいたんですね」

 廊下を歩きながら仁那から受け取った資料を確認しているとリリエルと鉢合わせになったので、そのまま教室へと足を進めた。

「お前か。ちゃんと鍵はかけてくれたか?」

「はい。バッチリです。それよりも蓮さん、今日のお昼休みは空いていますか?」

「特に予定はないから空いてるけど」

「では良い場所を見つけたのでそこで一緒にお昼を食べましょう。そこで私が使えることを証明してみせます」

 いつもは葵と恵の三人で食べているが、天使がどんなことが出来るか見てみたいし今日くらいは良いだろ。

「それじゃあ、昼休みを楽しみにしてるよ」

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