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第38話 後輩は憎たらしくも愛らしい法則について

 来栖姉弟と出会ったのは二人が代表で高校見学に来た時だ。

 蓮は生徒会の手伝いで二人を案内した。それで顔見知りとなってはじめての後輩となった。個人的に精一杯、可愛がっている。

「それで愛梨、何の用だ?」

「用がないと先輩と喋っちゃいけないんですか?」

「いや、そういうわけじゃないけど……」

「だったら良いじゃないですか。私は先輩とお話がしたかったんですよ。でも新堂先輩とばっかりと喋っててずるいです!」

「ずるいって……別に愛梨を蔑ろにしてたわけじゃないぞ。ただあいつがからかってくるから相手にしてただけで」

「そういうのはもう良いです。私が聞きたいのは新堂先輩のことが好きなのかどうかです」

「好きかどうか? 普通に嫌いだぞ。照れ隠しでも何でもなく。あいつと俺は犬猿の仲だぞ」

 お互い利益になるから付き合いを続けているだけでそれがなかったら会って話すなんてまずないだろう。

「へぇ〜、そうなんですか。それじゃあ、私にもチャンスがあるってことですね」

 と急に距離を縮めてくる愛梨。その柔肌が触れ、生暖かい吐息が耳をかすめる。

「お、おい!」

「ふふっ。照れてる先輩かわいいです」

 小悪魔のようないたずらっぽい笑顔を浮かべるが、蓮は彼女に否彼に問う。

「なあ、そろそろ演技はやめたらどうだ啓」

「へ?」

「いつ入れ替わったかは知らないが、俺が見破れないとでも思ったか?」

「流石……ですね。いつ気がついたんですか?」

「今さっきだよ。これだけ近づけば誰だって気づくだろ」

 愛梨はその何というか性格とは正反対な胸をしているからそこで判断するのは難しいが、肌と肌が触れるまで近ければーー。

「そんなことありませんよ。僕たち姉弟は似ていて、こうして服を交換するとどっちがどっちか分からなくなるのが普通ですから」

 その表情からして過去に何かあったのだろうが、それを聞くのは野暮というものだ。

「そうか。俺は普通じゃないのか」

「あ、いえ。それは良い意味で別に先輩を貶しているわけでは……」

「分かってる分かってる。啓はそんな奴じゃないって。でも何でこんな試すようなことをしたんだ?」

「ごめんなさい。先輩を信じていないわけではないんですけど、僕たちはどうしても知りたかったんです。先輩が僕たちをちゃんと見てくれているかどうか」

 彼は彼女たちは不安だったのだろう。双子は珍しく、特にこの姉弟は色々と苦労をしてそのせいで信じられなくなってしまったのだという。

「見てるよ。俺の可愛い後輩たちなんだからな」

 いや、これは正しくないな。

 正しくないけど今はそれで良いだろ。

「そうですか……あの先輩。もう一つ聞きたいんですけどこれって何ですか?」

 手渡されたのはボタンだ。それも普通のボタンではなく、堕天使を見分けるためのボタンでそれを袖のボタンとすり替えておいた。木を隠すなら森の中というやつだ。

 わざわざ女装してまで俺に接触してきたからてっきり啓が堕天使なのかと思い咄嗟に使ってしまった。

「いや、何も起こらなかったからそれで良いんだ」

 啓はそのまま愛梨の元へと向かった。服を交換するらしい。

 これで消去法だが堕天使は愛梨か八ツ寺ということが判明したがどちらがそうなのか考えていると背後から思わぬ来客が現れた。

「ねえ、蓮。ちょっといいかな?」

 鷺宮 葵。

 俺の幼馴染だ。

「ああ、大丈夫だけど急にどうしたんだ?」

「うん。少し聞きたいことがあって」

 間を空けて、唐突に、目を見開いて葵は口にした。

「どうして蓮はあの堕天使と協力してるの?」

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