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第31話 敵は意外と近くにいる法則について

「まずは調査ね。あんた顔が広いみたいだから私が堕天使だと睨んでいる奴が黒か白かを実際に確かめてほしいの」

「確かめる?」

 交渉が成功し、本格的に堕天使を探すことになった二人は秘密裏に計画を練っていた。

「そうよ。天使も堕天使も正体がバレないように人間のフリをしてるからそれをあんたが暴くの」

「なるほど。けど、相手は警戒してるだろ」

 既に天界が手を打ったことは彼女が知っている時点で相手も知っていると考えられる。となると以前のように派手な行動はしないだろう。

「だからこそのあんたでしょうが。今回の犯人が警戒してるのは私が天使の兵隊たちだけ。人間のあんたなら深くまで踏み込めるわ」

「まあ、そのために協力することになったんだしな。けど確かめる方法はどうする?」

 警戒されないのは良い。だが、堕天使か否かを確かめられなくては意味はないのだが。

「私の能力を使うわ。こいつが堕天使だと確信したらこれを相手の皮膚に押し付けなさい。そうすれば後は私が何とかするから。けどチャンスは一度きりよ。失敗したらあんたは堕天使に始末されるかもしれないわ」

 それでもやるのかと言いたげだが、ここで退くような俺ではない。幼馴染に危険が及ぶ可能性は少しでもあるのなら死ぬかもしれなくともやってみせる。

「わかった。じゃあ、成功するように祈っててくれ」

 それを握り締めた蓮は自信満々の笑みを浮かべた。




***




 クリムが堕天使だと思われる人物を絞り込んで(これもまた能力でしたようだがそこは教える必要がないと一蹴された)、三人を調査することになった。

 この三人には共通点がある。それは生徒会役員ということだ。葵を通せば交流は簡単だが、堕天使が学園の中心的存在である生徒会役に所属しているかもしれないと思うとゾッとする。

 さて、まずは生徒会に潜入するために葵に話しかけないといけないのだが……まだあの告白のことが頭から離れない。

 当人同士は気持ちに折り合いがついて以前と変わらずにいるというのに、盗み見していた俺だけこんなに悩んでいるのは何か違う気がする。

 悩んでいても何か変わるわけでもないし、思い切って……。

「ねえ、何やってるの蓮」

「あああ、葵⁉︎ いや、ちょっと考え事をな」

「最近、そんなのばっかりだけど大丈夫? また生徒会の仕事を手伝って欲しかったんだけど今回はやめた方が良さそーー」

「いや、やらせてくれ!」

「け、けど……」

「何もしないより体を動かした方が頭がスッキリして考えがまとまるかもしれないし、葵が俺を頼ってくれるのは嬉しいから頑張るぜ」

「蓮がそう言うなら頼もうかな」

 ということで生徒会に潜入することはこれで確約した。問題はどうやって三人の中から堕天使かどうかを判断するかだ。

 そこは自分で考えろと言われてたが簡単に尻尾を出すとは思えない。何か手を考えないといけないが。

「それで何をしたら良いんだ?」

「学園の七不思議を調べるって生徒会長は言っていたけど」

 何故か悪寒がしたが、とりあえず詳しい内容を聞くために生徒会室へと足を運んだ。

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