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第2話 学園ラブコメで転校生が必ずと言っていいほどいる法則について

 学園ラブコメにおいて転校生というのは必要不可欠な存在だ。

 何せラブコメの大半は学園もの。そこで読者の目を惹く展開といえば転校生というのが鉄板。

 だが、まさか俺が計画を進めようとした瞬間に登場とはこれもまた何者かの陰謀が感じられる。

 リリエル・ララフォート。

 金髪碧眼の美女で転校してきてたった一週間だというのにファンクラブなるものが設立されたと聞く。

 ちなみに俺の隣ということもあって担任から世話を頼まれてしまい、最近何故か懐かれてしまった。

「蓮さん。今日は蓮さんのお家に伺いたんですけど良いですか?」

 リリエルは昔、この街に住んでいたということあり日本語が上手い。英語が苦手な俺にとってはありがたい限りだ。

「いいよ。何もないから期待には添えないと思うけど」

「いえいえ。私はただ蓮さんとお話がしたいだけですから」

 恵はテニス部の練習。葵は生徒会の仕事でリリエルと一緒に帰ることが多くなり、その際に俺の家に招待する約束をしていた。どうやら今日が都合が良いようでそのまま真っ直ぐ俺の家へと案内した。

 周囲に誰もいないことを確認して彼女は驚きの一言を発した。

「さて、蓮さん。私がお話したいのは貴方の計画についてです」

「け、計画? 何のことかわからないな」

「シラを切っても無駄ですよ。天は全てを知っていますから」

「はぁ……やっぱりただ者じゃなかったか。それで本性見せたってことは全部話してくれるんだよな」

 転校生は大抵、その物語の重要人物で流れを大きく変える存在。異能を持っていたり、そもそも人間ではないなんていう設定も良くある。

 だからそうなのかもしれないと事前に心構えをしていた。まさか天使だとは予想だにしていなかったが。

「勿論です。私は貴方の悲願を達成するために天から遣わされた者。端的に言うと天使です」

 その証拠として彼女は背中から白い翼を現出させた。穢れなきその翼は見ているだけで心が洗われそうだ。

「て、天使……だと? 信じられないがその羽根を見る限り、嘘じゃなさそうだけど計画のことを聞いてどうするつもりだ」

「計画が成功するようにご助力しようかと」

「そんなことしてお前に何のメリットがある。何か企んでいるとしか思えないが」

 だってそうだろ。

 普通に手伝うだけなら正体を明かさなくても色々と方法はあったはずだ。それなのにこうして姿を現したのにはそれ相応の理由があるはず。

「確かに、急に協力すると言っても信じてはくれませんよね。ではまずは私の天使としての能力を見ていただきます。そうすれば協力が必要だとそちらから頼んでくるでしょうから」

「随分と自信があるみたいだな。まあ、良い。邪魔だけはしないでくれよ」

 天使だろうが悪魔だろうが俺は絶対にこの計画だけは成功させてみせる。

 俺の幼馴染を幸せにするという計画だけは。


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